Nintendo Switchの技術面を支えるNVIDIA、「まさにWin-Win」だったという任天堂との協力関係は20年先まで見据える
NVIDIAは11月10日、2017年会計年度第3四半期の業績を発表した。Seeking Alphaがその説明会の模様を伝えている。発表の中で同社は、ゲーム部門の売上高は前年同期比63パーセント増の12億4000万ドルだったとした。Pascalアーキテクチャを採用したGPUが収益に大きく貢献したとし、その需要は地域を問わず、また製品のいずれのグレードにおいても力強いものだったと説明した。
質疑応答の中でこのゲーム部門の成長について問われた同社社長兼CEOのJen-Hsun Huang氏は、先月正式発表された任天堂の新型ゲーム機Nintendo Switchについて触れている。NVIDIAは任天堂と共同開発したカスタマイズ版TegraプロセッサーとゲーミングAPI NVN、そして同社のGeForceシリーズと同じアーキテクチャを採用するGPUをNintendo Switch向けに供給する。
別の質問への回答の中では次のようにも語っている。
また、この説明会の後でおこなわれたVentureBeatとのインタビューの中で、Huang氏は他社のコンソールへの参画には意義を見いだす必要があるとしたうえで次のように語っている。
Huang氏の発言から、2014年末か2015年初頭にはNintendo Switch向けSoC(System on Chip)の開発が始まっていたということがわかる。ちょうどNewニンテンドー3DSが発売された頃だ。もちろんNintendo Switch自体の開発はそれよりも前から始まっているはずだが、おりしも2014年は任天堂がWii Uの販売計画を大きく引き下げるなど、Wii Uの販売不振が広く報じられた年でもあった。なお任天堂は先週、日本国内におけるWii U本体の現行ラインナップについて近日生産終了予定だと発表している。
また、Huang氏は任天堂との協力関係は今後20年は続くだろうとした。任天堂のコンソール機のライフサイクルはこれまで5年程度だったことを考えると、Huang氏はNintendo Switchだけにとどまらず、その何世代も先まで見据えていることがうかがわれる。最近ではPlayStation 4 ProやProject Scorpioといった、ライフサイクルの途中で互換性を維持したアップグレード版本体を発売する動きが出てきているため、仮に任天堂もこのトレンドに追従するとなれば、NVIDIAが果たす役割はより大きなものになるだろう。また同社は今回の任天堂との仕事を通じて大きな手応えを感じたようだ。Nintendo Switchの後継機に限らず、今後また別の形の製品を開発するとなった場合にも両社のコラボレーションが見られるかもしれない。
Huang氏はさらに、マルチプラットフォームで開発することがゲームのクオリティ向上につながっている要因のひとつだとし、その中にNintendo Switchも含めた文脈で語っている。現時点で発表されているマルチプラットフォームのNintendo Switchタイトルは『ドラゴンクエストX』『ドラゴンクエストXI』『Just Dance 2017』『Project Sonic 2017』などがあるが、Nintendo Switchのパートナー企業には主要メーカーが軒並み名を連ねており、WiiやWii U以上にマルチプラットフォームタイトルが増えることを期待させる。
任天堂は2017年1月13日に開催する「Nintendo Switch プレゼンテーション 2017」で、ソフトウェアラインアップなどNintendo Switchのさらなる詳細を発表する予定だ。続く14日と15日には一般入場も可能な「Nintendo Switch 体験会 2017」が実施される。さらに、2017年2月11日と12日に開催される「闘会議2017」でも体験会が予定されている。