「Nintendo Switch版『BURAI 上巻』が2つある」ことを権利元が謝罪。“原作者が許可していない”「EGGコンソール」の方は突如販売終了に
アルティは10月15日、『BURAI(ブライ)上巻』のNintendo Switch版について原版の異なる2作品が発売されて混乱を招いたと謝罪を投じている。

株式会社アルティは10月15日、『BURAI(ブライ)上巻』のNintendo Switch版について原版の異なる2作品が発売されて混乱を招いたと謝罪。D4エンタープライズが販売していた『EGGコンソール ブライ上巻 PC-8801mkIISR』を、販売終了したことを明かした。本稿執筆時点ではメビウスが販売する『BURAI 上巻 MSX2版』のみが配信されている。
『BURAI 上巻』は、リバーヒルソフトが手がけ1989年に発売されたRPG。PC-8801のほか、PC-9801/MSX2/FM TOWNS向けに展開された。舞台となるのは、ザイアス大陸と大陸を囲む7つの島からなる世界。飯島健男氏(現ペンネーム・飯島多紀哉氏)がシナリオを手がけた癖のあるキャラクターたちが織り成す物語や、サウンド・緻密なドット絵グラフィックなどを持ち味として根強い評価を受けてきた。

今年に入り、そんな『BURAI 上巻』のNintendo Switch向け移植版が発売。ただ元になったバージョンの違いで、2つの別々のタイトルとしてNintendo Switch向けに販売されていた。片方はPC-8801版を元にする移植版で、2月20日にD4エンタープライズより『EGGコンソール ブライ上巻 PC-8801mkIISR』として発売。もう一方はMSX2版をもとにする移植版であり、6月19日にメビウスより『BURAI 上巻 MSX2版』として発売された。
そうしたなかで10月15日、『BURAI 上巻』の版権を所有するアルティが公式Xアカウントにて声明を投稿。『BURAI 上巻』について、原版の異なる2作品が発売されたことで「混乱を招いた」として謝罪を伝えた。あわせて『EGGコンソール ブライ上巻 PC-8801mkIISR』については販売終了されている。
声明では原作者である飯島多紀哉氏への謝罪も綴られており、飯島氏もこの声明を引用するかたちでユーザーに報告。『EGGコンソール ブライ上巻 PC-8801mkIISR』については原作者かつ著作権者である飯島氏に断りなく発売されていたとして、苦言を呈している。結果として、飯島氏の監修した『BURAI 上巻 MSX2版』のみが引き続き販売継続されることになった。
なお販売終了となった『EGGコンソール ブライ上巻 PC-8801mkIISR』については、D4エンタープライズが展開している「EGGコンソール」の1作であった。同社はレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」を運営しており、そのなかから「EGGコンソール」としてNintendo Switch向けに一部作品が移植されてきた。今年8月には『EGGコンソール フレイ PC-9801』と『EGGコンソール ブランディッシュ リニューアル PC-9801』が販売終了となったことも記憶に新しい(関連記事)。今回はまたもや「EGGコンソール」作品が突然の販売終了となったかたちだ。