『No Man’s Sky』のエンジンプログラマーを務めるMartin Griffiths氏は、11月11日、「現在『No Man’s Sky』でサポートされているプラットフォームの組み合わせ」リストを投稿した。その総数は20に及び、マルチプラットフォーム対応がいかに大変であるかを物語るものとなっている。
『No Man’s Sky』は、Hello Gamesが手がけるオープンワールド型のアクションゲームだ。舞台は広大な宇宙で、数々の惑星と宇宙がシームレスにつながっている。プレイヤーは謎の声に導かれ、宇宙の中心を目指して数々の惑星を渡っていく。惑星はそれぞれ様相が異なり、さまざまな生命体や気候が見られる。そんな惑星群を探索しつつ宇宙の住人たちと交流する。そのほか新たな宇宙船を獲得したり、宇宙海賊と戦ったりと、自由に宇宙を冒険可能だ。また本作に向けてはアップデートも継続的に続けられており、11月7日には大型アップデートが実施され、「The Normandy Returns」と呼ばれる『Mass Effect』シリーズとコラボした共同探検がスタートしている。
本作はマルチプラットフォームで展開されており、現在はPC(Steam/Microsoft Store/GOG.com)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに展開されている。またVRモードにも対応しており、PCの各種VRデバイスおよびPS版はPSVRに対応。そんな本作のエンジンプログラマーであるMartin Griffiths氏は、11月11日に自身のXアカウント上で「現在『No Man’s Sky』でサポートされているプラットフォームの組み合わせ」のリストを投稿した。
上記の投稿において、Griffiths氏が挙げた総数は20にも及ぶ。そのリストでは、例として「PS4」というひとつのプラットフォームをとっても、多数のバリエーションが考慮されていることがわかる。基本となるPS4からPS4Pro、さらにPS4で動作する初代PSVRに、PS4 Proで動作する初代PSVR、さらにPS5エンハンスで動作するPS4版のPSVRが存在。各アップデートにおいて、それぞれの環境に合わせた最適化作業や動作の確認が必要であると考えると、途方もない工数になりそうである。
なおこれらのバリエーションは、あくまでグラフィックエンジンが中心の簡略化されたリストであるという。Griffiths氏いわく、このリストのバリエーション以外にも、コンソールでは HDR対応 や動的解像度の有無、PC版はGPUのベンダーにあわせた固有の最適化、そしてPSVR2 の中心窩レンダリングなど、多数の想定される動作環境が存在している。そしてGriffiths氏いわく、この膨大なバリエーションを、単一のコードベースで管理しているのだという。
さらにリストにも挙げられている通り、本作は11月7日に発売されたPS5 Proにも対応。 Griffiths氏いわく、その対応には4か月から5か月の作業期間を要したという。本作はPS5 Proにおいて4K解像度での60fps動作と8K解像度での30fpsの動作の両対応に加え、高品質なアンビエントオクルージョンや超解像度技術PSSRにも対応、さらにPS5 ProでのPSVR2のアップグレード動作も実装している。Griffiths氏は大変な仕事であったと振り返りつつも、ここまで実現できたことを誇りに思っているとも述べている。
『No Man’s Sky』は2016年にPC/PlayStation 4向けにリリースされた作品。約8年間にわたりアップデートとマルチプラットフォームの展開を続けてきたことから、対応するプラットフォームのバリエーションも膨大なものとなっている。なお11月7日に行われたアップデートでは、プラットフォーム間のクロスセーブ機能もテスト実装されている(関連記事)。今回のGriffiths氏のポストは、各プラットフォームでの体験を大事にするGriffiths氏およびHello Gamesの姿勢と、その裏の苦労が垣間見える象徴的なエピソードといえそうだ。
『No Man’s Sky』はPC(Steam/Microsoft Store/GOG.com)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに販売中。Xbox Game Pass (PC/コンソール/クラウド)向けにも提供されている。