お下品ゲーム『POSTAL』がなんと“サバイバー系”FPS化、『POSTAL: Bullet Paradise』発表。最大4人協力対応、暴力・おしっこ・何でもありのインフレ過激シューター

Running With Scissorsは12月3日、『POSTAL: Bullet Paradise』を発表した。

パブリッシャーRunning With Scissorsは12月3日、Goonswarm Gamesが手がける新作FPS『POSTAL: Bullet Paradise』を発表した。まずはPC(Steam)向けに2026年に早期アクセス配信予定で、のちにPS5/PS4/Nintendo Switch向けにも展開される。Steamストアページによれば、日本語表示に対応するようだ。

本作は『POSTAL』シリーズのスピンオフとなるタイトルで、ジャンルは一人称視点の弾幕系シューター。いわゆる“サバイバー系”のフォーマットを取り入れた作品であり、オンライン協力プレイに対応する。

『POSTAL』シリーズは、Running With Scissorsが1997年から展開してきたアクション作品シリーズである。過激な暴力表現と下品なギャグ、ブラックジョークを遠慮なく盛り込み、タブーを逆手に取った挑発的な作風で知られてきた。なかでも評価の高い『POSTAL 2』では、買い物や支払いといったささやかな日常の合間に、行列やトラブルなど“イラッとする出来事”が次々と重なっていく。プレイヤーはそれらを我慢してやり過ごすことも、シャベルや銃、あるいはさらに乱暴な手段で強引に突破することもできる。「日常のストレスを、好きなやり方でねじ伏せる」という遊び方が話題を呼び、賛否を巻き起こしながらも根強いファンを築いてきたシリーズだ。

今回発表された『POSTAL: Bullet Paradise』は、シリーズ特有の過激なユーモアを残しつつ、最大4人で挑むオンライン協力型の弾幕系FPSへと舵を切ったスピンオフである。舞台は、強制的なポジティブ思考と社会信用スコアによって管理される未来のパラダイスシティ。人々の態度や振る舞いがスコアによって評価され、徹底した監視体制のもとに成り立つディストピアだ。そのなかで、主人公ポスタル・デュードは静かに過ごしていただけにもかかわらず、システムによって“ネガティブ”判定を受け、危険人物として誤登録されてしまう。市民全員から狙われる身となったデュードは、押し寄せる群衆と弾幕をすり抜けながら、ショットガンで人波を吹き飛ばし、強制ハッピーを押し付けてくる連中をまとめて黙らせるのだ。

本作では、シリーズの主人公であるポスタル・デュードが各作品から集結。プレイヤーは能力値や特性、立ち回りの得意分野が異なる複数のデュードから操作キャラクターを選ぶことができるという。最大4人での挑むオンラインCo-opにも対応しており、それぞれ異なるデュード同士で役割を分担し、スキルの組み合わせを活かした戦闘が繰り広げられるのだろう。

また、公開されたトレイラー映像では、戦闘中に提示される3枚のアップグレードカードから1枚を選び、能力を強化していく場面も確認できる。いわゆるサバイバー系作品でおなじみのビルド構築要素を取り入れたかたちだ。状況に合わせて火力強化や体力アップなどを選択し、理想のデュードを仕上げていく流れになるようだ。

トレイラー映像では、武器としてロケットランチャーやマシンガン、シャベルといった『POSTAL』らしい装備が確認できる。また、公式説明では、周囲に落ちているガラクタを素材として活用し、武器を改造・強化していく仕組みも紹介されている。バカバカしい改造を積み重ね、廃材の寄せ集めから“ぶっ壊れ性能”の武器へと育て上げていく、DIY的なビルド感覚も特徴とされている。

敵の種類も多彩で、トレイラーでは看板を掲げながら突進してくる群衆や、キーボードを小脇に抱えた巨漢など、混沌とした世界観を象徴する敵が次々と押し寄せる様子が映し出されている。画面上には数百体規模の敵と大量の弾幕がひしめき合い、サバイバー系らしい密度のアクションが展開される。そのほか、シリーズではおなじみのキャラクター「クロッチー」の登場も確認でき、従来ファン向けの小ネタやイースターエッグも随所に仕込まれているようだ。

本作では開発をGoonswarm Gamesが担当。同スタジオは、独自ツールを用いたクロスプラットフォーム開発を強みとして掲げ、PCおよびコンソール向けのゲーム制作を進めている。公式紹介によれば、「大胆なアイデアをゲームとして形にする」ことを理念に掲げており、過去作としてRPGローグライク『Sin Slayers: Reign of The 8th』などを手がけてきた。

そしてパブリッシャーを務めるのはRunning With Scissors。アリゾナ州ツーソンを拠点とし、1996年から『POSTAL』シリーズを展開してきたスタジオである。近年では『POSTAL 4: No Regerts』やスピンオフ『POSTAL: Brain Damaged』を手がけ、現在は『Postal 2 Redux』も開発中とされる。長年シリーズを支えてきた同社が担当することで、本作にも『POSTAL』シリーズならではの毒とユーモアが色濃く反映されることになりそうだ。

『POSTAL: Bullet Paradise』は、PC(Steam)向けに2026年配信予定。PS5/PS4/Nintendo Switch版も後日配信予定である。

Junya Shimizu
Junya Shimizu

ローグライクが大好きです。映画や海外ドラマも好きなので、常に時間に追われています。

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