“NPCなし”サンドボックスMMO『Pax Dei』意欲的コンセプトが注目されたかSteamにて盛況。課題を抱えつつも、プレイヤーたちが社会を形作る
デベロッパーのMainframe Industriesは6月18日、『Pax Dei』を早期アクセスとして配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は税込5900円。本作はリリース後さっそく人が集まっているようだ。
『Pax Dei』はソーシャルサンドボックスMMOだ。舞台となるのは中世をベースにした土地Heartlands。約300平方キロメートルに広がっているというHeartlandsには、謎の遺跡やダンジョンなども存在するという。プレイヤーはそうした遺跡を探索することが可能。ほかにもクラフト要素などを活かし、生産や建築、交易などをおこなうこともできる。
本作の特徴は、MMOと称されつつも、モンスターなどを除いてNPCが登場しないことにあるだろう。そのため、生産したもののやりとりはプレイヤー同士でおこなわれることになる。プレイヤーがお互いに物品などをやりとりすることによって経済が形作られていくのだ。また物品の制作に素材が必要であれば、協力して探索したり、あるいは依頼するなどして手伝ってもらうこともあるだろう。そうしてプレイヤー間で関わりあいが起きることで、それぞれの生活が発展していく。
そんな本作は6月18日に早期アクセス配信が開始された。SteamDBによれば、同時接続プレイヤー数はリリース後さっそく約1万人まで増加。本稿執筆時点でも約1万人をピークとして推移を続けている。
なお評価としてはSteamユーザーレビューにて約1000件中58%の好評率に留まる「賛否両論」ステータス。プレイヤー同士による経済圏の発展や、役割分担から生まれる交流といった点が高い評価を獲得している一方で、パフォーマンス面の問題や不具合などが指摘されている。
こうした課題については、プレイヤーからのフィードバックを受けつつ随時調整がおこなわれている。具体的には建築時に発生するラグの問題や、敵NPC(Mob)の大量出現に関する問題などが修正。また既知の不具合についても随時調査し、情報を更新していくとのこと。
早期アクセス配信期間におけるロードマップも公開されている。Goldを導入することによる「貨幣経済」の導入やボイスチャット機能、PvPなどでの戦闘のプレイ感向上など、システムや要素の追加、既存要素の調整などがおこなわれていくようだ。ちなみにMainframe Industriesによれば、早期アクセス配信期間は少なくとも2025年6月まで続くとしているものの、おそらくそれより長い期間になると見込んでいるようだ。
本作を手がけるMainframe Industriesは、フィンランド・ヘルシンキをはじめとしてヨーロッパに拠点を置くゲームスタジオだ。業界のベテランが集まっているといい、スタッフの中にはUbisoftやBlizzard Entertainment、Remedy Entertainmentなどに所属していた人もいるようだ。本作はMainframe Industriesとして手がけるはじめての作品といい、業界ベテランスタッフのノウハウが本作に活きているのかもしれない。
『Pax Dei』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。価格は税込5900円だ。