配信・録画用無料ソフト「OBS」開発元、“これまでアプデにざっくりバージョンをつけていた”と認める。今後は大型アプデとマイナーアプデが分かりやすく
配信ソフトウェアの「OBS(Open Broadcaster Software) Studio」にて10月21日、これまでのバージョニング方法が変更されることが発表された。今後はセマンティック・バージョニングを適用し、メジャー、マイナー、パッチアップデートの判別が分かりやすくなるようだ。
「Open Broadcaster Software Studio」、通称OBS Studioはオープンソースで開発されている、無料のストリーミング配信およびに録画用ソフトウェアだ。本ソフトウェアは「OBS Project」として2012年よりHugh Bailey氏主導のもと制作が続けられてきたコミュニティプロジェクトで、現在最新バージョンの30を公開中。Windows、Mac、Linuxなど複数のオペレーティングシステムに対応しており、Twitch、YouTube、Dailymotionなどの配信サービスを介して容易にストリーミング配信がおこなえるソフトウェアだ。
「OBS」は様々なプラグインやAPIに対応しており、複数の拡張機能を利用することが可能。ユーザーの利用方法や用途に合わせた、柔軟性のある配信ソフトウェアとして定評のあるプログラムだ。
そんなOBSは10月21日、これまでのバージョニング方法を一新することを発表した。今後は従来のバージョニング方法から変更し、セマンティック・バージョニング方法を採用する方針だ。セマンティック・バージョニングはソフトウェアのバージョニング方法のひとつで、30.0.1など、ピリオドで数字を区切ることで「メジャー」「マイナー」「パッチ」アップデートの履歴をユーザーに分かりやすく示す手法だ。
発表内容によれば、OBSはこれまでバージョニングのカテゴライズが“loose(ざっくり)”だったとのこと。これまでのアップデートはリリースするに値する機能追加や変更があると感じたときにおこなわれていたそうで、特にメジャーアップデートの区別があいまいだったという。今後は根本的な変更や開発者に影響するAPIなどの変更を伴うアップデートのみをメジャーアップデートとして、それ以外のアップデートをマイナーやパッチとして公開していくようだ。
これまでは漠然としていたバージョンの境界線が、バージョニング方法の変更により分かりやすくなるかたちだ。この変更に伴い、今後OBSはマイナーアップデートの頻度が増加し、メジャーアップデートを1年に1度ほどのペースに抑えることを目標とするようだ。
「Open Broadcaster Software Studio」は無料で配信中。アップデートが詳細化されることで、今後プラグインやAPIなどと互換性のあるバージョンが開発陣やユーザーにより分かりやすい形でリリースされていくことだろう。