Paradox中世ストラテジー『Europa Universalis』開発チーム新作の、“細かすぎる神聖ローマ帝国”マップお披露目。ファンですら喜びつつちょっと引く


Paradox Interactive(以下、Paradox)は7月26日、現在開発中の新作『Project Caesar(仮題)』についての情報を発信。同作に登場する神聖ローマ帝国のマップを公開した。マップでは、同エリアに非常に小さな勢力が無数に存在していることが確認でき、コミュニティは「いくらなんでも細かすぎる」として興奮ぎみの反応を見せている。

Paradox社は今年の2月、現在開発中のタイトル『Project Caesar』を発表。同作の情報を公式フォーラムにて定期的に発信している。これまで公開された情報によると、同作は歴史グランドストラテジーゲームで、14世紀ごろを舞台としているという。時代設定や、開発を『Europa Universalis(以下、EU)』シリーズなどを手がけたJohan Andersson氏が率いるスタジオ・Paradox Tintoがおこなっているといった情報から、ファンのあいだでは『Project Caesar』は『Europa Universalis(EU)』シリーズの新作となる“EU5”なのではないか、と推測されている。

そんな『Project Caesar』について7月26日、Paradox公式フォーラム上で新たな情報が公開。同作における神聖ローマ帝国のマップなどが紹介された。神聖ローマ帝国は、現在のドイツを中心とする領域に存在した帝国だ。時代によっても異なるが、独立性の強い諸侯による連合のような政治形態だったことで知られる。『EU』シリーズなどParadox社のゲームでは、独自システムのもとに緩やかに結束する、小勢力らが多数存在するエリアとして描かれることが多い。


『Project Caesar』でも、同エリアには多くの小勢力が存在している様子。とはいえその細かさは、Paradoxのほかの作品と比較してもケタ違いだ。ボヘミアやブランデンブルクなど比較的大きな勢力も確認できるが、大半の勢力は名前の判読が困難なほど小さい。よほどズームインしなければ、クリックすることすら難しそうである。

情報によると、同作の神聖ローマ帝国には1人の皇帝、4人の世俗選帝侯と3人の聖界選帝侯、23の帝国自由都市、2つの農民共和国、44の司教と280の諸侯が存在。すべて合わせて、実に357もの勢力が存在しているのだという。上述のとおりParadox社のゲームにおいては、同エリアは小勢力が乱立するかたちで描かれる傾向にはある。とはいえ、たとえば『EU4』においては、諸侯の数は全部合わせても71であった。“前作”から比較して実に5倍以上の諸侯が登場と、圧倒的に細かく分割されていることがわかる。


こうした“細かすぎる”マップの発表を受けて、コミュニティは興奮気味に反応。Xにて同マップを紹介するポストには多数の返信が寄せられ、「最高に気持ち悪い。完璧だ」と投稿するユーザーなどさまざまな反応を見せている。また、「信じられないくらい興奮してる。恐ろしくも美しい」とポストするユーザーも。全体として、圧倒されつつもマップの“美しさ”を褒め称えるユーザーの姿が多く見られる。Paradoxの歴史ストラテジーゲームなら、神聖ローマ帝国は細かく分割されていなくてはならないというような、一種の共通認識の存在さえうかがわせる反応だ。なかには本気か冗談か、もっと細かくする必要があるとするユーザーすら存在している。

また海外メディアPC Gamerは一連の流れを、「歴史病患者たち、色とりどりの諸侯に衝撃と歓喜(History sickos are shocked and delighted by the confetti of principalities.)」と見出しをつけて報道。海外掲示板Redditではこの文章を引用したスレッドが投稿され、自分たちが“病気”あつかいされたことに若干の戸惑いを見せつつも、見出しに称賛が集まるなどちょっとした騒ぎになっている。

『EU4』の神聖ローマ帝国


『EU』シリーズの現時点での最新作である『EU4』は2013年にリリースされた作品だ。アップデートやDLCが定期的に配信されるなど開発は続けられているものの、ファンのあいだでは新作を望む声もあがっている。そうしたなか、同シリーズの最新作とも噂される『Project Caesar』の情報が公開され始めたことで、コミュニティなどでは熱量高めの注目が集まっている。今回は一地域に300以上の勢力が登場するという“細かすぎる”マップの情報に、やや暴走ぎみな反応が寄せられたかたちである。

歴史ストラテジーゲームファンたちの期待を背負って制作されている『Project Caesar』。同作が本当に『EU』シリーズの作品なのかどうかも含めて、続報が注目されるところである。ちなみに筆者は同作をとても楽しみにしている一方で、パソコンを新調しなければ太刀打ちできない重さになるのではないかとちょっと心配している。

『Project Caesar(仮題)』は現在開発中だ。