ドラッグ密造シム『Schedule I』勢い止まらずついに同接20万人の大台に突入。一時は「Steamで3番目にプレイヤーの多いゲーム」になる

TVGSは3月25日、麻薬密売シミュレーションゲーム『Schedule I』を早期アクセスで配信開始している。本作の人気は留まることを知らず、同時接続プレイヤー数が20万人を突破している。

デベロッパーのTVGSは3月25日、麻薬密売シミュレーションゲーム『Schedule I』を早期アクセスで配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)。最大4人での協力プレイに対応している。正式リリース後に各言語対応が予定されている。本作は早期アクセス配信直後から好評が多く寄せられるスタートダッシュを切ったが、その勢いはとどまることを知らないようだ。

『Schedule I』は、薬物の密売をテーマにした一人称視点のシミュレーションゲームだ。ドラッグの製造・販売を通して薬物帝国を築き上げ、お金もモノも人脈もない状態から暗黒街の頂点を目指していく。収監されたはずの叔父ネルソンから麻薬栽培のテクニックを授かったプレイヤーは、モーテルの一室をドラッグの製造工場へと変えることに。薬物販売ビジネスによって大きな資金を獲得したら、さらに大きな物件を購入し事業拡大を目指す。薬物に手を染めたからには、警察やカルテルとの銃を使った戦闘も起こるだろう。

本作には大麻だけでなく、コカインや覚醒剤など多種多様なドラッグが登場する。ドラッグごとに製造方法は異なる。またレシピをアンロックすることで徐々に扱える種類が増えていく。たとえば大麻の場合、まず栽培テントを設置する。そして土の準備や水やり、ハサミによるトリミングなどさまざまな工程を経て収穫に至る。栽培のためにいくつも段階を踏むという、やけに本格的な薬物製造が楽しめるのが本作の特徴だ。

本作は、700万人近くのフォロワーを有する海外の有名ストリーマーが配信をおこなった影響もあり、リリース直後から6万人の同時接続プレイヤー数を獲得するロケットスタートを切ることになった(関連記事)。しかし一時的な人気に留まることなく、勢いはさらに加速。同時接続プレイヤー数は右肩上がりで増え続け、現在ピーク時では約23万人を超える大ヒットとなっている(SteamDB)。本稿執筆時点でのSteamユーザーレビューも好調で、約1万6000件中98%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。ヒットの要因としてはインフルエンサーによる影響力はさることながら、本作がもつシンプルな操作性ながら本格的で奥深いドラッグ密造が楽しめるという点がユーザーに評価されている。

Steamにおけるもっともプレイされたゲームのランキング(3月29日10時半頃時点)

本作を手がけるTVGSは開発者のTyler氏による個人デベロッパーであり、近年ではこうした小規模スタジオによるヒット作が次々と生み出されている。Steamにおける同時接続プレイヤー数ランキングで本作と肩を並べるCo-opホラー『R.E.P.O.』もその一例だ。スウェーデンを拠点とするインディースタジオsemiworkが手がける同作は、ホラーゲームでありながら笑えるゲームプレイが話題となり、ピーク時には20万人近くのプレイヤーが遊ぶ人気作となった(関連記事)。チームの規模に関わらず、ユニークなアイデアやテーマ次第で、ユーザーの心を掴むことができるということだろう。

『R.E.P.O.』

なお『Schedule I』についてユーザーからは、ドラッグ密造を扱ったアメリカのテレビドラマ「ブレイキング・バッド」を想起させるという声も多く上がっている。映像作品などを通じて“ドラッグ密造のいろは”を理解している人にとってはすぐに入り込みやすいという側面もあるのかもしれない。シミュレーションゲームというジャンルにおいては、作品によって方向性はさまざまであるものの、ユーザーの「やってみたい」がゲームの中なら実現できるという部分も持ち味になりえる。日本ではもちろん、諸外国でも多く禁止されているドラッグ製造をゲーム内で安全に、「やたらリアル」に楽しめるという点が伸び続ける人気の理由なのかもしれない。

『Schedule I』はPC(Steam)向けに、早期アクセスで配信中。リリースを記念して15%オフの税込1955円で購入可能なセールも4月1日まで実施されている。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

記事本文: 69