混沌スケボーゲーム『skate.』発売後2週間で1400万ダウンロード突破との推計。買収で揺れるEA発ゲーム、記録的なペースで成功収める
ゲーム市場データ分析会社のAlinea Analyticsの推計では、『skate.』が1390万ダウンロードを記録したと見積もられている。

ゲーム市場データ分析会社のAlinea Analyticsは10月3日、Steam・PlayStation・Xboxのプラットフォームにおける9月のゲームダウンロード数について推計結果を発表した。これによると、『skate.』が1390万ダウンロードを記録したと見積もられている。
『skate.』は、Electronic Artsが手がける『Skate』シリーズの約15年ぶりとなる最新作だ。舞台となるのは4つのエリアで構成されたオープンワールドの街「サン・ヴァンステルダム」。スケボースポットを探したり、ミッションやスキルアップチャレンジに挑戦したり、あるいは期間限定のシーズンイベントに参加したりなどして楽しめる。オンラインマルチプレイ専用の基本プレイ無料タイトルとして展開され、1サーバーあたり最大150人のプレイヤーが参加可能。クロスプラットフォームでのプレイにも対応する。

Alinea Analyticsが10月3日に同社のブログThe Alinea Insight newsletterで公開したデータによると、同社が推計したSteam/PlayStation/Xboxにおける9月のダウンロード数では、『skate.』が首位に君臨。実に1390万本と見積もられている。同作は9月16日にリリースを迎えたことから、なんと約2週間で樹立された数値のようだ。これはAlinea Analyticsが今年追跡してきたなかで、発売後1か月の記録としては過去最大級とのこと。内訳としては、Steamが24.7%、PlayStationが46.2%、Xboxが29.1%をそれぞれ占めている。

この理由として、シリーズの歴代プレイヤーによる人気はもちろんのこと、本作の基本プレイ無料の形態による参入障壁の低さや、SNSで共有しやすいショート動画コンテンツによって新たなファン層を獲得していると分析している。『Skate』シリーズは物理演算によるカオスな挙動が特徴の一つであり、本作『skate.』も例外ではない。すでにプレイヤーの間では、空中ぶっとびテクニック(関連記事)や生身高速滑走テクニック(関連記事)などさまざまなバグが見つかっている。そうした面白いシーンのバイラル化が功を奏して、本作の成功へと繋がっているとみられている。
さらに、前述のダウンロード数ランキングで2位となっているのは、同じくElectronic Artsが手がけるサッカーゲーム『EA Sports FC 26』だ。こちらは870万ダウンロードを記録しており、今年発売されたほかのスポーツ系タイトルと大きな差をつけている。そして昨年発売された『EA Sports FC 25』と比べても、1.4倍ペースで売れているという。

なお3位に入ったのはTeam Cherryが手がけた『Hollow Knight: Silksong』だ。大ヒットとなった前作『Hollow Knight』の待望の続編ということもあり、長らくAAAタイトルが支配していたという9月のダウンロードリストに、珍しくインディーゲームがランクインすることとなった。特に発売初日からXbox/PC Game Passに追加された影響も大きかったようだ。

ところで、先日Electronic Artsはサウジアラビアの政府系ファンドであるPIE(Public Investment Fund)や、米国のプライベートエクイティ企業であるSilver LakeおよびAffinity Partnersからなるコンソーシアムによって買収が成立した。買収額は約550億ドル(約8兆2000億円)にものぼり、手続きの完了後に株式は非公開化される(関連記事)。従業員の抱える懸念に対して、Electronic Artsは即座の人員削減には繋がらないと説明しているものの、買収完了時には大きな負債が生じることとなる見込みで、企業のあり方にも大きな変革が訪れる可能性はあるだろう。9月に2つのタイトルで大きな成功を収めた同社の今後の動向には、現在世界中が注目している。