マルチ対応AI推理ゲーム『みんなで推理』“知ったかぶりAI”に振り回される迷宮推理で妙なブームに。ヒント役なのにあやふやAIとたわむれる人類

Push Forwardは12月1日、クイズゲーム『みんなで推理』を正式リリースした。本作はAIに質問を投げかけ、答えを導くクイズゲームとなるのだが、そのAIの回答の精度がプレイヤー間で話題になっているようだ。

株式会社Push Forwardは12月1日、クイズゲーム『みんなで推理』を正式リリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。iOS/Andoroid版の配信も予定しているという。本作はAIに質問を投げかけ、答えを導くクイズゲームとなるのだが、そのAIの回答の精度がプレイヤー間で話題になっているようだ。

『みんなで推理』は、AIに質問を投げかけ、答えを導き出すマルチプレイ対応の推理ゲームだ。プレイヤーはAIが設定した答えに対して、個々でAIに質問を投げかける。AIが質問に対する答えを回答。それを繰り返し、正しい答えを導き出す。問題の正解数をソロプレイ、もしくはマルチプレイにて競う。

本作には、部屋情報を知っているプレイヤーのみが参加可能なプライベートセッションのほか、正答数を競争しあうマルチプレイモード、シングルプレイ専用のチャレンジモードなどで遊ぶことができる。また、制限時間や問題数を自由に設定して、ゲームの難易度を調整することも可能だ。

出題される問題は、ゲーム内に元々収録されているデフォルト問題のほか、プレイヤーが自由にカスタマイズ可能なオリジナル問題も存在。ゲーム内に収録されているデフォルト問題には、「キャラクタークイズ」、「歴史上の偉人クイズ」、「193ヶ国の国名クイズ」など、オーソドックスな問題が収録されている。モードと問題の選択で自由に遊び方を設定できるかたちだ。

本作を手がけた株式会社Push Forwardは、個人開発者のざらきー氏が設立した主にAIを活用したインディーゲームを作るカジュアルパーティゲームの会社だ。本作は2024年8月13日にSteamにて、早期アクセス版がリリース。そこからオリジナル問題の追加や、シングルプレイモードの追加、スマートフォン版のリリースなどを経て、12月1日に正式リリースを果たしている。

本作はSteamユーザーレビューにて、本稿執筆時点で53件中86%が好評の「非常に好評」ステータスを獲得している。レビューでは、自分で問題の題材を選べる自由さや、税込880円という低価格で遊べることが好評に繋がっている。しかし、もっともレビューにて評価されているのは、本作の主軸となるAIの精度に関するものだ。

本作は質問から答えを引き出すゲームとして、質問に対するAIの答えが誤っている時があると指摘されている。あるプレイヤーは、国名クイズの答えがチュニジアだった時、AIに「答えがカタカナ6文字あるいはそれ以上ですか?」と質問。AIの答えは「はい」であったとのこと。加えて、「ヨーロッパ地中海に面していますか?」との質問には「いいえ」と答えられたという。しかし、チュニジアは5文字かつ、地中海に面している国だ。つまりAIが“嘘をついている”といえるだろう。ほかにも、シマリスのキャラクター、チップとデールが答えだった際、「ネズミですか?」という質問に「はい」と答えたなどと、AIの認識があやふやだというレビューが複数寄せられている。

このAIの精度については、クイズとして成り立たないという批判的な声もある一方、これが本作の持ち味になっているという好意的な声も見られる。AIの言うことをすべて鵜呑みにせず、正解に近づけるような核心的な質問を練り上げ、答えをなんとか導き出すというところが思わぬクイズのやりごたえにつながっているようだ。

また、この正否不安定な答えを出すAIがどこか可愛らしく、嘘をついたところをあえて質問でツッコむ、難しい質問や関係ない質問をしてAIを困惑させるなど、独自の楽しみ方をするプレイヤーも存在する模様。気になることをなんでも答えてくれるAIだからこそできる楽しみ方もあるようだ。

『みんなで推理』はPC(Steam)向けに配信中。現在リリース記念セールとして、定価である税込880円から33%オフの税込589円で販売中だ。また、iOS/Andoroidでの配信も予定している。

Tamio Kimura
Tamio Kimura

エンタメ大好き系ゲーマー。COOPゲームが大好き、クライム系だったらなおよし。

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