Oculus VRは10月7日、開発者向け発表会「Oculus Connect」にてさまざまな新情報を公開した。今回の発表会の主役は「Oculus Touch」。VR HMD「Oculus Rift」のコントローラーとしてすでに公開されていたデバイスで、VRの没入感を高めるハンドジェスチャー機能を搭載している。今回の発表で発売日が12月6日、価格は199ドルであることが現地メディアVentureBeatなどを通じて明かされた。Oculus Touchにはカメラセンサーバーが付属し、VRゲーム『VR Sports』と『The Unspoken』が同梱される。
そして、このOculus Touchの正式発表にあわせてさまざまな新作ゲームが公開された。今回の発表会で一際存在感を放ったのは『Gears Of War』シリーズやゲームエンジン「Unreal Engine」でおなじみのEpic Gamesだ。Epic GamesはまずOculus Rift独占タイトル『Robo Recall』を発表。『Robo Recall』はスコアアタック型のFPSで、価格は無料となる。現代を思わせる町並みに佇むのは無数のロボット達。Oculus Touchを使い実際のガンマンさながらにこのロボットたち銃撃し、退けていく。操作は銃撃にくわえて打撃や投擲なども使用でき、さまざまな手段でロボットをいたぶることが可能。「VRの世界で、現実さながらの感覚でFPSできる」だけでなく、スタイリッシュへのこだわりも見られ、FPSの老舗となりつつあるEpic Gamesらしい作品になりそうだ。この『Robo Recall』は昨年デモゲームとして公開された『Bullet Train』を受け継ぐFPSとなっているようだ。
また、Oculusストアで販売するUnreal Engine 4を使用したゲームのロイヤリティの総売上を500万ドルまでOculusが負担することも発表された。通常Unreal Engine 4を使用した場合は、一定額以上の売上を記録するとEpic Gamesに5%のロイヤリティを支払う必要があった。このロイヤリティをOculusが負担するということで、Oculus Rift向け作品がヒットした際には、デベロッパーはより大きな利益を手にすることができる。
発表会のもうひとつの目玉作品は『Arktika.1』だろう。こちらも現地メディアIGNが報じている。『Arktika.1』は核戦争後のロシアを舞台としたFPS『Metro』シリーズを生んだ4A Gamesが開発を担当している。舞台は、現代から100年が経過し、氷河期とともに文明の崩壊を迎えたロシア。プレイヤーはロシアを守る傭兵団となり、人ならざるものを相手に戦うことになる。4A Gamesは、『Arktika.1』についてVR向けの大規模シュータータイトルであるとコメントしている。
さらに『The Order: 1886』を手がけたReady at Dawnによる宇宙空間を舞台とした『Lone Echo』が発表された。詳細は不明ながら、無重力状態でハイスピードのアクションを楽しめるスポーツタイトルになることが示唆されている。
競合他社であるHTC Viveは以前から独占タイトルに消極的な姿勢を見せていたが、今回のOculusの発表からは揺るぎない独占タイトルへのこだわりが見て取れる。これらのほかにもOculusはディズニーと共同開発をおこない映像作品を作ることを発表し、第一弾として「Blade Runner』の続編「Blade Runner 2049」が映画公開前にOculus Riftで視聴可能になるキャンペーンが開始されるという。この試みからも、Oculusがゲーム以外の文やでも独占コンテンツを共有せんとする姿勢がうかがえる。
発表会ではスタンドアロンで動作するVRヘッドマウントディスプレイ「Santa Cruz」のプロトタイプも公開された
ちなみに発表会ではスタンドアロンで動作するVRヘッドマウントディスプレイ「Santa Cruz」のプロトタイプも公開された。このVRデバイスはバッテリーなどを後ろ側に備えているのでPCを必要としない。かつモバイル製品よりも高いレベルでのVR体験ができることから、詳細は不明ながら、PCとモバイルの中間となるようなデバイスになることが示唆されている。