『ポケモン ファイアレッド・リーフグリーン』の「ポケモン捕獲時ファンファーレ」をスキップする技が発売23年目にして見つかる。1回約2.7秒の“画期的短縮”
『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』にて、RTAに活用できるあるテクニックが、発売から22年経った今見つかったのだという。

2004年、ゲームボーイアドバンス向けに発売され、今年2月にNintendo Switchに移植された『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』で、発売から22年越しに「あるテクニック」があることが報告された。このテクニックがRTA(スピードラン)のタイム短縮に活用可能であることから、本作の海外RTAプレイヤーを中心に大きな話題を呼んでいる。
本作は、『ポケットモンスター 赤・緑』のリメイク作品だ。本作ではカントー地方の小さな町マサラタウンに住む主人公となり、オーキド博士からパートナーとなる1匹のポケモンと、ポケモンずかんをもらって冒険の旅に出る。そして、さまざまなポケモンと出会い、戦っては捕まえながら、最強のポケモントレーナーになることを目指す。

今回本作向けに発見されたテクニックによっておこなえるのは、ポケモンを捕獲した際のジングルのスキップだ。通常、モンスターボールを使ってポケモンの捕獲に成功するとファンファーレのSEが流れ、その間は操作をまったく受けつけない。どれだけ早くクリアできるかを競うRTAではすぐさま次のシーンに移りたいところで、できる限り避けたい瞬間だ。しかし、ある方法によってこのジングルがスキップ可能なことが判明。その方法が、発売から22年もの間利用されていなかったのが意外なほど単純な方法であったことも、注目を集めている理由のひとつになっているようだ。
その方法とは、ポケモンの捕獲成功時にLまたはRボタンを押してヘルプを開き、即座にヘルプを閉じるだけ。これによりジングルが流れるのを中断し、すぐに操作可能な状態にすることができる。本作では、LまたはRボタンを押すことでヘルプ画面を表示する機能がある。

しかし、このヘルプの内容は基本的な操作方法や用語解説など、ゲームの経験が少ないプレイヤー向けの初歩的な内容だ。フィールド、戦闘中、メニュー画面とあらゆる場面で開くことができるため、誤操作にもつながりやすく、ヘルプを必要としない多くのプレイヤーは設定からLRボタンに別の操作を割り当ててしまうこともあるだろう。一見何もゲームプレイに影響を及ぼすはずもない機能を用いるという点も、このテクニックの発見を長らく妨げていたのかもしれない。
このテクニックは、『GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動』などのRTAプレイヤーであるIamClemi氏が、Twitchで『ファイアレッド・リーフグリーン』の配信をおこなっていた際に偶然発見したという。同氏は、最初にオーキド博士から貰うヒトカゲの能力を厳選している際に誤操作でヘルプボタンを押してしまい、ポケモンを手に入れた際のジングルが中断されることに気づいた。この時はNintendo Switch版のみのバグではないかと片付けていたが、冒険を進めてマンキーを捕獲した際、再び誤操作でヘルプボタンを押してしまう。すると、捕獲後にジングルが全く流れず、すぐに操作可能になることに気づいた。これを3月12日にRTA関係のコミュニティに投稿したところ、現状のRTAに使用されていないテクニックであり、オリジナルのGBA版でも可能であることが確認されたという。本テクニックは発見者のIamClemi氏の名前を取り、現在“Clemi Skip”の通称で呼ばれている。

本作をはじめとしてさまざまなタイトルのRTAをおこなうGunnermaniac氏はこの発見についてYouTubeで動画を投稿。同氏はSpeendrun.comにおいて現在、『ファイアレッド・リーフグリーン』の「Elite 4 Round 2」のカテゴリにて世界一位の記録を保持している。同氏によれば、このテクニックを完璧なタイミングで実行できればポケモンの捕獲のたびに161フレーム、2.68秒の短縮が可能だという。
特に、このテクニックの恩恵が大きいのは同氏が記録を持つ「Elite 4 Round 2」のレギュレーションだ。同レギュレーションは、殿堂入りしてゲームを一度クリアした後、強化された四天王とチャンピオンを倒すまでの時間を競うもの。強化された四天王とチャンピオンに挑むには単純に2回挑めば良いわけではなく、いくつかの条件が必要となる。条件のひとつはポケモン図鑑にポケモンを60匹以上登録し、全国図鑑へとバージョンアップすること。同カテゴリは最小の捕獲で問題ない他のレギュレーションと違い、必然的にたくさんのポケモンの捕獲が必要。そのため1回の捕獲での恩恵がわずか2.68秒でも、最終的な差は大きくなるわけだ。
Gunnermaniac氏によれば、このテクニックの活用で同カテゴリのRTAは約1分半の短縮が可能だと試算している。また、図鑑登録のために人から貰うポケモンをポケモンの捕獲に置き換えるなど、チャート変更を行う余地があることも示唆した。3月20日時点の記録では、同氏の記録である3時間27分2秒は、2位の記録とわずか18秒の差しかない。さらにその2位の記録も3位とは32秒の差となっている。
このような中で、1分半もの短縮が見込めるテクニックが突然発見されたことは革命的といえる。Gunnermaniac氏は「約10年前に初代ポケモンの乱数調整が発見されて以来、最大のタイム短縮要素」と驚きを語っており、この発見で同カテゴリのRTA挑戦者が激増するだろうと予想している。このテクニックによって「Elite 4 Round 2」の記録が更新されていくかなど、本作コミュニティの動向には注目が寄せられる。
『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』のNintendo Switch版は現在発売中だ。
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