“名前被り”で本家『アニマルスパ』開発元から怒られた人気ゲーム、さらに名前変更。まだ似てたので、『マルチーズとふわふわ温泉』に

Sinkhole StudioがSteam向けに配信している風呂屋運営シミュレーションゲームのタイトルが、『マルチーズとふわふわ温泉』に変更された。元は「アニマルスパ」の名を冠していたが、SUPERTHUMbより、商標権侵害であると指摘されていた。

デベロッパーのSinkhole Studioは6月5日、現在PC(Steam)向けに配信中の風呂屋運営シミュレーションゲームのタイトルを、『マルチーズとふわふわ温泉』に変更した。本作は、当初のタイトルについて他社に商標権侵害を訴えられ、その後タイトルが変更され紆余曲折したが、どうやら『マルチーズとふわふわ温泉』に落ち着いたようだ。

本作は、動物たちが訪れる銭湯を運営する放置ゲーム要素のある作品だ。プレイヤーは、お客をもてなしお金を稼ぎながら、浴室や休憩室などの設備を追加・カスタマイズし、風呂屋を発展させていく。また、横長のゲーム画面が採用され、PCのデスクトップ画面の下部分にだけ表示させ、ほかの作業をしながら楽しむことができる点も特徴となっている。

『マルチーズとふわふわ温泉』は、もともとは『アニマルスパ』というタイトルでPC(Steam)向けに今年5月に配信。しかしその後、別のデベロッパーSUPERTHUMbが商標権侵害を訴えた。同スタジオは、温泉施設を作り動物たちを招待する放置系ゲーム『アニマルスパ』を手がけ、iOS/Android向けに2018年にリリース。しかも、日本では「アニマルスパ」のタイトルを商標登録していたのだ。

これを受けてSinkhole Studioは6月1日、タイトルを『アニマルスパ』から『ラインドッグ:アニマルスパ』に変更。ただSUPERTHUMb側は、「アニマルスパ」という名称が引き続きタイトルに含まれているため、自社ゲームとの関連性を想起させたり、ユーザーに混乱を与える可能性が残っていると指摘した(関連記事)。

そうした懸念がSinkhole Studioにも伝えられたのか、6月3日には『ラインドッグ:アニマルスパ』から『ホーチ温泉』へと変更。放置ゲームの「放置(ホーチ)」を取り合わせたのだろうか。そして6月5日に『ホーチ温泉』から『マルチーズとふわふわ温泉』へとふたたび変更された。

『ラインドッグ:アニマルスパ』に変更された当時は、ストアページ上の日本向けタイトル表記のみが差し替えられたが、その後の『ホーチ温泉』への変更時には、英語タイトルも『Animal Spa』から『Idle Onsen』に。そして『マルチーズとふわふわ温泉』への変更にあわせて『Maltese’s Fluffy Onsen』に差し替えられた。同時に、ストアページの各種画像やトレイラー内のタイトル表記もすべて変更されており、どうやらこれで両社が納得するかたちに落ち着いたようだ。

Sinkhole StudioとSUPERTHUMbは、共に韓国に拠点を置くスタジオだ。先行してリリースされたSUPERTHUMbの『アニマルスパ』は、韓国のApp StoreおよびGoogle Playにて部門1位の評価を得るなど成功を収めているという。SUPERTHUMbは、韓国の他社が同一タイトル名の新作をリリースしたことに対して非常に驚きを感じていると述べていた。これまでのところSinkhole Studioは、一連のタイトル変更については沈黙を貫いており、当初のタイトル設定の背景については不明である。

『マルチーズとふわふわ温泉』は、PC(Steam)向けに配信中。またSUPERTHUMbの『アニマルスパ』は、iOS/Android向けに基本プレイ無料にて配信中だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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