『バイオハザード』の「ハンク」のコスプレをした少年が逮捕されたとの海外報道。“武器をもつ危険人物”と勘違いされ

イギリス・ロンドンにて、『バイオハザード』のハンクのコスプレをしていた人物が逮捕されたとのこと。負傷者などは出ておらず、BBCの報道などによれば、すでに保釈されているとのこと。

イギリスにて、模擬銃を持ち歩いていた少年が通報され、逮捕されたことをBBCなどが報じている。また別の海外メディアによると、この少年は『バイオハザード』のキャラクターのコスプレをしていたという。なおこの通報・逮捕にともなって怪我人などは出ていないようだ。

各誌の報道によると、現地時間8月30日、イギリス・ロンドンに位置するスタジアム「スタンフォード・ブリッジ」付近で、『バイオハザード』シリーズに登場するハンクのコスプレをしていたとみられる16歳の少年が逮捕されたとのこと。報道によれば少年は武器を持っているとの市民からの通報が寄せられ、逮捕に至ったようだ。

ハンクとは、『バイオハザード』シリーズに登場するキャラクターのひとりだ。ハンクはゲーム内の架空企業、アンブレラ社の保安警察であるU.S.S.(Umbrella Security Service)に所属。どれだけ困難な任務も遂行し、帰還することから「死神」と呼ばれることもある。ハンクは黒で統一された戦闘服に加え、プロテクターやヘルメット、二眼レンズタイプのガスマスクを装備している。また携行している銃器としては、H&K VP70や、MP5を模した架空銃LE5などが挙げられる。

ロンドン警視庁によれば、8月30日午後、実物そっくりの模擬銃を所持していた疑いで、16歳の少年を逮捕したとのこと。イギリスの警察が市民からのQ&Aに回答するサイト「Ask the Police」によれば、模擬銃の所持について基本的には、正当な理由があることを証明できない限り違法だという。本物にそっくりの模擬銃を製造・輸入・販売するほか、模擬銃を改造し、より本物そっくりにすることも違法だ。なお、歴史再現、演劇などの使途であれば例外として認められている様子。ただ18歳未満の者が模擬銃を購入することなどは違法とのことで、こうした要素が少年の逮捕に繋がったようだ。当時の映像も各種メディアが報じており、逮捕者はアンブレラ社の腕章をつけていることが確認可能で、コスプレであったことがうかがえる。ちなみにBBCの報道によれば、その後少年は保釈されたという。

現場となったスタンフォード・ブリッジでは8月30日にはサッカークラブのチェルシーとフラムによるプレミアリーグの試合も開催されていた。「少年が武器を掲げ人混みに向かっていった」という通報内容からも、スタジアムに向かい銃を乱射するのではないかという懸念があったものと思われる。ハンクはキャラクター設定上、ガスマスクをはじめとした武装が充実していることもあり、見た目からは16歳の少年の扮装であることが分かりづらいだろう。その恰好が通報者の懸念に拍車をかけた可能性はある。

なおロンドンでは現地時間8月29日から8月31日まで「London Anime & Gaming Con」と呼ばれる、アニメやゲーム関連コンテンツについての交流イベントが開催されていた。同イベントではいわゆる「コスプレイヤー」が多く見られることも有名だ。ロンドン警視庁によれば、少年がこのイベントに参加するつもりで、ハンクのコスプレをして街中を歩いていた可能性もあるとのこと。

こうした、武装を伴うコスプレをした人物が逮捕されたケースは過去にも見られる。カナダでは『Fallout』シリーズに登場するNCRレンジャーのコスプレとして弾薬ベルトやガスマスクを装備し街を歩いていた男性が、市民の通報を受け警官に取り囲まれる事態になったという(Game*Spark)。“元ネタ”を知らない人々にとっては、ガスマスクを着用したり、武器を携えたりして街中を歩いている姿は危険に映ることだろう。地域を問わず、公の場でのコスプレはTPO次第で誤解に繋がりうることを示す事例かもしれない。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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