“わざとバグらせて進む”謎解きゲーム『Patch me if you can』Steamで無料配信開始。好評率100%

Jungle Game Labは7月25日、ゲームのバグを活用するパズルゲーム『Patch me if you can』を無料配信開始した。さっそく高い評価を獲得している。

パブリッシャーのJungle Game Labは7月25日、『Patch me if you can』を無料配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム人材養成プログラム「Jungle Game Lab」を通して制作された本作は、さっそく高い評価を獲得している。

『Patch me if you can』はゲームのバグを活用するパズルゲームだ。娘を愛する主人公は、学生時代に使っていたノートパソコンを開き、娘に昔作りかけていたゲームを見せてあげることに。すると突然ゲームの中から王様が現れ、娘をさらってしまう。主人公は娘を追いかけてゲームの世界へと飛び込み、娘を探す冒険へと旅立つ。

本作では、さまざまなオブジェクトのパラメータを制御しながら進んでいく。キーボードのQキーを押すことで、パラメータをいじることができるオブジェクトを発見可能。「移動」を制御するブロックをオブジェクトに移すことで、主人公のアバターだけでなく、ほかのオブジェクトを操作できるようになる。そのほか「大きさ」や「回転」などさまざまなパラメータに対応したブロックを活用しながら、娘のもとへと向かう道を切り開かなくてはならない。

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本作を開発したAh Shot Chuは、「Jungle Game Lab」の3期生からなるクリエイターチームだ。Jungle Game Labは韓国大手ゲーム企業のKRAFTONが開催しているゲーム人材養成プログラム。参加者は約6か月のプログラムを通してゲーム開発を学び、チーム単位で作品をリリースする。開発者によると、Unityでゲームを制作する際、インスペクター上で誤ったパラメータ設定をしてしまったときにおかしな挙動をする様子から着想を得て、本作が制作されたという。

そんな本作は無料作品として7月25日にSteamでリリース。レビューの数こそまだ少ないものの、本稿執筆時点のSteamユーザーレビューでは約50件中100%の好評率を記録している。本作のもっとも大きな特徴は、先述したようなステージ内のオブジェクトにさまざまな種類の制御用ブロックをあてることができるというギミック。それによってどのような変化が起こるのか、想像力が刺激されるという部分が魅力となっている。ゲーム開発における“予期せぬ動作”の楽しさの一端を体験することができるのだ。

なお本作は無料作品ということもあり20分ほどでクリアできる短編作品となっている。実際にパラメータを制御することができるオブジェクトも限られており、グリッチを利用するというユニークなアイデアはさまざまな応用の余地もありそうだ。筆者としては作品のテーマに対して洗練されていて良いまとまりだと感じたが、ユーザーからはもっとボリュームが欲しいとの声も上がっている様子。人材養成プログラムを通じての作品ということもあり、開発者による同様のコンセプトの続編などにも期待したい。

ところで、本作がリリースされた7月25日には、「Jungle Game Lab」の3期生が手がけた全6作品が同時にリリースされており、どの作品も100%に近い好評率を獲得している。気になった方は他の作品もチェックしてみてほしい。


『Patch me if you can』はPC(Steam)向けに無料配信中。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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