“失敗しても進み続ける”ゲーム『PEPPERED』続々と好評集まる。何事もチャンスは一度きり、アクションと決断がつむぐ一期一会ストーリー

Mostly GamesとBlack Soupは4月7日、『PEPPERED: an existential platformer』をリリース。ゲーム内における選択やアクションの結果に関わらず物語が進行していくスタイルや、そうした選択がストーリーに影響を及ぼす点が好評を集めている。

Mostly GamesとBlack Soupは4月7日、『PEPPERED: an existential platformer』(以下、PEPPERED)をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。

『PEPPERED』は、物語に重点の置かれた2Dアクションゲームである。舞台となるのは、多種多様なエイリアンたちが暮らしている世界。この世界では100年前にTheodoreという名のヒーローが死の神を封じ込めており、エイリアンたちは永遠の命を謳歌していた。死の神を封印し続けるため、Theodoreは定期的に緑色の星型の宝石「Life Star」を捧げていたが、通算100個目の「Life Star」を捧げる場にTheodoreは姿を現さなかった。そして主人公は「Life Star」を警護してTheodoreに渡す会社の入社試験を受けている真っ最中。会社の人々はTheodoreの不在を意に介していない様子だ。主人公はそんな人々に代わり世界を救うことを決意する……かどうかは、プレイヤーの選択次第だ。

ゲームの基本操作は移動・ジャンプ・アクションとシンプル。とはいえゲーム内で展開されるアクションはさまざまなものがあり、ジャンプ中にジャンプボタンを長押しすれば上着をパラシュートのようにしてゆっくりと降下でき、ジャンプ中に方向キーの下を押すと高速で落下する。ステージの各所には高速落下で高く跳ね上がるジャンプ台なども設置されている。また、移動中に方向キー下を短く押すとスライディングが、方向キー下を長押しするとしゃがんだままの移動も可能だ。

基本的にはこれらのアクションを通じ、2Dアクションのステージを攻略していくことになるが、本作では「一度きり」の選択が迫られる場面が多数訪れる。たとえばゲームを進めているとミニゲームが始まることがある。さらに会話ではどう受け答えするかの選択肢が出ることもある。どれもチャンスは一度きりで、成否に関わらず物語は展開される。ちなみに、一度きりといってもミスをしたらすぐにゲームが終わりになるわけではない。ミスの回数が記録されていて、その回数によって分岐するといった形式のようだ。ステージによっては、わざとミスをしなければ進めない場所さえある。

なおゲームタイトルにおけるexistential(実存主義的)とは、自分の生き方や在り方を探求する哲学思想の用語だが、このゲームにはそうした「生き方」を問われるような場面が多数存在する。高難度のアクションやボス戦だけでなく、会話の選択からステルスミッションまで、選択や結果次第でその後の物語が分岐していき、エンディングにまで影響を及ぼすという。

そんな『PEPPERED』のSteamユーザーレビューは、本稿執筆時点で61件、そのうち95%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している。レビューにはストーリーの奥深さや選択による分岐など、物語の展開が主に評価されている。そのほかドット絵でコミカルに描かれるキャラやBGMなど、ゲームプレイだけでなく、演出に関わる面も高く評価されている。さらには初見プレイ時の衝撃をもって、『Undertale』を初めて遊んだときのような感覚と評するプレイヤーも複数見受けられた。

本作を手がけたMostly Gamesは、ドイツのベルリンに拠点を置くインディーゲームデベロッパー。同スタジオは本作の開発にあたりKickstarterで資金を募り、目標額1万5000ユーロ(約240万円)のところ、目標額の170%以上の2万5831ユーロ(約410万円)の調達に成功している。本作はMostly Gamesが Steamでリリースする初めてのゲームにもかかわらず大きな注目を集めていた。そしてリリース後も引き続き注目の的となり、さっそく好評を集めているかたちだ。

『PEPPERED: an existential platformer』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールを開催中で、4月18日まで定価の10%オフとなる税込1530円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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