話題の“YES禁止ゲーム”など3作融合『ショートショートフィクションズ』発表。「~できない」ゲームをまとめて繋いだオムニバス

room6は7月9日、『ショートショートフィクションズ』を発表した。3本の短編ゲームを1つの物語で繋ぐ、オムニバス・アドベンチャーゲームだ。

room6は7月9日、『ショートショートフィクションズ』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、2026年にリリース予定。発表にあわせて、Steamのストアページが公開されている。

『ショートショートフィクションズ』は、「~できない」をテーマにした3本の短編ゲームを1つの物語で繋ぐ、オムニバス・アドベンチャーゲームだ。本作の収録作の1本である『DON’T SAY YES』は、「YES」と答えるとゲームオーバーになる短編アドベンチャーである。

同作の舞台となるルナ歴22XX年では、一隻の宇宙船が月へ墜落。主人公のパイロットは、生命維持装置の故障により生命の危機に陥ってしまう。同作ではそこへ、謎の存在が登場する。人が月に来たのは数百年で初めてだという悪魔は、今にも死にそうなパイロットに対して、傷を癒やす代わりに自分を心へ招く契約をしろと迫る。月の外へ出られない悪魔と死にかけたパイロットの契約を巡る物語が、YES/NOの選択だけで繰り広げられていく。同作は、2022年12月にブラウザ向けに無料公開。人間味のある悪魔のキャラクターや、短いながらも引き込む物語から、注目を集めてきた。

本作には、同じくブラウザ向けに無料公開中のどうしても南に行けない短編ADV『TO:NORTH』も収録。また書き下ろしの新作短編『IMMEMORIAL』は、XXXXできないXXXXのゲームとされており、なにかに気づいたものの忘れてしまった人物の物語が展開されるようだ。

また本作では、そうした3本の短編が、ポイント&クリック型のADVとしても遊べる『LOST AND FOUND』によって繋がれる。同作に登場する自称・魔法のゲーム機「ニューウィー」には、どんな願いでも叶える力があるのだという。主人公の佐々木は、ニューウィーの魔法で1日だけの有給休暇を得る。しかし、対価として不思議な浜辺に閉じ込められてしまい、ニューウィーのためのゲームのカセットを探すことになる。そんな中、佐々木とニューウィーは奇妙な戦闘機「千夜一夜号」と遭遇。千夜一夜号は自分の夢を叶えてくれれば脱出を手伝うというものの、とてつもない願いをもっていた。本作では『LOST AND FOUND』によって、3つの短編がひとつのオムニバスとして繰り広げられるのだろう。

本作は、紅狐(realkey)氏による個人サークル「密輸水産」とroom6の共同開発とされている。サークル密輸水産の過去作としては、「つらく・しんどく・美しく」をモットーに『DON’T SAY YES』『TO:NORTH』『SOUND OF RED』を公開。いずれもゲームボーイ向けのゲームが作れる「GB Studio」制の作品となっている。また同氏はVODKAdemo?のメンバーとして、早期アクセス配信中の『MINDHACK』ではメインシナリオなどを担当している。

プレスリリースによると、本作では本物のレトロハードでプレイしているような没入感が味わえるとのこと。また本作は、一般向けには7月19日より開催予定の「BitSummit the 13th」にプレイアブル出展予定。会場では試遊者向けに、特別なノベルティも用意されているそうだ。

『ショートショートフィクションズ』は、PC(Steam)向けに2026年リリース予定だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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