「ポケモンカードが銃弾から守ってくれた」と報告される。銃弾を“止めた”のは「悪役ポケモン」

あるユーザーが「自宅に飛んできた銃弾を“ポケモンカードゲーム”が受け止め、命を救ってくれた」と報告し、話題となっている。

海外掲示板Redditにて4月8日、アメリカのとあるユーザーが「自宅に飛んできた銃弾を“ポケモンカードゲーム”が受け止め、命を救ってくれた」と報告し、話題となっている。Dexertoなどが報じている。

ポケモンカードゲーム(以下、ポケモンカード)は日本だけでなく、アメリカでも高い人気を誇るトレーディングカードゲームだ。たとえば昨年11月にはアプリ版となる『Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』が配信され瞬く間に1000万DLを記録したが、米国でのDL数がもっとも多くを占めていたとの試算も伝えられている(関連記事)。また最近では2024年のアメリカの玩具の売上において、カードゲームを含むポケモンブランドが1位となり、売上高10億ドルを超える唯一のブランドとなったことが報じられていた。コレクターなど熱量の高いファンも多い、一大カードゲームとなっている。

今回、RedditにてLolaInSlacks88氏というユーザーが、そんなポケモンカードに「命を救われたエピソード」を報告し、話題となっている。同氏は、自宅に入ってきた流れ弾が「ポケモンカードの束」により防がれたと主張。添えられた写真からは、中央付近から引き裂かれたようなカードの束や、破損したプラスチックの箱、穴の空いた壁など、生々しい様子が確認できる。


投稿によれば、事件はアメリカの田舎にあるLolaInSlacks88氏の自宅で発生したという。ある日曜日、同氏が睡眠中に何度か爆発音が響き、目を覚ますと、クローゼット付近で物が落ちたような音が聞こえた。不審に思い確認に向かうと、付近の壁には弾痕が残り、その近くに置かれていたポケモンカードの収納箱も破損していたという。

原因は、近隣住民の発砲によるものとLolaInSlacks88氏は考えている。同氏の証言によると、隣人が私有地で趣味として銃を撃つことは以前からあり、今回も同様の射撃行為が行われていた模様だ。ただし、弾丸の飛散を防ぐための「盛り土」や「バックストップ」といった安全措置が不十分だったことで、流れ弾が隣家まで到達してしまった可能性が高い。

発見されたのは9mm口径の弾丸で、ちょうどベッドの高さに飛来していたとのこと。その進路上にはポケモンカードが束ねられたプラスチックケースがあり、これが弾丸の運動エネルギーを吸収・分散したことで、LolaInSlacks88氏自身には被害が及ばなかったと同氏は考えているそうだ。カードがなければ直撃していた可能性もあるだけに、間一髪で救われた格好だろう。

同氏は懐疑的なRedditユーザーの声に対し、地元保安官が作成した報告書の写真も公開した。発砲したと思われる隣人はその後の調査で責任を認めることはなかったものの、以降は「自分の土地を射撃場のように使うのをやめた」とのこと。とはいえ同氏は、事件の恐怖から数日間眠れなかったとも語っている。これらの証言はあくまでLolaInSlacks88氏の主張であり、事実関係が完全に明らかにはなっていない点には留意したいが、事件現場や報告書の写真からは相当な説得力が感じられる。

Image Credit: LolaInSlacks88 on Reddit


ちなみに同氏によれば、かなりのカードが被害を受けたが、ガオガエンのデッキは無事だったとのこと。銃弾はまさにその手前で止まっていたようで、「今では、ガオガエンは私の守護天使ポケモンだ(I now count Incineroar as my guardian angel Pokemon)」と表現している。

ちなみに、ガオガエンは『ポケットモンスター サン・ムーン』に登場する「御三家」ポケモンの一体だ。プロレスリングにおける「ヒール」、つまり悪役レスラーをモチーフとした、ヒールポケモンとされる。乱暴者な反面、幼いポケモンや子どもには優しい一面をもつという。同氏はガオガエンのカードが銃弾を止めてくれたと考えているようだ。

Image Credit: ポケモンずかん


なお事件そのものは深刻ながら、救いとなるエピソードもあったようだ。この一件を耳にしたらしい地元のカードショップの人物が、LolaInSlacks88氏に新たなポケモンカードのテーマボックスを贈ってくれたという。被害はあったものの、親切なプレゼントが埋め合わせになった様子だ。いずれにせよ、同氏にとって今回の一件は大量に保管していたカードが「銃弾を防いでくれるかもしれない」ことを知る出来事になった模様。今まで以上にカードをコレクションする幸せを噛み締めているようだ。

LolaInSlacks88氏の話が真実であれば、壁などにより威力や速度が落ちているとはいえ、ポケモンカードや箱が無かったらと想像すると恐ろしくなるところ。今後はくれぐれも安全に寝られることを祈りたい。なお2022年にも、海外ユーザーがゲーミングデバイスメーカーRazerのヘッドセットが銃弾から頭を守ってくれたと主張し、話題となったことがあった(関連記事)。流れ弾による被害を受け、愛用品に奇跡的に救われるエピソードはごくまれにあるようだ。

【UPDATE 2025/4/11 14:52】
「Incineroar」について記事初版ではインテレオンと記載しておりましたが、正しくはガオガエンの英語名称でした。記事見出しおよび該当箇所を修正しております。

Yusuke Sonta
Yusuke Sonta

『Fallout 3』で海外ゲームに出会いました。自由度高めで世界観にどっぷり浸れるゲームを探して日々ウェイストランドをさまよっています。

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