ハイパーインフレパチンコ『Nubby’s Number Factory』Steamで「好評率100%」スタート。どことなく2000年代の空気感漂う、奇天烈スコア稼ぎ

MogDogBlog Productionsは3月8日、『Nubby's Number Factory』をリリースした。本作はローグライト要素が加わったパチンコ風のゲームであり、そのインフレ具合とレトロさのあるグラフィックが評価されている。

インディーゲームデベロッパーのMogDogBlog Productionsは3月8日、『Nubby’s Number Factory』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)、本稿執筆時点で日本語対応はされていない。本作のユーザーレビューには、さっそく多くの好評が寄せられている。

『Nubby’s Number Factory』は「プリンコ」というゲームにローグライト要素が加わったゲームである。「プリンコ」とは、ピンが等間隔に並んでいるボードに玉や円盤を投入して、最下方のどの部分に到着するかで抽選をおこなうパチンコに似たゲームのことだ。『Nubby’s Number Factory』ではピンの代わりに数字の書かれたボールが並んでいて、自分の玉を射出してボールにぶつけると書かれた数字のぶん得点が加算される。玉の射出方向を決めて撃ち出し、より多くの得点を稼ぐのが目的だ。

稼ぐべきスコアにはノルマがあり、射出できる玉の数には限りがある。ノルマを達成したら次のボールが補充され、また次のノルマへ向けて玉を撃ち出すという繰り返しだ。なお本作にはストーリー風味でゲームプレイにおける背景も設定されている模様。数字を稼ぐことはどうやら時空を維持するために必要不可欠なのだという。ノルマを達成できなければただちに太陽が爆発してゲームオーバーとなってしまう。

そんなわけで残りの玉が尽きないように効率よくノルマを達成する必要があるわけだが、玉を1つ撃ち出すだけで稼げるスコアはたかが知れている。本作には、スコアを稼ぎ出すための強化要素がゆうに50種類以上も用意されている。たとえばサボテンを獲得すれば上から針が降り、ボールにぶつかりスコアを稼いでくれる。また変圧器を獲得すれば、最初に激突したボールから電気が流れ、周囲のボールのスコアを獲得する。こうして強化をうまく組み合わせてスコアを稼いでいくのだ。

ゲームプレイでは、最初は1桁2桁だったノルマは次第に数万どころか数兆へと膨れ上がっていく。またゲーム紹介のスクリーンショットでもわかる通り、さまざまな強化要素を発動できればプレイヤーが稼ぎ出しているスコアはもはや桁数もわからないレベルにまで爆発的に増加する。ゲーム中の「q」という表記がquadrillion(10の15乗)なのかquintillion(10の18乗)なのかは判然としないものの(quadrillionはQa、quintillionはQiと表記するのが一般的である)、天文学的な数字であることは間違いないだろう。

そんな本作のSteamユーザーレビューは本稿執筆時点で115件、そのうち100%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している。とてつもないインフレと、往年のフリーゲームなどを彷彿とさせるグラフィックにすっかり中毒になってしまうプレイヤーが後を絶たないようだ。またレビューでは、「実は20年前のゲームである」と証拠を並べ立てる人まで見受けられるなど、一風変わったかたちでもレトロさを懐かしがられているようだ。ちなみに作者のホームページも2000年代当時の空気感を再現しており、ゲームプレイと同様に懐かしい感覚を味わえるかもしれない。

『Nubby’s Number Factory』はPC(Steam)向けに配信中。定価の税込580円で購入可能だ。本稿執筆時点で日本語対応はされていない。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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