「日本では昨年、約2800万人がオンラインゲームをプレイしていた」との市場調査報告。人口の約23%がオンラインゲーマーの可能性
Statistaが推計する市場調査データによれば、オンラインゲームを遊ぶプレイヤーは、米国や中国、日本などで人口の20%以上を占めるという。そのほかオンラインゲーム市場にまつわるさまざまな興味深いデータを、海外メディアUswitchなどが伝えている。
今回Uswitchが報じているのは、市場調査などに基づく統計データを提供するプラットフォームStatistaによるレポート「Online video game market revenue worldwide from 2017 to 2027」などに基づく情報だ。同レポートではゲーム市場のなかでも、オンラインゲーム分野に絞ったさまざまな市場調査データが紹介されている。なおレポートにおいては、オンラインゲームを「インターネットを介して世界中のプレイヤーと一緒にプレイできるゲーム」と定義しているとのこと。
日・米・中のオンラインゲーマー総数
同レポートの中で注目の情報として、2023年のオンラインゲーマーの推計は、日本では約2800万人にのぼったという。日本の総人口は2023年10月時点で推計約1億2000万人とされるため(総務省統計局)、推計値を照らし合わせる限りでは、日本の人口の約23%がオンラインゲームをプレイしているといった試算となりそうだ。
なお海外におけるオンラインゲーマーの推計としては、米国では約7200万人、中国では約3億7000万人にのぼったという。外務省の基礎データとして記載された人口推計では米国は約3億3000万人、中国は約14億人とされ、それぞれ人口の約21%、約26%がオンラインゲーマーである可能性もうかがえる。
ちなみにStatistaは2027年までに、日本のオンラインゲームのプレイ人口が約90万人増加すると推算している。また米国では2027年までに約660万人、中国では約1000万人の増加を見込んでいるとのこと。今後も各国でオンラインゲームのプレイ人口が増加を続けると見立てているようだ。
何のためにオンラインゲームを遊ぶか
このほかUswitchは興味深い内容として、The Entertainment Software Associationのデータに基づき、オンラインゲームを遊ぶ動機について調査結果も紹介している。調査においては動機を「日々の問題から健全に気分転換するため」「楽しむため」、そして「人生のつらい時期を乗り越えるため」の3種類に分類。たとえば米国や英国、オーストラリアでは気分転換あるいは楽しみとしてオンラインゲームをプレイするとした回答者はそれぞれ約65%、約70%との結果に。一方でつらい時期を乗り越えるためにプレイするという回答者は60%程度だったようだ。
なお日本ではそれぞれ46%/57%/33%との回答結果であったとのこと。調査においてはほかの種類の回答があったかどうかは示されていないものの、米国や英国などとは違った動機でオンラインゲームがプレイされやすい傾向もあるのかもしれない。また、米国や英国などと比べて、つらい時期を乗り越えるためにプレイしたという回答者の割合が比較的少ない傾向もみられるデータだろう。
このほか、Uswitchは、eSports Earningsなどのデータに基づきeスポーツに関する情報もさまざま紹介している。たとえばeスポーツ選手について、中国では約8800人の選手がおり、総額約3億ドル(約440億円)の収入を得ているとのこと。対して米国には約2万7000人の選手がおり、収入総額は約2億7000万ドル(約400億円)。また韓国では約5800人の選手がおり、収入総額は約1億4000万ドル(約200億円)だそうだ。中国では先述したオンラインゲーマー人口に比してeスポーツ選手数が少数精鋭といった印象も受け、それぞれの平均収入が高額である可能性もうかがえる。
ほかにもUswitchの記事ではさまざまな興味深いデータが示されており、それぞれ推算ながらもオンラインゲーム市場の傾向をうかがい知ることができるだろう。なおオンラインゲームはライブサービスで運営されることが一般的であり、昨今では特にライブサービスゲームの勢いが増していると思しき市場調査データや業界人見解などもみられる。またたとえばWB Gamesは今後ライブサービスゲームの開発に注力する方針を表明している(関連記事1、関連記事2)。Statistaが世界各国のオンラインゲームのプレイ人口増加を推算したように、今後もオンラインゲーム市場はその勢いを増していくかもしれない。