新聞社運営シム『News Tower』、特盛アプデとともに正式リリース。「競合他紙」と読者の奪い合い、1930年代のニューヨークでメディア王を目指す

Twin Sails Interactiveは11月18日、『News Tower』を正式リリースした。本作は新聞社を運営するシミュレーションゲームだ。正式リリースにともなって、さまざまな要素が追加されるアプデが実施されている。

パブリッシャーのTwin Sails Interactiveは11月18日、『News Tower』を正式リリースした。それまで早期アクセス配信中だった本作に向けて、バージョン1.0となるアップデートを配信している。対応プラットフォームはPC(Steam)だ。

『News Tower』は戦略シミュレーションゲームだ。舞台となるのは1930年代のニューヨーク。プレイヤーはニューヨークに拠点を置く実業家としてビルを建設し、新聞社を設立。新聞を刷るための輪転印刷機からデスク、トイレまで配置を決め、経営をおこない、会社を成長させていく。

新聞を発行するにあたっては、記者の割り当てや編集方針の策定などが必要だ。犯罪や政治、スポーツなどのトピックを取り上げ、センセーショナルな見出しを付けるか、入念な調査に基づいた記事を公開するかを選択していく。こうした方針の選択は読者の反応や売上にもかかわってくる。歯車がかみ合った場合には売り上げが大きく伸びるが、一方で方針立てに失敗すると、読者の反発を招くほか、訴訟のリスクも生じる。

また権力階級として、市長、マフィア、上流社会が存在。ニューヨークではそれぞれの思惑が交差する。1930年代と言えば、世界恐慌や第二次世界大戦などが起こった時代。そんな波乱の時代の中で、新聞社としてどの勢力に近づくか、どういったニュースを取り上げ、あるいは闇に葬るのかといった選択による分岐も持ち味だ。

そんな本作が今回アップデートとともに正式リリースされたかたちだ。正式リリースにあたっては、新たな権力階級として軍部(Military faction)が追加された。たとえば上流階級に忖度した運営を続ければ軍部の評価が下がってしまうといった影響が権力階級間では存在。なおどちらの勢力に与しても報酬が用意されており、プレイスタイルや欲しい報酬といった事情などとも相談しつつ、近づく勢力をより慎重に決める必要があるだろう。

また“競合他社”も登場。「The Jersey Beacon」と「The Empire Observer」なるメディアがゲーム内に登場し、ニューヨーク内で評判を争うことになる。「The Jersey Beacon」は古式ゆかしい新聞社で、世界に伸びる幅広い情報網が強みだ。一方の「The Empire Observer」は新興の大衆紙といった風で、半分嘘で半分広告のような記事を送り出しているものの、ウォール街にて磨き上げられたセンスにより、飛ぶように売れているとのこと。こうした競合との“縄張り争い”も、本作の醍醐味となるだろう。

本作は2024年2月に早期アクセス配信が開始されたタイトル。マフィアや上流階級などがにらみを利かせ合う、1930年代の雰囲気が好評を博すほか、新聞社をプレイヤーの思う方針で運営できる自由度などが高く評価される作品だ。本稿執筆時点でもすでに2389件のレビューを集めており、うち96%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスとなっている。ここから正式リリースによってさらに注目を集め、評価や売上を伸ばしていくかは注目されるところだ。

『News Tower』はPC(Steam)向けに販売中だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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