PS5 Pro担当者、ディスクドライブが別売りなのは「“バランス”考慮して追加オプションにした」と海外メディアに明かす。全員ディスク版で遊ぶわけではないので


ソニー・インタラクティブエンタテインメントは9月11日、PS5 Proを発表。PS5 ProにはUltra HD Blu-rayディスクドライブが標準搭載されないことが案内されている。これを受けて同社のPS5 Pro担当者は海外向けのインタビューに回答。外付けディスクドライブが標準搭載されていないのは「プレイヤーに選択肢を与えるため」であると語っている。米IGNが報じている。

PS5 Proは、PS5の上位モデルだ。11月7日に発売予定で、価格は税込11万9980円。高精細なグラフィックを60fpsで動かすというニーズを念頭に機能が追加されているという。具体的にはGPUのアップグレードや、従来からさらに進化したレイトレーシング機能の追加、独自AIアップスケーリング技術であるPlayStationスペクトルスーパーレゾリューション(PSSR)による解像感の向上により、より高精細なグラフィックと高いフレームレートを実現しているという。

そんなPS5 ProにはUltra HD Blu-rayディスクドライブは非搭載となっており、ディスク版のゲームをプレイする場合は別売りのディスクドライブを購入して取り付ける必要があることが発表されている。なお縦置きスタンドも別売りとなっている。PS5用のディスクドライブの希望小売価格は税込1万1980円。PS5 Proの発表を受けてディスクドライブが品切れとなったり、価格が高騰したりといった動きも見られる(関連記事)。

これについて、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのグローバル商品企画部シニアプリンシパル・プロダクトマネージャーである青木俊雅氏が米IGNのインタビューに回答している。同氏はPS5 Proの商品企画を担当した人物でもある。

インタビューのなかで、同氏は質問に答えるかたちでPS5 Proの希望小売価格について言及。同氏によれば税込11万9980円という希望小売価格が設定されている背景には、PS5 Proが「もっとも熱心なプレイヤー(the most engaged players)」をターゲットにしていることがあるという。そのためPS5 Proではゲームプレイに関する新技術のほか、PS5との技術的な違いにとどまらない部分も含めて、ゲーマーに新しい体験をもたらすことに狙いがあるそうだ。またPS5 Proにて2TBのSSDが標準搭載され、Wi-Fi 7規格が採用される点については、そうした仕様が“フルパッケージ商品”としてもっとも多くの需要に沿うかたちになるとの考えがあるという。

一方で同氏はインタビューにて、PS5 Proではディスクドライブが標準搭載されない点についても説明している。同氏は「たとえほとんどのプレイヤーがディスク版でゲームを所有しているとしても、すべてのプレイヤーがディスクを利用していることにはならない(Not all players have discs, even though most players may)」と言及。またディスク版でゲームを所有するプレイヤーに向けては外付けディスクドライブを追加できる選択肢が用意されていることもあり、(ディスクドライブが標準搭載されないことは)バランスの取れた価値提案になっていると判断されたようだ。

なお、ディスクドライブ搭載版PS5とディスクドライブ非搭載のPS5 デジタル・エディションの価格差は税込7000円。PS5用の外付けディスクドライブの希望小売価格は税込1万1980円となっている。PS5 Proがディスクドライブを搭載した場合、1万円前後の価格が上乗せになっていただろう。

ちなみにUltra HD Blu-rayディスクドライブ自体は昨年11月から販売されている新モデルのPS5とPS5 Proで共通の規格となる。すでに新モデルのPS5を所有しているユーザーであれば、ディスクドライブを取り外してPS5 Proへの流用も可能だ。そのためディスクドライブの需要としては、ディスクドライブの取り外しができない旧モデルのPS5ユーザーと、PS5 Proからの購入を検討している新規PS5ユーザーのうちパッケージ版でのゲーム購入を予定しているユーザーが主体となるだろう。そうした状況も、PS5 ProではPS5と違ってディスクドライブ搭載版とデジタル・エディションのふたつのモデルが用意されなかった背景としてあるかもしれない。

PS5 Proは11月7日発売予定。価格は11万9980円(税込)で、9月30日午前10時より予約受付が開始される。