メモリ品薄激化でPCメーカーから「想定を上回る注文」の悲鳴続出。“値上がり懸念”からの駆け込み需要か

BTOのPCメーカーが「想定を大きく上回る受注」を受けているといった案内を続々と告知している。

マウスコンピューターやサイコムといった複数のBTOのPCメーカーが「想定を大きく上回る受注」を受けているといった案内を告知している。

まずマウスコンピューターについては、想定を大きく上回る受注が増えたことにより工場のひっ迫・パーツ不足が発生し、一部製品に販売停止・出荷納期遅延が発生する見込みであると発表。また1月以降に順次価格変更を行う予定であると告知し、謝罪をおこなった。

このほかブルックテックPCは世界的に一般PC向けメモリの供給が悪化しており、それに伴って急激な価格上昇が発生していると言及。価格上昇前の同店のメモリ在庫がなくなり次第、順次価格改定を行うと告知した。また採用中のメモリは入荷が未定/メーカー受注停止の製品も多いとして、一部の機種とオーダーメイド製品について注文受付の停止や、納期が大幅に遅延する可能性を伝えている。

さらにサイコムについては想定を大きく上回る注文があり、ユーザーへの対応品質を維持するため、全製品の受注を一時停止すると発表。受注再開は12月19日15時ごろになるという。なお同社については製造上の理由ではなく、見積りや相談などの1件1件の問い合わせに対してこれまでどおり丁寧に対応する体制を維持するための判断とのこと。

昨今ではAI分野での需要急増により、世界的なメモリの品薄も発生。このなかでたとえば米国の半導体大手Micronが「Crucial」ブランドとして展開していたコンシューマー向け事業から撤退することを発表(関連記事)。またDell Technologiesは、法人向けのDell ProおよびDell Pro MaxのノートPCおよびデスクトップPCの値上げを実施予定であると報じられている(関連記事)。

そうしたなかではメモリの価格高騰も継続しており、一般向けPCの値上げも懸念されてきた。“駆け込み需要”的に注文が増加している背景はあるのだろう。ちなみにマウスコンピューターは12月10日にPCの購入を検討中のユーザーに向けて「なるべく早めの購入」を強く勧めており、まさにその“注意喚起”どおりの状況になったといえる。1月以降に順次価格変更を行うと告知した同社を含め、今後も各社の動向が注目される。

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Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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