大ヒット山登りゲーム『PEAK』開発元、早くも出現したコピー作品に苦言。「まだ海賊版で遊ぶ方がマシ」と皮肉る
Aggro Crabは8月5日、『PEAK』を模倣した作品が登場したことに対し、海賊版をプレイしたほうがましだとして苦言を呈した。

デベロッパーのAggro Crabは8月5日、自身のXアカウントにて、『PEAK』を模倣した作品が登場したことに対して言及。海賊版をプレイしたほうがましだとして苦言を呈した。
『PEAK』は山登りアクションゲームだ。LandfallとAggro Crabが共同で開発を手がけている。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ソロプレイおよび最大4人での協力プレイに対応している。本作でプレイヤーは無人島の中心にそびえる山の頂上を目指して、クライミングをおこなうことになる。クライミングにあたってはスタミナ管理をしつつ登っていく必要があり、滑落してしまうと負傷する。また空腹にも気を遣う必要があり、時間経過でもスタミナの最大値が減少していくため、時には大胆な登頂をおこなう必要もあるだろう。

本作は今年6月17日の発売後、瞬く間に注目を集めることとなった。リリース翌月には11万人を超える最大同時接続プレイヤー数を記録。本稿執筆時点のSteamユーザーレビューでは、約7万件中93%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。また、ゲーム販売データを集計するAlinea Analyticsが先日公開したデータによれば、本作は今年発売された新作ゲームの内、販売本数で第3位であるという(関連記事)。マルチプレイ対応作品として人気を伸ばし続けている。
そんな本作に関して、ゲームプラットフォーム「Roblox」では現在早くも模倣作品が生まれているようだ。なかでも特に多くのプレイヤーを集めているのは、PewStudioが手がける『CLIFF』やCool Gamesが手がける『CLIMB』といった作品。それぞれ連日数千人の同時接続プレイヤー数を擁している。どちらの作品もストアページで紹介されているコンセプトが『PEAK』に酷似しており、『CLIFF』に関してはサムネイルのキャラクターデザインまでそっくりだ。そのほか、『PEAK』のサムネイル画像をそのまま使用するなどして、あたかも本家であるかのように配信されている悪質な例も散見される。

こうした作品が台頭している状況を巡り、開発元のAggro CrabはXにて先述の『CLIFF』に関して言及。「正直なところ、課金要素で溢れた粗悪な模倣品を遊ぶくらいなら、我々のゲームの海賊版を遊んでほしい」とポストした。早速現れた模倣品に、苦言を呈したかたちだ。
『PEAK』については、現在SteamにてPC向けにのみ配信されている作品だ。基本プレイ無料かつスマートフォンからコンソールまで幅広いプラットフォームで遊ぶことができる「Roblox」を通して、同様のゲームデザインの作品を遊びたいとする需要が高まっているのだろう。同様の事例として、過去に『Only Up!』がSteamで配信され話題を博した際に、『フォートナイト』内で類似のゲームが出現し人気を高めていたこともあった(関連記事)。
なお「Roblox」および『フォートナイト』ではいずれも知的財産権を侵害する作品が規約上禁じられている。ただ、たとえば「Roblox」の規約においては別の作品・クリエイターのコードやアートの無断使用などがおもな例として示されており、ゲームプレイが類似しているだけでは規約違反とはみなされづらいのかもしれない。とはいえ先述した通りサムネイルのデザインの類似性なども問題視されており、より厳しいルール運用が求められているだろう。
ちなみに先で触れたポストへの返信では、『PEAK』のコンソール版を出したいとする開発元の意向も明かされている。コンソールユーザーにも需要があることは、開発元も認識しているようだ。目覚ましいブームを巻き起こしている本作について、今後どのような展開がおこなわれていくのか注目される。
『PEAK』は、PC(Steam)向けに配信中だ。