『モンスターハンターワイルズ』の「釣り」、「狩りより難しい」との苦戦報告多数。突如本格化した釣りが「トロコン最難関級の壁」として立ちはだかる

『モンスターハンターワイルズ』における「釣り」の難しさが、たびたびユーザー間で話題にのぼっている。過去作から一転して本格化した釣りに、苦戦するユーザーも多いようだ。

モンスターハンターワイルズ』における「釣り」の難しさが、たびたびユーザー間で話題にのぼっている。過去作から一転して本格化した釣りに、苦戦するユーザーも多いようだ。

本作は、ハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズの最新作だ。舞台となるのは、ギルドが調査したことのない未踏の領域「禁足地」。刻一刻とダイナミックにその姿を変貌させるフィールドを舞台に、モンスターが群れて争う過酷な環境と、生命が溢れる豊かな環境という二面性をもつ世界での物語が描かれる。

本作でもハンティングだけでなくフィールド上でさまざまな探索をおこなうことが可能で、シリーズ恒例の要素「釣り」も続投。一方で釣りのシステムは大きな変化を見せており、苦戦の声も多く上がっているようだ。


これまでの『モンスターハンター』シリーズの釣りといえば、魚が食いついたタイミングで引き上げるだけのミニゲーム。狙う魚ごとに食いつきやすくなる餌を付けたり、大物相手ではQTEが必要になったりという仕組みもあったものの、シンプルなシステムであった。ちなみに『モンスターハンターポータブル 3rd』からは使用しても消費されない「疑似餌」が登場し、餌を使わず釣り続けることも可能となった。

一方『モンスターハンターワイルズ』の釣りでは、本格的なルアー釣りに変化。魚を食いつかせ、かかってから釣り上げるまでの工程がそれぞれ複雑化することとなった。これを受けて、大型モンスターの狩猟よりも釣りの方が難しいといった悲鳴も上がっているようだ。特に大物釣りのルールについてはコツを掴みづらいという声も散見される。


なおSteam版の本作の実績取得率を見ると、大物を30匹釣り上げることで得られる実績「大物釣りに魅せられて」を取得したユーザーはわずか1.5%。ほかの実績と比べると、たとえば歴戦の個体を50体倒す「歴戦のハンター」は取得率12.4%、レア度6の特産品を10種類入手する「東の地の探検家」は2%であり、いわゆるやり込み系のトロフィーの中でも屈指の取得率の低さであることがうかがえる。トロフィー・実績を早くもコンプリートしたユーザーからは、「大物釣りに魅せられて」が最難関であったとの感想も複数みられる。

ちなみに初めて釣りを成功させると取得できる実績「はじめてのフィッシング」の取得率は62.4%。対して上位環境までゲームを進めたことを示す実績の取得率は68.3%だ。釣りは序盤から可能で、サイドクエストも用意されているものの、一定数のプレイヤーは一切釣りをせずにゲームを進めているようだ。

では実際のところ、本作にて釣りはどれほど複雑化しているのか。まず本作では、魚に応じて食いつきやすいルアーの種類だけでなく動きも異なるため、キャストした後の糸を巻く速度に気を配る必要がある。糸を巻く操作もコツを掴むまでは難しく、また魚によっては条件を満たしていても誘いに乗りづらい種類も存在。手探りで攻略を模索する、妙にリアルな仕組みだ。


そして大物においては、食いついてから引き上げるまでにもかけ引きが存在。糸が切れないように相手の動きにあわせて竿を動かし、疲れたタイミングで糸を巻き取るといった本格的な釣りミニゲームとなっている。また大物は「エラ洗い」として水面をジャンプすることもあり、この際には所定の操作も求められる。そうして過去作からかなり複雑化しているだけでなく、リアルな水面のエフェクトなども相まって魚を見失いやすいことなども、苦戦の要因としてあるだろう。

ちなみに魚を釣りやすくなるスキル「ハンター生活」を発動できる防具は現時点では「ガライーブーツα」のみ。作成するためには大物の魚「ガライーバ」を釣って素材を集める必要がある。装飾品「狩人珠」を入手できない限り、ハンター生活スキルなしで釣りをしなければならないわけだ。このことも、釣りの難しさが波紋を広げている背景にあるかもしれない。

このほかそもそも釣り場は、素材の採集箇所や各種モンスターのようにマップ上で確認できず、どこにあるのかを自分の足で探す必要もある。ほかにも大物用のルアーは釣りをテーマとする複数のサイドクエストをクリアしなければもらえなかったりと、釣りに至るまでのハードルの高さもシリーズ随一といえそうだ。

発売から1週間以上が経過し、じわじわとその難しさがコミュニティ内に広まりつつある本作の釣り。過去作のシンプルな釣りから打って変わって本格的に刷新された点も見るに、狩りの合間にじっくりと遊び続けるミニゲームとして想定されているのかもしれない。釣り場探しやルアー選びをしつつ、気長に取り組むのもいいだろう。どうしても苦手な場合は、狩人珠を入手できるまで狩りの方に目を向けてもいいかもしれない。

モンスターハンターワイルズ』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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