『パルワールド』の模倣らしきゲーム『Palland』がニンテンドーeショップに出現。中身はいろいろ雑

ニンテンドーeショップにて7月31日に発売された『Palland』なるゲームが、『Palworld / パルワールド』に酷似しているとして物議を醸している。

ニンテンドーeショップにて7月31日に発売された『Palland』なるゲームが、『Palworld / パルワールド』に酷似しているとして物議を醸している。

『Palland』は、クラフトサバイバルゲームだ。モンスターが点在するフィールドを舞台に、体力のほか空腹値などを管理しながら生き延びることになる。収集した素材を用いる、拠点建設要素も存在。また素材を消費してモンスターを“クラフト”し、共に冒険するシステムも用意されている。

本作はニンテンドーeショップにて7月31日に発売。モンスターを仲間にする要素があるクラフトサバイバルゲームという点や、『Palland』というゲームタイトル、オレンジ色のポニーテール姿の主人公など、ポケットペアが手がける『パルワールド』に似せているのではないかとして、一部ユーザー間で物議を醸していた。その後YouTube上にも、本作のプレイ動画がさまざま投稿。最近になってKotakuなどの海外メディアも本作の存在を報じており、波紋を広げている。


本作のフィールドはのっぺりとしたグラフィックで、まばらに草木などが配置された簡素なつくり。建物なども配置されているものの住人はおらず、マップの装飾にすぎないようだ。操作説明は最低限で、伐採できる木とできない木の見分けがつかなかったりとUI/UX面も不親切。また戦闘は基本的には至近距離の殴り合いとなり、武器よりもつるはしや斧の方が攻撃力が高かったりとかなり大雑把な作りだ。一応クエストも存在するものの、指定のアイテムを集めたり、指定の建造物を作ったりといったシンプルな指示をこなすだけの内容となっている。

そうした内容も見るに、『Palland』は話題作に似せて低品質に作られた作品、いわゆる「ショベルウェア(Shovelware)」と見られる。なおストアページにおいて本作のメーカーとして記載されているBoggySoftは、4月17日に『ONLY UP!』を、7月17日に『THIEF LIFE SIMULATOR』を発売している。前者はSCKR Gamesが手がけSteamにて大人気を博した『Only Up!』に似せた作品とみられ、ゲームタイトル表記をすべて大文字に変えるだけという大胆な模倣がおこなわれている。また後者はNoble Muffinsが手がける人気作『Thief Simulator』を模した作品とみられ、こちらも“本家”との混同を招きうるゲームタイトルやメインビジュアルだ。

ニンテンドーeショップでは、たとえば昨年3Dアクションアドベンチャーゲーム『黒神話:悟空』が大ヒットをあげた後に、同作にメインビジュアルが酷似した2Dアクションゲーム『Wukong Sun: Black Legend』が出現し問題視されていた。『The Last of Us』にメインビジュアルが似たゲーム『The Last Hope – Dead Zone Survival』など、配信停止された例もあるものの、模倣作品は後を絶たない状況だ(関連記事1関連記事2)。そうした問題はニンテンドーeショップに限らず、ほかのストアプラットフォームでも発生している。

今回の『Palland』もそうした作品のうちのひとつながら、『パルワールド』に似た作品が任天堂のストアに出現したという点でも話題となっているようだ。『パルワールド』といえば、任天堂および株式会社ポケモンがポケットペアを相手取り、同作が複数の特許権を侵害しているとする訴訟を提訴しており、係争の最中にある(関連記事)。渦中のゲームを模倣した作品をニンテンドーeショップで販売するというふてぶてしさも、今回の『Palland』が特に波紋を広げている所以だろう。とはいえ訴訟における争点とみられる、モンスターの召喚の仕組みなどは、『Palland』では模倣されていないようである(関連記事)。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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