Facepunch Studiosは7月5日、『Rust』PC（Steam）版に向けて「Road Renegades」アップデートを配信開始した。バイクや自転車といった新しい乗り物のほか、囚人用の手錠や「旅するベンダー」の追加、NPCベンダーの新たな価格決定システムなどを実装する内容になっている。
『Rust』はオープンワールド・オンラインサバイバルゲームだ。プレイヤーは石と松明だけを持ったほぼ裸一貫の状態でポストアポカリプス世界に放り込まれ、飢えや渇き、寒さなどに対処しながら生存を目指す。また、プレイヤーの生存をおびやかすのは健康面だけではない。敵対的な野生動物やNPC、そして他プレイヤーとの過酷な衝突もこのゲームの特徴だ。拠点を設立し、クラフトで装備を整えて生き残りを目指す。
今回のアップデートでは、新たなアイテムや乗り物が登場。その目玉となるバイクは、複数種類のモニュメントで発見可能とのことだ。一人乗りのバイクのほか、サイドカー付きのバイクも実装。バイクは高速で軽快に走り回ることができ、低グレードの燃料を使ってマップを移動するのに向いている乗り物だという。
また今回のアップデートでは自転車も追加。こちらはモニュメントやマップの道端などで入手可能。一人乗りのもののほか、三輪タイプの自転車も用意されており、後者では後ろの席に二人目のプレイヤーが座って射撃することも可能だ。自転車はバイクに比べるとスピードは劣るものの、入手が容易で燃料も使わないものになっているという。その代わり、空腹と渇きがゆっくりと蓄積されていくとのこと。また自転車ではスプリントをすることで立ちこぎが可能。一時的にスピードを上げることもできるようだ。
そのほか、新アイテムとして手錠と囚人用フードが実装される。手錠は降伏、または友好的なジェスチャーをしているプレイヤーかダウンしているプレイヤーに対して使用可能。捕虜にすることができ、インベントリの使用やインタラクトを制限することができる。また手錠をかけたプレイヤーは、突き飛ばしたり、乗り物に強制的に乗せたりできるそうだ。そして囚人用フードを被せられると、視界が遮られ、被せられたプレイヤーはマップにアクセスできなくなるという。
そして新しいイベントとして、車に乗ったNPCベンダーが環状道路のあるマップに自然にスポーンし、アイテムを移動販売するようになるという。ベンダーは基本的な建築資材からゲーム内で最高のアイテムまで、さまざまな商品を販売。スポーンするたびにランダムなアイテムが選ばれ、毎回異なる値段で売られるため、運が良ければ安売りをしてくれることもあるそうだ。なお新たな移動式ベンダーを利用するためには、ベンダーの近くまで走り寄る必要がある。またベンダーの車にはタレットが配置されているそうで、うっかり敵対してしまわないように注意する必要がありそうだ。
またNPCの自動販売機の価格設定についても調整が入る。スクラップで購入できるアイテムの販売価格を、そのアイテムの人気度に応じて増減させる制度が導入。これにより、需要が高いアイテムは価格が上がり、そうでないアイテムは価格が下がることになる。地図上や店頭では現在の割引率と価格を確認することができ、価格変更の履歴とその商品の最初の価格を伝える小さなインジケーターが追加。どの商品が安くて、どの商品が高いのか、どれだけ価格が変わったのかが一目でわかり、購入の判断材料になるという。この調整については1か月間動向が見守られるそうで、必要に応じて変更を加える方針とのこと。
そして今回のアップデートでは引き続きメモリの最適化も行われているという。可能な限りオブジェクトを結合して数を減らすことで、アセット処理に費やす時間の短縮やメモリのさらなる節約が見込まれているとのこと。来月以降もメモリの改善や、施設をロードする際の新しいプロセスの導入など、さらなる最適化の実施を予定しているようだ。
本作は2013年よりSteamで早期アクセス配信が開始され、2018年に正式リリースされたタイトルだ。Steamストアレビューでは、本稿執筆時点で約89万件以上のうち87％が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。ストリーミング配信などで注目されていることもあってか根強い人気を誇り、SteamDBによると、本アップデートの配信直後はピーク時で17万人以上の同時接続プレイヤー数を記録している。配信開始から約10年以上の時間を経てもなお衰えを知らない人気もうかがえる。今回のアップデートがもたらす反響も注目されるところだろう。
『Rust』の「Road Renegades」アップデートはPC（Steam）版向けに配信中だ。なお本作はSteamサマーセールの対象となっており、7月12日午前2時まで33％オフとなる税込3015円で販売中。
