迷宮づくり防衛ローグライト『Minos』発表。魔改造した自慢の迷宮で侵入者と戦う先読み重要ゲーム、自ら囮になったりしばきにいったりも戦略のうち
Devolver Digitalは9月29日、迷宮構築・戦略ローグライトゲーム『Minos』を発表した。

パブリッシャーのDevolver Digitalは9月29日、Artificerが手がける戦略ローグライト『Minos』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語に対応する。リリースは2026年中の予定となっている。
『Minos』は迷宮を構築するローグライトタワーディフェンスゲームである。主人公はミノタウロス(ミノス王の牛の意)こと、アステリオス。プレイヤーはアステリオスとして、富や栄誉を求めて化け物退治にやってくる侵入者たちを撃退することになる。

ゲームは好きなステージを選択して迷宮の階層を進んでいく仕組みになっている。各ステージは準備パートと撃退パートに分かれており、準備パートで迷宮を作り変え、撃退パートですべての侵入者を排除すればステージクリアとなる。次の階層のステージ選択画面では、侵入者の数や種類、使える罠の種類やマップの大きさなどをあらかじめ確認可能。難しいステージでは報酬も高めに設定されるようだ。また、ステージ選択画面ではさまざまな強化もおこなうこともできる。事前の準備も戦略に大きく影響するだろう。
罠には踏んだら発動する感圧式のものや、一定範囲内の侵入者をおびき寄せる誘引式のもの、斜線上に敵を感知したら発動するもの、プレイヤー自身が起動するものなど、さまざまな種類のものが存在している。ただし罠は「罠スロット」という特定のマスにしか配置できない。そのため、侵入者を罠にはめるには壁の設置・破壊を駆使して、うまく誘導する必要がある。罠の中には感圧式で「3回目に発動する」といったものも存在する。配置によっては後方を進む厄介な存在を撃退したり、侵入者たちを分断したりすることもできるわけだ。

侵入者は最初、アステリオスの位置を把握することができない状態であり、迷宮の奥深くに設置されている「アステリオンの陣域」に向かってゆっくりと進み始める。アステリオンの陣域に到達した侵入者は「追跡者の目」というバフを獲得し、アステリオスの位置を把握できるようになる。こうなった侵入者は我先に化け物を討ち取ろうと走り始め、アステリオスに向かって素早く突き進んでくるため注意が必要だ。
ちなみに準備パートでも撃退パートでも、プレイヤーはアステリオスを自由に動かすことができる。侵入者にあえて追跡者の目を獲得させ、アステリオスの位置を調整して誘導するといったことも可能なのだ。なお、アステリオス自身も比較的高い戦闘能力を持っているため、ある程度の敵であれば罠に頼らずとも撃退可能である。もちろんアステリオスが討ち取られてしまってはいけないので、アステリオス自らが戦うのはあくまでも最終手段となりそうだ。


本作はギリシャ神話をモチーフとしており、アステリオスという名も神話中でミノタウロスにつけられた本来の名前だ。アステリオスは、クレタ王ミノスが神との誓いを破ったために、王妃パーシパエーが神罰によって牡牛に恋情を抱いた末に生まれた牛頭の子である。神話中ではミノス王がダイダロスに迷宮ラビュリントスを作らせてアステリオスを幽閉するが、本作ではダイダロスは設計のみをおこない、迷宮の建築や改築はアステリオスが自らおこなっている。神話の中で後にミノタウロスを討ち取ることになるテセウスも登場するようだが、本作の物語は神話そのままではない様子だ。いったいどのようなストーリーが展開されるかも見どころの一つだろう。
本作を手がけるArtificerは、Devolver Digitalに属するポーランドを拠点とするゲームデベロッパーである。過去にはターン制戦略ゲーム『Showgunners』や、戦術ステルスアドベンチャー『Sumerian Six』などをリリースしており、いずれも「非常に好評」ステータスを獲得している。2024年には従業員の約半数にあたる28名のレイオフが報じられた同スタジオにとっては、本作がスタジオの命運を分ける作品となる可能性もある(Game Developer)。人員削減後にも戦略性という同スタジオの持ち味が発揮されるのかにも注目したい。
『Minos』はPC(Steam)向けに開発中。リリースは2026年中となる見込みだ。