株式会社ポケモンは9月19日、『Pokémon UNITE(ポケモンユナイト)』について、2025年11月30日をもってベルギーとオランダでのサービスを終了すると発表した。海外メディアEurogamerなどが報じている。
『ポケモンユナイト』は、5対5の基本プレイ無料のアリーナ対戦アクションゲームだ。いわゆるMOBA系に属するゲームシステムとなっており、プレイヤーそれぞれがポケモンたちを操り、チームでの協力や戦略的な攻防を繰り広げる。本作は2024年7月21日に3周年を迎えた。公式サイトで公開されたプロデューサーレターによれば、累計ダウンロード数は全世界で1億5000万を突破するなど、広く人気を誇る作品でもある。
そんな本作が、ベルギーおよびオランダでのサービスを来年11月30日に終了するという。同日以降から両国ではNintendo Switch/モバイルでのアプリのダウンロードができなくなる。さらに今年10月31日以降は、ジェムなどのゲーム内アイテムが購入不可になるとしている。
公式サイトにおける発表では、ベルギーとオランダにおけるサービス終了の詳細な理由については明かされていない。しかしながら、理由のひとつとして、「ルートボックス」が関係しているとする見方が強いようだ。ルートボックスとは、ゲーム内の仮想アイテムを得る箱のことを指す。プレイヤーはこの箱、あるいは入手した箱を開ける鍵などを購入、入手し、報酬を獲得することとなる。日本国内では、「ガチャ」などと呼ばれることが多い。
『ポケモンユナイト』に関しては、イベントとして「エナジーリワード」「プライズマシーン」といったかたちでガチャを展開してきた。直近ではニンフィアのホロウェア「エレガントスタイル」が入手できる「宝箱チャレンジ」イベントを開催している。
いずれのイベントも、特定の報酬を直接購入できるわけではなく、ゲージを貯める、ガチャを回すといった段階を踏むことによって報酬の入手が可能。また有料ゲーム内通貨「ジェム」を使用すると、待ち時間の短縮や試行回数を増やすことができる。そのため目的の報酬を期間内に確実に入手したい場合には、多くのジェムを費やすこともある。ジェムは有料の課金アイテムであるため、多額のお金を消費する可能性もあるわけだ。
オランダやベルギーは、こうしたゲーム内のルートボックスに対して、複数タイトルに対し賭博法違反とみなし、是正勧告をおこなったことがある。たとえば『CS:GO』について2国ではルートボックスの販売が停止されている。ほかにも『ディアブロ イモータル』はルートボックスを理由として2国ではリリースされていない。またベルギーでは任天堂タイトルである『どうぶつの森 ポケットキャンプ』と『ファイアーエムブレム ヒーローズ』について、ゲーム内収益モデルに関する現状が不透明だとして、2019年8月にサービスを終了していた。
今回突然の告知となっていた『ポケモンユナイト』のオランダおよびベルギーでのサービス終了。公式の声明で明らかにされていないため、実際にルートボックスがサービス終了の理由になったかどうかの真偽は不明だ。とはいえ、『ポケモンユナイト』についても、かねてよりマネタイズ戦略にルートボックスを採用していたために、オランダとベルギーでのこれ以上のサービス継続を断念した可能性もありそうだ。
『ポケモンユナイト』はNintendo Switch/iOS/Android向けに基本プレイ無料にて配信中。