開発中止された大注目サンドボックス『Hytale』、まさかの「復活」。Riot Gamesから権利を買い取りチーム再集結、開発再始動へ
Hypixel Studiosは11月18日、『Hytale』の権利をRiot Gamesから買い取り、開発を再開すると報告。数日中に早期アクセス配信日が発表される予定だ。

Hypixel Studiosは11月18日、『Hytale』の権利をRiot Gamesから買い取ったことを報告。開発が再開され、数日中に早期アクセス配信日が発表される予定だという。
『Hytale』は、『マインクラフト』の人気サーバーHypixelの運営チームが手がけていたサンドボックスRPG。自動生成された広大なファンタジー世界での生活や冒険を楽しめるほか、Hypixelサーバーでおなじみのマルチプレイ対戦などのミニゲームも多数用意。さらに、動画撮影やキャラクター作成、各種モデリング・アニメーション制作、ゲーム内スクリプト作成などのためのツールが提供され、自由度の高いゲーム体験が実現される計画であった。

本作は2015年にプロジェクトが始動。2018年12月に正式発表され、トレイラーで大きな注目を集めることになった。その後2020年4月に、開発元のHypixel StudiosがRiot Games傘下となり開発が進められていたものの、マルチプラットフォーム対応などさまざまな要因から、2021年に予定されていたリリースは延期に。そして今年6月24日、突如本作の開発中止が発表された(関連記事)。
そうした中ではHypixel Studiosの創設者でありHypixelサーバーを運営するHypixel社の共同創設者兼CEOを務めるSimon Collins-Laflamme氏が反応。Simon氏は『Hytale』を開発するHypixel Studiosの共同設立者でありCEOも務めていたが、Riot Gamesの傘下入りに際して同スタジオを退職した人物だ。同氏は『Hytale』の開発中止に落胆が広がる中で再始動に向けたアクションを起こすと宣言し、権利元となっているRiot Gamesに連絡を取ることを表明していた(関連記事)。
そしてこのたび、『Hytale』の公式ニュースにてSimon氏の声明と共に本作の開発再開が発表された。Riot Gamesから権利を買い取ることに成功したそうで、この数週間でかつてのスタッフを30名以上再雇用しているという。オリジナルの『Hytale』のビジョンに立ち戻ると表明されており、今後は発表当時の方針で開発が進められるのかもしれない。同氏によるとこうした取引は業界では珍しいそうで、権利の売却に応じたRiot Gamesと、希望を持ち続けてくれたファンへの感謝が綴られている。
また今後の具体的な計画も明かされており、まずは早期アクセス配信開始日が今後数日以内に発表されるとのこと。対応プラットフォームはローンチ時にはWindowsのみとなり、Linux/Mac向けの展開も試みられるそうだ。遠い将来にはほかのプラットフォームへの展開も想定されているという。
早期アクセス配信期間は数年間続く予定であり、正式リリースを急がずに開発が進められていくそうだ。配信開始時点では探索(Exploration)モード、クリエイティブモード、およびModサポートが備わる見込み。ミニゲームやアドベンチャーモードは後から追加予定で、特にミニゲームは専任チームで開発が進められるという。なお早期アクセス配信開始直後はバグやバランスの悪さも残っており、頻繁なアップデートにより“何かが壊れる”可能性も想定されているとのことだ。

ちなみに本作の権利はHypixel Studiosが100%所有していることが強調されており、投資家・パブリッシャーからの出資もなく個人資金で10年間取り組まれると伝えられている。Simon氏と、スタジオの共同設立者であるPhilippe Touchette氏の共同出資で開発再開が実現したようだ。未完成のまま早期アクセス配信で開発を進めるリスクも承知しているそうで、まずは完璧なゲームエンジンよりも素晴らしいゲームを作ることに専念するという。復活を果たす『Hytale』の今後に注目したい。
『Hytale』はPC向けに早期アクセス配信予定。配信日は近日公開予定だ。




