『ニーア オートマタ』のボス戦BGM、なんとパリオリンピックのアーティスティックスイミング日本代表に用いられる。美シキ歌なので


ニーア オートマタ(NieR:Automata)』の楽曲が、パリオリンピックのアーティスティックスイミング日本代表チームのプログラムに用いられたことが注目を集めている。プロデューサーの齊藤陽介氏も楽曲が用いられたことに感謝の意を伝えている。

アーティスティックスイミングは、2018年までシンクロナイズドスイミングと呼称されていた種目だ。音楽に合わせてプールの中でさまざまな動きや演技をおこない、技の完成度や同調性、演技構成、さらには芸術性や表現力を競う(日本オリンピック委員会)。


日本時間7月26日から開催されているパリオリンピックのアーティスティックスイミングでは、日本からは中島貴子ヘッドコーチ、および加島知葉コーチが率いる代表チームが出場。8月6日から8月8日にかけて3種の演技がおこなわれた。テクニカルルーティンとフリールーティン、そして今大会から加わったアクロバティックルーティンの3つの演技の合計点で競い合うかたちだ。このうちフリールーティンでは、使用された楽曲にも注目が集まっている。

フリールーティンで用いられたのは、2017年発売の『ニーア オートマタ』の楽曲「美シキ歌」だ。同作は、西暦11945年の世界を舞台とするアクションRPG。かつて機械生命体の襲来を受けて地球を追われ月に退避した人類は、決戦兵器としてアンドロイド兵士「ヨルハ機体」を開発。プレイヤーはヨルハ機体で構成されたYoRHa(ヨルハ)部隊の隊員2Bとして、仲間の9Sと共に地上での情報収集任務に挑む。

アーティスティックスイミングで用いられた「美シキ歌」は、ゲーム内では遊園地のボス「ボーヴォワール」戦で聴くことができる。恋心から美しさを追い求め続け、暴走してしまったボスであった。

そんなボス戦BGMが用いられたフリールーティンの演技の一部は、本稿執筆時点ではTVerにて視聴可能。チェスをテーマにしているという今回のプログラムは、何度もダンスの専門家の指導を受けながら、5年かけて世界観や動きを磨き上げてきたそうだ。演技においては、チェスの駒の動きやバトルを表現しているとのこと。なお原曲のテンポを少し上げて、演技がシャープかつスピーディに見えるようにトレーニングしてきたという。


『ニーア オートマタ』の楽曲がアーティスティックスイミングに用いられていることについては、同作プロデューサーの齊藤陽介氏も反応。どうやら海外ユーザーがオリンピックのテレビ放送を撮影して投稿し話題になっていたのを見たようで「そっとしておきます」として直接は言及しなかったものの、「楽曲を使って頂いて感謝しかない」とコメントしている。

また齋藤氏は本作の楽曲が「前回に引き続き」用いられたとも言及している。2021年の東京オリンピックでは、『ニーア(NieR)』シリーズ作品の楽曲である「イニシエノウタ」が開会式にて演奏されていた。ほか、「美シキ歌」を用いたプログラムは先述のとおり5年にわたってトレーニングが続けられており、2022年の世界水泳選手権などでも用いられ、ユーザーからも注目されてきた。今回はオリンピックという大舞台で披露されたことで、改めて国内外で大きな注目を集めているかたちだ。

なお日本代表チームは今回のオリンピックにて、総合順位では5位に入賞。惜しくもメダルを逃す結果となったものの、楽曲だけでなく磨き上げられた演技でも存在感を放っていたといえるだろう。

【UPDATE 2024/8/8 11:22】
東京オリンピックでのシリーズ作品の楽曲利用について追記