おもちゃ影絵パズル『Projected Dreams』好評率100%スタート。家族の物語のぬくもりを感じつつ、充実まったりパズル体験

Flawberry Studioは5月29日、パズルゲーム『Projected Dreams』をリリース。本作はさっそく好評を集めているようだ。

ゲームデベロッパーのFlawberry Studioは5月29日、パズルゲームProjected Dreamsをリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はさっそく高い評価を得ている。

『Projected Dreams』は物を積み上げて影絵を作るパズルゲームである。プレイヤーは部屋の中にある棚や箱から影絵に使えるものを探し、テーブルの上に積み上げて、お題となっているシルエットに一致するような影絵を作ることを目指す。影絵を完成させると、その影絵にちなんだ「写真」が鮮明になる。写真には、主人公の少女センカの家族の思い出が記録されていて、1枚1枚集めるうちに家族が歩んできた歴史を垣間見ることになるだろう。どこか懐かしい気持ちになる、心温まる作品だ。

ゲームプレイは影絵パズルが中心となる。写真ごとにお題となるシルエットがあるので、それに一致するようにテーブルの上にものを積み上げるのだ。影絵の作成に使えるものは部屋のあちこちに散らばっているため、まずはシルエットに必要な形状をしたものがないか探すことになる。見つけたものは自由に回転させたり、大きさを変えることができるため、置き方によって意外な形の影を作り出すこともできるだろう。お題のシルエットに当てはまるのであれば、どんなものを使っても自由である。ただし「積み上げる」都合上、バランスが悪いと崩れてしまうこともあるため注意が必要だ。

影絵を完成させて鮮明になった写真はアルバムに収められ、思い出を振り返ることができる。アルバムはイベントごとに付箋で区切られているようだ。写真とともに思い出を振り返る言葉やイラストが添えられていることもあり、時には病院で新生児につけられるネームバンドのような思い出の品が貼り付けられていることも。主人公のセンカが思い出の写真を通じて過去を知ることで、想像力を刺激されて新しいものが見えてきたりすることもあるようだ。ゲーム進行に応じて部屋にどのような変化が生じるのかにも注目だ。

ちなみに影絵パズルの完成時には、最大で星3つまでの評価がくだされる。写真を鮮明にしてストーリーを味わうだけなら星1つでも十分のようだが、お題と寸分たがわぬ影絵を完成させて星3つの収集をする目標もあるため、パズル好きも満足できるつくりだ。また、影絵パズルとは別に部屋のどこかにあるカセットテープを探す要素もあるようだ。子ども時代にガラクタばかりが置かれた部屋を調べ回ったような楽しさも味わえるかもしれない。

そんな本作のSteamユーザーレビューは本稿執筆時点で70件、そのうち100%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。部屋の造形や置かれているものや、思い出の写真といったグラフィックと、落ち着いたBGMが調和して、本作は心地よい雰囲気で溢れている。そんな演出面が多くのプレイヤーの心に染み渡っているようだ。加えて、先述の通り、目標達成のためには影絵パズルをしっかりと解く必要がある。一方でヒント機能が用意されていることもあり、プレイスタイルや得意不得意に応じた難度でゲームがプレイできる、という点でも好評の様子だ。

本作を手がけたFlawberry Studioは、スイスに拠点を置くゲームデベロッパーである。大学で知り合った5人が意気投合して作った新しいスタジオで、本作が初めてリリースする作品となる。本作は2022年のイベント「Brackeys Game Jam」で作られたプロトタイプが土台となっており、イベントのお題であった「it is not real(それは現実ではない)」に着想を得たとのこと。現実と想像の境界を意識しない子供時代の認識にノスタルジックな演出を組み合わせて、本作の世界観が作られていったようだ。

『Projected Dreams』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールを開催中で、6月13日までの期間限定で定価の10%オフとなる税込1530円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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