Nintendo Switchの後継機種の生産は、現状問題ない見込み。転売は「生産数をしっかり確保」して対策へ


任天堂は7月1日、6月27日に開催された「第84期 定時株主総会」の質疑応答の内容を公開した。このなかでNintendo Switchの後継機種の“転売対策”を訊く質問・回答なども明かされている。

株主総会のなかでは、2023年4月1日から2024年3月31日までの第84期の事業報告の内容、連結計算書類の内容などが報告。また株主・投資家向けの質疑応答がおこなわれ、公式サイトにてその内容が公開された。さまざまな質問に向けて、古川俊太郎社長や宮本茂氏といった経営陣による回答がおこなわれている。


質疑応答のなかのある質問では、Nintendo Switchの後継機種について言及。後継機が発売された際の転売対策について訊かれた古川氏はまず、昨年や一昨年には半導体部品の不足に直面してNintendo Switchを十分に生産できない状況があったことを説明した。一方で現在はそうした状況が解消されており、現時点で部品の不足等が大きな影響を与えるとは考えていないと回答。転売対策として、需要を満たせる数をしっかりと生産することが最重要であるとしている。

また古川氏は、インディーゲーム(小規模の開発会社によって開発されたゲーム)と任天堂との今後の距離感を訊く株主・投資家からの質問にも回答。同氏によると、任天堂のプラットフォームの魅力を高めるためにインディーゲームは不可欠な存在とのこと。今後も任天堂のプラットフォームがインディーゲーム開発者にとって魅力的になるように、活動を継続・強化していくとしている。なおこれまでにはインディーゲームの開発がしやすい環境整備やサポートの充実のほか、イベント開催や公式番組「Indie World」といった取り組みがおこなわれてきた(関連記事)。

このほか任天堂の中核開発者が高齢化しているのではないかといった質問に向けては、古川氏が「順調に世代交代が進んでおり、まったく不安を感じていない」と回答。任天堂には若く優秀な開発者が数多くいるとしている。また取締役のなかで最年長の宮本茂氏も、新作ゲームは若い世代の開発者でもつくれる体制になっており、順調に引き続ぎができているとの考えを示した。とはいえ引き継いだ先も年齢が上がってきている状況はあるそうで、もっと若い人にも引き継いでいきたいとの意向を示した。

一方で、宮本氏個人としては「つくる」ことを続けていきたいそうで、今もゲーム開発にしっかりと関わるケースもあるとのこと。また世界中で受け入れてもらえるような新しい IP をつくることや、面白そうなことに積極的に関わっていこうとの姿勢を示している。

さまざまな質問が寄せられ、取締役陣からの回答がおこなわれた任天堂の第84期 定時株主総会。今期中の発表を控えたNintendo Switchの後継機種に関する話題もみられ、続報は引き続き注目されるところだろう。