記憶空間エモ3D探索ゲーム『プラトニカ・スペース』発表。目を覚ますたびに変化する“部屋だらけ”の空間、『ナツノカナタ』『ムーンレスムーン』開発者の新作

ANMC(アノマチ)は7月14日、『プラトニカ・スペース』を発表した。記憶喪失の主人公が無数の部屋を探索する、サイコロジカル空間探索ADVだ。

ANMC(アノマチ)は7月14日、『プラトニカ・スペース』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、発売日は未定。発表にあわせて、PVやSteamストアページが公開されている。

『プラトニカ・スペース』は、記憶喪失の主人公が無数の部屋を探索して自分を取り戻していく、サイコロジカル空間探索ADVである。本作で主人公は、気がつくと見覚えのない部屋にいた。そこは、どこまで行っても部屋が続く奇妙な空間。扉を開けると隣の部屋が待っており、出口はどこにも見つからない。自分は誰なのか。なぜ奇妙な空間にいるのか。無数の部屋を巡って過去と自分を取り戻していく、空間探索が繰り広げられる。

記憶喪失の主人公は、眠ってしまうまでに部屋を探索して、記憶を取り戻していく。本作では部屋の中にアイテムが落ちている。アイテムは、拾った部屋や別の部屋に置くと、対応した記憶が取り戻せる。たとえば包丁をキッチンに置くと、料理をしたときの記憶が蘇るとのこと。主人公は探索によってアイテムを手に入れ、どこかへ置くことで過去を思い出すのだろう。ただし、本作では蘇る記憶が自分のものとは限らない。無数の部屋には、主人公以外にも記憶を失ったキャラクターたちが存在。記憶の中には、彼女たちの記憶も混ざっている。本作では記憶で構成された空間を巡り、どれが誰の記憶なのかを整理して、少しずつ真実へと迫っていくわけだ。

同じく記憶喪失のキャラクターたちも、ゲームを進める中で少しずつ記憶を取り戻し、ヒントを与えてくれることもあるという。一方で、彼女たちを信じすぎてはいけないそうだ。

舞台となる奇妙な空間は、主人公が目を覚ます度に構造が変化する。存在する部屋や部屋間の繋がり、登場キャラクターや入手できるアイテムも毎回異なる。また本作で主人公は、行動する度に眠気が蓄積。眠ってしまうと、アイテムをすべて失ってまったく違う場所で目を覚ますという。本作ではプレイ毎に変化する奇妙な室内を、眠ってしまうまでの間に探索するのだろう。

本作は、KAMITSUBAKI STUDIOおよびKazuhide Oka氏による音楽とインディーゲームを制作するプロジェクトANMCが手がけている。Kazuhide Oka氏は、『ナツノカナタ』などを制作してきたクリエイターだ。同氏は2024年5月にKAMITSUBAKI STUDIOへ所属し、『ムーンレスムーン』をリリース。2025年4月にリリースされた前作『ガールズメイドプディング』では、Steamのユーザーレビュー371件中94%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得するなど高く評価されている。同氏の作品では、プレイヤーから作中に流れる雰囲気などが評価されてきた。

本作『プラトニカ・スペース』では、KAMITSUBAKI STUDIOが製作、Kazuhide Oka氏がシナリオおよび開発を担当する。制作陣としては、3DCGおよびアートを片倉もえ氏、BGMをagehasprings Partyが手がける。またプレスリリースによると、本作では穏やかで陽の光が差し込む空間と、少しずつ真実に近づいていく緊張感が待っているそうだ。なお同氏の携わる新作としては、『神椿學園新聞部』が開発中。「Project Railroad」も発表されている。

『プラトニカ・スペース』は、PC(Steam)向けに開発中だ。また本作は一般向けには7月19日より開催予定の「BitSummit the 13th」に出展予定。会場では世界最速で試遊ができるそうだ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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