Mojang Studiosより販売されているサンドボックスゲーム『マインクラフト』。同作をニンテンドーゲームキューブ向けに“移植”したユーザーが登場。さらに独自のゲームエンジンを使って最適化をおこなったところ、想像以上のパフォーマンスが出たようだ。
『マインクラフト』は、Mojang Studiosが手がけるサンドボックスゲームだ。本作の世界はさまざまな種類の3Dブロックで構築されており、破壊と創造を繰り返してプレイヤーが思い通りに冒険や建築を繰り広げていく。
本作はPC(Windows/Mac/Linux)向けに対応しているJava版と、PC(Win10/Win11)とXboxやPlayStation、Nintendo Switchなど各種コンソールに対応しているBedrock版(統合版)が存在している。なお本作は当初PC向けに2009年にアルファ版としてリリース。正式リリースされたのは2011年のことであり、コンソール向け展開がおこなわれたのは2012年のXbox 360版からだ。ニンテンドーゲームキューブやWiiなど古いハードウェアには展開されておらず、正規の手段では遊ぶことはできない。
そんな『マインクラフト』について、過去のハードウェアに無理やり“移植”を果たしたユーザーが現れた。ニンテンドーゲームキューブやドリームキャストなどに“移植”した『マインクラフト』の映像を公開したのは、ゲーム開発者のmeesedev氏だ。
meesedev氏はオリジナルのサバイバル探検ゲームの開発を手がけている最中だという。その過程でゲームエンジンの制作も進行中。そこで同氏は、今年6月頃からゲームエンジンの出来を測るために、Java版『マインクラフト』のBeta 1.7.3を丸ごと古いコンソール機に移植し描画を確かめるテストをおこなっているようだ。
meesedev氏はゲームエンジンを最適化しつづけ、8月27日には、ついにニンテンドーゲームキューブに“移植”した『マインクラフト』の描画距離が13チャンク(208ブロック)まで到達したとのこと。なおNintendo Switch向けの『マインクラフト』における基本の描画距離は12チャンク(192ブロック)となっている。同氏の自作ゲームエンジンでの最適化によって、2001年に販売されたニンテンドーゲームキューブが、2017年に販売されたNintendo Switchよりも広い範囲を描画できるパフォーマンスを発揮しているかたちだ。
また同氏は自作のゲームエンジンをWii向けに移植したところ、描画距離が17チャンク(272ブロック)まで到達したとのこと。これはPS4版における最大描画距離の16チャンク(256ブロック)を超える値だ。こちらもmeesedev氏のゲームエンジンによる最適化が光る結果となっている。
それぞれ前世代のハードウェアにて、少なくとも描画距離において、『マインクラフト』が新しい世代のハードウェアよりも高いパフォーマンスで動作しているとされるのは興味深い。“移植”に用いられたのがJava版『マインクラフト』のBeta 1.7.3という点や、ハードウェアごとに出力される画面解像度が異なる点などにも留意したいものの、ゲームエンジンや最適化によってハードウェア性能以上のパフォーマンスを引き出せる可能性を示す事例かもしれない。
なおmeesedev氏によれば、このゲームエンジンで制作するゲームは完全にオリジナルのアセットを利用し、『マインクラフト』とは異なったゲームプレイになると述べている。今回はmeesedev氏の手がけるゲームエンジンによる最適化が注目を集めたものの、同氏の手がけるオリジナルゲームがどのような作品になるかも注目したいところだ。