『マインクラフト』に「最大4人乗れる空飛ぶ新モブ」が実装へ。グラフィック大幅強化オプションや、春の大型アプデ配信日などお披露目された「マインクラフト ライブ」まとめ

Mojang Studiosは3月23日、『マインクラフト』に関する特別番組「Minecraft LIVE(マインクラフト ライブ)」を放送した。今後のアップデートで実装される新要素のほか、この春公開となる映画「マインクラフト/ザ・ムービー」の最新映像などが紹介された。
『マインクラフト』は、Mojang Studiosが手がけるサンドボックスゲームだ。本作の世界はさまざまな種類の3Dブロックで構築されており、破壊と創造を繰り返してプレイヤーが思い通りに冒険や建築を繰り広げていく。対象機種に応じて2つのエディションが展開されており、PC向けの「Java版」とコンソールやスマートフォンでもプレイ可能な「Bedrock版(統合版)」が存在する。
「Minecraft LIVE」は、『マインクラフト』の最新情報をお披露目する毎年恒例のライブイベント。例年10月頃に年1回おこなわれていた本イベントだが、2025年からは年2回放送されることが告知されており、今回はその第1回目だ。放送では「ゲームドロップ」と呼ばれる定期アップデートの紹介が中心となる。3月23日深夜2時からYouTube/Twitch/Minecraft.netで同時配信され、放送後に各言語の字幕付きアーカイブがYouTubeにて視聴可能となる予定。本稿では、本放送で紹介された最新情報をまとめてお伝えしたい。
春アップデート「Spring to Life」が3月26日に登場
スナップショットを通じて公開されてきた多数の新要素がついに正式実装される。これまで「Spring Drop(スプリングドロップ)」と呼ばれていたこのアップデートの正式名称が「Spring to Life(スプリング・トゥ・ライフ)」になるということが発表された。このアップデートでは、既存のバイオームにユニークな個性を与えることで、プレイヤーが各地に再訪したくなるようなゲーム体験の創出を目指している。

まず本アップデートにより、ウシやブタなどの動物モブにいくつかの亜種が追加され、各地ではそのバイオームに応じた見た目の動物たちと出会えるようになる。また新たな環境音が追加。砂漠における風の音やホタルの鳴き声など、より没入感のあるサウンドが導入される。各環境音は特定のブロックに結びついているため、ブロックを移動すればその環境音を別の場所でも聞くことができるようだ。そのほか、落ち葉や茂みなどといった植物に関する要素が拡充されたり、スポーンエッグの見た目が変更されたりなど、多数の新要素が実装される。

2025年最初のゲームドロップとなる「Spring to Life」は、日本時間3月26日に実装予定だ。なおバージョンはJava版では1.21.5、Bedrock版では1.21.70となる。現在アップデートの最終調整がおこなわれており、スナップショットおよびベータとしてリリース候補版(RC)が利用可能だ。
ビジュアル大幅強化の新機能「Vibrant Visuals」
ここからは今後のゲームドロップで追加される要素についての新情報だ。まずは『マインクラフト』のグラフィックに関する新機能「Vibrant Visuals(バイブラント ビジュアルズ)」が紹介された。この機能によってゲームの素の状態、いわゆる「バニラ」のビジュアルが大幅に強化される。

影や反射の表現が追加され、より高品質なグラフィックへと進化。水面に反射する風景や水底に映るコースティックなど、水に関する表現も非常にリッチになっているようだ。窓から差し込む光や木漏れ日などによって、ワールドの印象はがらりと変わる。クモやエンダーマンの目が暗所で光ったりなど、暗闇で輝く発光表現も導入される。ディープダークバイオームでは、暗い洞窟内に輝く無数のスカルクがとても幻想的な風景を作り出している。
この「Vibrant Visuals」は後方互換性を有しており、これまで遊んできた既存のワールドで使うことが可能。設定をオンにするだけで簡単に切り替えることができる。また、自分のデバイスでローカルに処理されるため、マルチプレイで遊ぶ際にもサーバーに機能を導入したりする必要はない。ゲームプレイに影響を与えることなく、美しいグラフィックを体験することができるようだ。

