傑作フリーゲーム『OFF』Steam/Nintendo Switch版にてToby Fox氏が一部楽曲を担当すると明かされる。『Undertale』開発者と傑作フリーゲームの強力タッグ
FangamerおよびMortis Ghost氏は1月24日、『OFF』の一部楽曲をToby Fox氏およびかめりあ氏が務めることを発表した。『OFF』はPC(Steam)/Nintendo Switch向けに新バージョンとして2025年にリリース予定。
オリジナルの『OFF』は、世界を旅して浄化するRPG作品である。本作の舞台は、亡霊に取り憑かれた不可解で希望のない世界。プレイヤーは、使命を帯びた存在「バッター」の操作を任される。ネコのジャッジに導かれつつ、家畜からメタルを抽出する農場など、混沌としたゾーンを旅して、世界の浄化を目指していく。戦闘はターン制のコマンドバトルを採用。不気味かつ独特の世界観や、色使いが印象的なグラフィックも特徴だ。
オリジナル版『OFF』はベルギーの開発者Mortis Ghost氏が「RPGツクール2003」で制作。リリース当初はフランス語版しかなかったものの、有志による翻訳によって多言語に対応。日本語にも対応し、フリーゲームを対象とした有志による投票企画「フリゲ2014」において、140票を獲得して1位に輝くなど、国内のプレイヤーからも高く評価されてきた。本作はオリジナル版『OFF』のバトルシステム刷新など新たな要素が追加されつつ、SteamとNintendo Switch向けにもリリースされるわけだ。
そんな本作について現地時間1月23日、FangamerおよびMortis Ghost氏が公式サイトにてニュースレターを公開。あわせてToby Fox氏へのインタビューも公開されており、同氏がゲーム内楽曲の一部を担当することが伝えられた。
Toby Fox氏は『UNDERTALE』の開発者として知られ、現在最新作『DELTARUNE』の新章であるチャプター3とチャプター4を開発中。2025年内にリリースすると伝えられている(関連記事)。同氏は『UNDERTALE』を開発する際には『OFF』から非常に影響を受けたと述べている。特に「パピルス」のデザインは、『OFF』のキャラクター、デーダンをモチーフにし、「サンズ」についてはザッカリーとジャッジを少し参考にしていると、自身の作品の拠り所となったと語っている。
また今回作曲を担当することになったことについてToby Fox氏は、独特の雰囲気を持ち記憶に残るゲームである『OFF』の、特に思い出となる部分であるサウンドトラックを担当するのは、「誰かの家に入り、家族のアルバムに自分の顔写真を貼り付けるような気分」と語った。思い出深いゲームの曲を担当することで、イメージを変えかねないとの懸念があったようだ。ところがオリジナル版制作者のMortis Ghost氏からの打診を受け、新規プレイヤーの心に残るようにするために、全身全霊で協力しようと決めたという。
なお同発表内では、『beatmania IIDX』『SOUND VOLTEX』などに楽曲を提供している作曲者のかめりあ氏も『OFF』向けに一部楽曲を担当している旨が伝えられている。Toby Fox氏はかめりあ氏に依頼しリミックスなどで協力してもらったとのこと。ちなみにToby Fox氏とかめりあ氏は、『beatmania IIDX』『CHUNITHM』などに向け、コラボ楽曲を手がけたこともある。傑作フリーゲームの移植にあたって、名作インディーゲーム開発者と名作曲家のタッグが再び見られるかたちだ。