任天堂の新コンソール「Nintendo Switch」またしてもフェイク出現。本体一式が用意されるなどフェイク技術も進化
数日前、とある映像が海外の任天堂コミュニティを揺るがせた。YouTubeチャンネルEWNetworkを運営するユーザーEtikaが、ストリーミングにて驚くべきものを公開したからだ。
https://www.youtube.com/watch?v=G9ct2LFRfRs
Etika氏は11月14日の配信途中に画面から姿をくらませ、そしてまた現れた。氏が両手につかんでいたのは、両脇にコントローラーが備えられ中央にディスプレイがあるハードウェア。その形状は、まさに先日発表された「Nintendo Switch(以下、Switch)」に酷似していた。Etika氏は喜びながらハードウェアを見せつけるだけでなく、両脇のコントローラーを切り離してみせる。コントローラーを切り離すギミックもまたSwitchの大きな特徴だ。くわえてコントローラーのほかにもドックステーションやパッケージの箱も含めたSwitch一式の写真を投稿し、Etika氏がSwitchを発売前に入手したことは真実味を増していった。
Welp. Etika is a fucking madman and posted the entire Switch. pic.twitter.com/RZN9C8bfpx
— Mizalie (@MizalieRay) November 15, 2016
「Switch」の発売は3月に予定されており、4か月近く先だ。映像に対するコメントの多くは半信半疑ながら、本物だと信じてしまうのも無理はない。ユーザーたちの疑問は映像に出ていたコンソールの真偽よりも、ブルックリンに住まうEtika氏がどのようにSwitchを手に入れられたのかという点に集まっていた。一方でredditのユーザーたちは、すぐさまこの映像の検証を開始。先日公開されたSwitchコントローラーのABXYボタンに「Avenir」らしきフォントが使われていたのに対し、Etika氏の見せたボタンはオリジナルのものより字が太く「Arial Black」フォントに近いことをユーザーたちは見抜いた。
さらに、Switchがまだコードネームである「NX」と呼ばれた時代に巧妙なフェイクを生み出したスウェーデン在住のデザイナーSandqvist氏が、3Dプリンターを使ってSwitchのフェイクの作り方をガイドする映像をYouTubeにて公開。のちにEtika氏自身も「Life with Nintendo Switch」というタイトルの動画を投稿し、説明文で映像に登場したSwitchらしきハードウェアはSandqvist氏が3Dプリントしたものだと記述。さらにTwitter上でもフェイクであることを認めた。完成度の高いNXのダミーを生み出し、ユーザーをかき回したSandqvist氏が、今回も一枚かんでいたというわけだ。
名称がNXであった時代から怪しいフェイクや疑わしいリーク、出所の不明な噂がネット上にあふれていたSwitch。正式発表されてからも“標的”であるのは変わらないようだ。SNSなどが発達し、一般ユーザーでも世界中に容易に情報を拡散できやすくなったというのも、今回のようないたずらが生まれた背景にあるのかもしれない。それにしてもSandqvist氏のフェイクは精巧でクオリティが高い。制作の過程を見てもそのこだわりの一端がうかがえる。こうして膨大な手間をかけてフェイクを作られることは、Switchの話題性の高さがあってのことだろう。