「圧倒的に好評」宇宙飛行シム『Reentry – A Space Flight Simulator』ついに正式ローンチ。リアルすぎる宇宙ミッションに挑める、“開発期間10年”の力作
Lyra Creativeは11月8日、『Reentry - A Space Flight Simulator』を正式にリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。

デベロッパーのLyra Creativeは11月8日、宇宙飛行シム『Reentry – A Space Flight Simulator』を正式にリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。
『Reentry – A Space Flight Simulator』は、リアルな宇宙飛行を体験できるシミュレーションゲームである。本作では実際のミッションで使用された有人宇宙船がモデルとなっており、プレイヤーは宇宙飛行士として現実に起こったようなミッションや、架空のミッションに挑むことになる。ゲームとして楽しめるバランスになるよう、宇宙船は100%再現されたものではないとのことだが、膨大なチェックリストを確認し、軌道上から地球を眺め、月を目指すといったリアルな宇宙飛行体験ができる作品だ。残念ながら本作の対応言語は英語のみとなっているが、NASA(アメリカ合衆国航空宇宙局)で宇宙を目指すにあたっては仕方のないところだろう。

今回配信されたバージョン1.0では、正式リリースに必要な要素として据えていたという3つのゲームシステムが実装されている。「Project Mecury(マーキュリー計画)」では、1958〜1963年に実施されたアメリカ初の有人宇宙飛行計画を体験できる。人間を地球の周回軌道上へ送り、無事に帰還させることが目標だ。本作のタイトルにもなっている大気圏への再突入(Reentry)にも挑戦することになる。
「Project Gemini(ジェミニ計画)」では、NASAの2度目の有人宇宙飛行計画を体験することになる。現実では1965〜1966年の間に実施され、合計で10名の宇宙飛行士が地球周回軌道を飛行した。宇宙船の外に出ての船外活動や、宇宙空間で宇宙船同士が接近する「ランデブー」、完全に速度を合わせて結合する「ドッキング」は、こちらの計画で体験できる。
そして「Project Apollo(アポロ計画)」では、地球周回軌道を飛び出し、有人宇宙飛行で月を目指す。月面に着陸するだけでなく、移動やサンプル運搬をおこなう月面車に乗る要素も用意されている。歴史の教科書にも載っている人類にとっての偉業を、あたかも当事者のように味わうことができるだろう。


本作のゲームプレイはある程度ゲーム向けに簡略化されているとはいえ、かなり本格的なものとなっている。宇宙飛行中に参照すべきさまざまな数値は機器に表示されているものを見なければならないし、何か数値を入力する際もボタンをひとつひとつ押すといった具合だ。そうした手順を習得するためのアカデミーもあるが、何もかも覚えておくのは極めて難しい。ミッション中にチェックリストが手放せないものとなるだろう。ゲーム中でチェックリストを編集する機能もあり、自分用にアレンジすることも可能だ。
そんな本作が早期アクセス配信を開始したのは、約7年前となる2018年11月のことである。開発開始からは、なんと10年もの歳月をかけてじっくりと作り上げられてきた作品だ。あまりに硬派な作風から、知る人ぞ知るゲームとして一部で話題となっており、本稿執筆時点ではSteamユーザーレビューは881件、そのうち97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。レビューでは宇宙飛行を再現したシミュレーターとしてのリアルさが高く評価されている。なかには「Steamで購入した中で最高の作品」と評する声まで聞かれる。決して万人向けではないが、好きな人にとってはたまらない作品というわけだ。

本作を手がけるLyra Creativeは、フィンランドを拠点とするゲームデベロッパーである。Petri Wilhelmsen氏とTuuli Wilhelmsen氏の2名で運営されており、Tuuli氏は日常業務を担当し、開発はPetri氏1名でおこなっている。Tuuli氏が同スタジオに加わったのは2019年とのことなので、Petri氏が約10年という長い道のりを歩む中で、心強い味方を得たのだろう。本作がSteamでリリースしている唯一の作品となるが、ゆっくりと着実に開発を進めてついに製品版のローンチへ至ったかたちだ。
『Reentry – A Space Flight Simulator』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、11月15日までの期間限定で定価の20%オフとなる税込3120円で購入可能だ。




