苦難続く『No Man’s Sky』、広告機関から誇大宣伝の疑惑で調査される。アクティブユーザーが1000人を下回る時も

リリース開始早々にメガヒットを記録しスタートダッシュには成功したものの、コンテンツ不足が指摘され逆風に晒されている『No Man’s Sky』。開発元のHello Gamesは現在アップデートに取り組んでいるが不具合の修正にかかりっきりで、新たなコンテンツを生み出す段階にまで至っていないのが現状だ。そんな状況を打破するためにもがき続けるHello Gamesに、また新たな問題が現れた。

 

誇大広告違反の疑惑

新たな問題というのは、イギリスの広告規制局である「Advertising Standards Authority(以下、ASA)」が『No Man’s Sky』の調査を始めたという報せだ。ASAは市民から受けた広告に対する苦情を審議し、対象の会社や業界に自主規制を要請する団体だ。行政機関ではないものの40年の歴史があり、強い力を持っているという意味では日本広告審査機構「JARO」と近い立ち位置と考えてもよいだろう。そのASAが何故動きだしたのかというと、どうやら一部の英国ユーザーが『No Man’s Sky』の広告を誇大宣伝とASAに報告していたことが始まりのようだ。

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redditユーザーAzzerUK氏は、トレイラーやスクリーンショットが製品版とかけ離れているとしてASAに報告。具体的には、地面の近くを飛ぶといった宇宙船の挙動、周囲のオブジェクトなどに反応する動物の挙動、大規模な宇宙戦闘、巨大生物、美麗なグラフィックなどあまたの存在しない要素を表示したトレイラーやスクリーンショットがSteamストアに掲載されていると指摘。また説明文には「星を移動する商船団」「領土をめぐる争い」が記載されているにもかかわらず、実装されていないといった点にも言及されている。

実際に『No Man’s Sky』は、ユーザーによって「実装されなかった要素リスト」なるものが作成されており、徹底した検証が続けられている。マルチプレイについての明言は「MMOではない」とコメントするに留まり、発売日直後にユーザー同士が出会えないと報告された時も「感動したよ。ユーザー同士が同じ惑星に辿り着くなんて奇跡だ」とマルチプレイは存在しないという明言を避け続けた件も記憶に新しいだろう。

『No Man’s Sky』のイメージ画像として用いられているシーンの多くは、ゲーム内で見かけることができない。
『No Man’s Sky』のイメージ画像として用いられているシーンの多くは、ゲーム内で見かけることができない。

AzzerUK氏とEurogamerの報告によると、ASAは発売以来複数のユーザーから同様の苦情を受けており、問題について取り組んでいるとのこと。すでにHello GamesとSteamを運営するValveに質問状を送っており、回答を待っている段階なのだという。またSteamストアに限らず、『No Man’s Sky』のプロモーションビデオを多く世に出したIGN VideoやE3 2014での映像を掲載しているPlayStation Storeなど、プロモーションの手段になったメディアすべてが調査の対象になるようだ。

 

“罰を求めているわけではない”

『No Man’s Sky』へのバッシングは海外でも特に激しく、返金騒動も生まれたほどだ。今回も不満の溜めたユーザーから反発かとおもいきや、告発者であるAzzerUK氏は、今回の運動はゲーム内容に対する怒りから生まれたものではないことを強調している。

AzzerUK氏「多くの人がHello Gamesへの罰を求めているようだけど、僕はそうじゃない。今回のような製品版に搭載されない要素が多く登場するマーケティングが一般的になってほしくないだけなんだ。ミスリーディングな部分が多くて、いろんな点で『Spore』を思い出すよ。今回の運動は、ただredditで不平を言うよりASAに働きかけたほうがずっといいと思ったんだ。」

先日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのCEOである吉田修平氏は、PlayStation 4版のパブリッシングをおこなった同タイトルについて「個人的にとても楽しんでいるものの、(ディレクターである)Sean Murray氏は製品版よりも多くの要素をプロモーションしてしまった。その点では、あまり良いプロモーションとは言えなかった。しかし、今後のアップデートを楽しみにしている。」とコメントしていた

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Hello Gamesは前述したように『No Man’s Sky』のアップデートに取り組んでおり、つい先日にはローカライズの不具合などを修正する1.09パッチがリリースされたばかりだ。一方、プレイ人口は盛り返すことができず、日毎の平均プレイヤー数は約2000人、時間によっては1000人を切ることも少なくない。弊誌ではオフラインゲームはプレイ人口が減りやすいと先日伝えたばかりだが、20万人いたプレイヤーが一か月半で1000人へと減少するのはHello Gamesにとっても望ましい展開とはいえないだろう。

ちなみにMod界隈はそんな本家の苦難をどこ吹く風に、普通のプレイでは発見しにくい墜落船に印をつけるModや、宇宙上から見える惑星の雲のテクスチャをHD化し景観を美しくするMod、光源処理の激しいシェーディングを置き換え暗くリッチなグラフィックを描くModなどが生み出されている。こういったModによる拡張もひとつの楽しみ方であるものの、ユーザーはオフィシャルな追加コンテンツを待ち望んでいるはず。今後の追加コンテンツの提供は無料と宣言しているだけに、ユーザーからの期待も低くない。Hello Gamesは求められ続ける「コンテンツの充実」に対して、どのような答えを提示するのだろうか。

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