とある小児向け病院が専用『マインクラフト』サーバーを導入。入院中の子供たち同士で冒険して遊べる・交流できる施策としてMojangが制作協力

シアトル・チルドレンズ病院は8月1日、病院内からプレイ可能な『マインクラフト』のサーバーを導入、ワールドを制作したと発表した。導入にあたっては、本作開発元のMojang Studiosや、本作公式パートナーのHive Gamesが協力したという。

シアトル・チルドレンズ病院(Seattle Children’s Hospital)は8月1日、病院内からプレイ可能な『マインクラフト』のサーバーを導入、ワールドを制作したと発表した。同サーバーは小児患者への遊びや交流の場となることを目的としており、本作開発元のMojang Studiosや、本作公式パートナーのHive Gamesが協力したという。海外メディアGameSpotが報じている。

シアトル・チルドレンズ病院は、アメリカのシアトルにある小児病院だ。設立者はAnna Herr Clise氏。同氏は自身の息子をリウマチによって亡くしたことをきっかけとして、1907年に病院を設立した。以後病院は数度移転を繰り返し、また2008年には現在の名前である「Seattle Children’s Hospital」に改称。現在は407床を備え、がん治療や感染症など多彩な分野において、最先端の医療研究もおこなっている。

Image Credit: Gamers Outreach on Web


そんなシアトル・チルドレンズ病院が8月1日、公式サイトにて『マインクラフト』のサーバーを導入し、ワールドを制作したと発表した。このサーバーには病院内からのみアクセス可能となっている。

今回発表された、世界初となる、小児患者向けの「病院支援型(hospital-supported)」の『マインクラフト』マルチサーバー。このサーバーの制作には、シアトル・チルドレンズ病院だけでなく、『マインクラフト』の開発元であるMojang Studios、そして本作に向けてさまざまなマルチプレイヤーサーバーを提供しているHive Gamesが協力したという。ちなみにこの提携は数年にわたっておこなわれていた模様。入念に計画され、制作が進められていたようだ。

*Henry Ou氏
Image Credit: Seattle Children’s on Web


ワールド内にはブロックで作られた仮想のシアトル・チルドレンズ病院が存在しており、子供たちは病室から出なくても、病院探索をして遊ぶことができるようだ。とはいえ“バーチャルシアトル・チルドレンズ病院”以外にもワールドが広がっていると見え、公開された画像からは、子供たちが洞窟を探検したり森や平原で遊んだりしている様子がうかがえる。またミニゲームも用意されているようで、パルクールモードとして、鬼ごっこをしつつ、時間内に特定ポイントまで競争する、というようなモードもあるようだ。

なおワールド内の病院は、当病院で実際に医師として働いているHenry Ou氏が手がけたという。Ou氏は、入院する子供、特に長期入院する場合には、娯楽や外の世界との交流、ひいては友達と触れ合う機会があまりない、とコメント。病院内で『マインクラフト』を他の患者とともに遊ぶことで、ストレスの軽減を狙っているそうだ。さらに病院を探検できるようにすることで、手術や診察への不安を和らげる効果も見込んでいるとのこと。

今回の発表に際しては、Mojang Studiosにてゼネラルマネージャーを務めるRyan Cooper氏も「『マインクラフト』は子供たちにとって単なるゲームを超えたものだ」と、本作が娯楽の分野を超え、子供たちの生活に深く根ざしているとの見解を示した。そしてCooper氏は、「遊びの力を通じて、『マインクラフト』が、子供たちの想像し創造する力を刺激し続けることを願っている」とコメントを寄せた。入院を余儀なくされ、自由に遊ぶこともままならない子供たちにとって、娯楽としてだけでなく創造性を高め、ほかにもコミュニケーションの場や安心まで与えられるツールとして『マインクラフト』が選ばれたかたちだろう。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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