『マインクラフト』のシンプルなグラフィックに物足りなさを感じるという声も上がっており、プレイヤーはこれまで独自のテクスチャや「影Mod」と呼ばれるシェーダーを導入することで美しい映像を作り出していた。このアップデートによって、バニラの『マインクラフト』でもリッチなグラフィックを楽しめそうだ。なお、「Vibrant Visuals」は今後数か月以内に実装されるとしている。まずはBedrock版向けに登場し、その後Java版向けにも導入される予定とのこと。
空飛ぶ新モブ「ハッピーガスト」到来
さらに、新たなモブ「ハッピーガスト」も披露された。ネザーの「ソウルサンドの谷」に存在する骨ブロックの下を探すと、新ブロック「ドライガスト」を見つけることができる様子。悲しい顔の小さいガストのような見た目をしたこのブロックは、手で掘ることでアイテム化することが可能だ。

このブロックをオーバーワールドに持ち帰ったら、バケツ使ってドライガストに水をかけよう。水に浸して数分じっくり待つと、ドライガストの顔が徐々ににこやかになっていき、最終的に新モブ「ガストリング」がスポーン。この宙に浮いたモブは、プレイヤーやほかのモブに飽きるまでついていくマイペースなモブ。このガストリングは火の玉の代わりに雪玉を好んでおり、プレイヤーが雪玉を与えることで徐々に成長し「ハッピーガスト」へと進化を遂げるのだ。

ハッピーガストは、専用の鞍を装着することで最大4人のプレイヤーが乗り込むことのできる乗り物モブだ。他のプレイヤーとの探検を楽しめるだけでなく、サバイバルモードでの建築でも活躍するという。高所でのブロック設置などが格段に楽になるかもしれない。これまでプレイヤーはエンドで手に入る「エリトラ」に頼ってきたが、空中移動の新たな選択肢が加わった格好だ。

「マインクラフト/ザ・ムービー」最新映像
日本では4月25日に公開となる映画「マインクラフト/ザ・ムービー」の最新映像が公開。ナタリー役を演じるEmma Myers氏によって映画の魅力が語られた。四角いジャガイモや四角い木など、まるで『マインクラフト』の中にいるかのような映画のセットには非常に驚いたという。さらに今回、マインクラフトの村「Midport Village」にナタリーら一行が最初に訪れる劇中シーンがお披露目となった。

今回公開された映像では「自動焼き鳥製造機」が登場。「タンパク質が摂りたい」というギャレットに対して「ぴったりの場所があるぞ」とスティーブが案内する。店に着いたスティーブがレバーを倒すと、レッドストーン信号が伝わり装置が作動。養鶏場から取り出されたニワトリに溶岩が降り注ぎ、焼き鳥が完成した。この「自動焼き鳥製造機」はプレイヤーの間で有名な装置であり、映画では他にもこういったコミュニティに伝わる小ネタが多数登場することが予想される。公開が待ち遠しいところだ。
なおBedrock版を対象に、Midport Villageをモチーフにしたライブイベントが3月26日から4月7日まで開催される。すべてのチャレンジをクリアすると、Bedrock版とJava版の両方で身につけられる限定マントが手に入るようだ。

配信の最後には、Emma Myers氏やメディアディレクターのVu Bui氏ら4人の出演者による後語り番組「The Deep Dig」が放送。今回の「Minecraft LIVE」で紹介された新要素を実際に試しながら、和気あいあいとしたトークが展開された。
以上が「Minecraft LIVE」で紹介された内容の概要となる。詳細は放送アーカイブおよび日本語公式記事をご覧いただきたい。英語音声ながら、放送終了後に日本語字幕に対応予定。
『マインクラフト』は「Java版」および「Bedrock版」が販売中。今回の放送で紹介された春のゲームドロップ「Spring to Life」は3月26日配信だ。