1万時間遊べるSteamパズルRPG『Tactical Nexus』本編が“100%値下げ”で無料化。興味のないプレイヤーから“無駄なお金”を奪いたくなかったから


デベロッパーのTeam-Tactical Nexusは7月16日、『Tactical Nexus』について、ゲーム本編を無料化した。同開発チームによるとその理由について、本作を購入しても遊ばないプレイヤーが過半数おり、“無駄な収益”を得たくなかったから、としている。

『Tactical Nexus』はRPG風のパズルゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)で、日本語表示に対応している。ゲームプレイとしては、見下ろし視点でダンジョン内にいる敵を倒したり、鍵を使って扉を開けたりしつつ、ダンジョンをより深くへと進んでいく。

なお本作にランダム要素はなく、敵と戦う順番や、アイテムの取得タイミング、レベルアップによるボーナスの割り振り方を考慮する必要がある。敵からいかにダメージを受けず、素早くステータスを上げることで、より高いスコアを残せるようになる。シンプルでありつつも、奥深く、気づけば何時間も費やすことのできる戦略性の深さが評価を受け、本稿執筆時点で、Steamユーザーレビューでは110件中98%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。ちなみに本作は公式説明にて“1万時間遊べるパズルRPG”と標榜されており、ユーザーレビューにも数百時間から1000時間以上のプレイヤーから好評が寄せられている。


そんな本作は2019年11月12日にSteam向けにリリース。日本向けには税込2300円、米ドルでは19.99ドルの価格で販売されていた。しかしながら今年6月29日、Team-Tactical Nexusは7月中旬をめどに、メインパッケージ(ゲーム本編)の価格を無料に変更する旨を告知していた。

その理由としては、「メインパッケージ(ゲーム本編)を買ったプレイヤーがまったく本作をプレイしていないこと」に起因しているという。本作では今まで数十時間遊べるとされる無料体験版が提供されていた。にもかかわらず、ゲーム本編を購入したプレイヤーのうち、65%ほどが10時間以下のプレイ時間にとどまっているという。またTeam-Tactical Nexusは、本作でそもそも利益を出すつもりはなかったそうで、本作に興味のないプレイヤーに代金を払わせたくない、という意向により、無料化を決定したそうだ。

この変更により7月16日からは、ゲーム本編が無料で入手できるようになった。また有料DLCとして提供されている「Chapter 3」から「Chapter 8」については、最低でも2027年まで値上がりも値下がりもしないと公表されている。


なお本作を以前に購入したプレイヤーについては、今後販売されるDLC「Chapter 8」を無償で利用可能とする対応がとられる見込み。ちなみにTeam-Tactical Nexusいわく「DLCを購入する必要性があるのは、少なくとも100時間ぐらいはゲームをプレイしてから」とのこと。DLC購入を決断する前に、まずはゲーム本編をしっかりプレイしてほしいと述べている。またあくまでゲーム本編の完全クリアは、DLCを購入しなくても到達可能であるとも念を押して伝えられている。

今回ゲーム本編の無料化に踏み切った『Tactical Nexus』。「無駄な収益を得たくない」という一風変わった理由での価格変更となっており、ユーザーが遊ばないのにお金を費やすことをできるだけ回避する狙いがあったようだ。ちなみにTeam-Tactical Nexusによれば、本作の平均プレイ時間は今年7月時点で約217時間となっており、今後は平均プレイ時間の300時間超えを目指すという。これからの本作の、プレイ時間に関する動向も気になるところだ。

『Tactical Nexus』はPC(Steam)向けに無料配信中だ。