リアルフライトシム『Microsoft Flight Simulator 2024』に出てくる動物は“『プラネット ズー』産”だった。人気動物園シムからまるっと拝借友情出演

フライトシム『Microsoft Flight Simulator 2024』に登場する動物は人気動物園経営シム『プラネット ズー』から拝借したものであるという。

マイクロソフトは11月19日、『Microsoft Flight Simulator 2024』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S。Xbox Game Pass(PC/コンソール/クラウド)加入者向けにも提供されている。本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるJorg Neumann氏によると、登場する動物は人気動物園経営シム『プラネット ズー』から拝借したものであるとのこと。PC Gamerが報じている。

『Microsoft Flight Simulator 2024』(以下、MFS2024)は、フライトシム『Microsoft Flight Simulator』シリーズの最新作だ。本作は、マイクロソフトのクラウドサービスAzureやAzure AI、Bing Mapsと連携し、地球上の環境のリアルな3Dモデルがゲーム内に生成されることが特徴。ゲームプレイでは、単に飛行機を操縦するだけにとどまらず、VIP客のチャーター機や、商業飛行、捜索救難、空中からの消火活動、エアレース要素といった航空業界でのキャリアを楽しめる。さらには飛行機から降りて、自由に歩いて回ることも可能だ。

そんな本作において、販売元のマイクロソフトで『MFS2024』を含め『MFS』シリーズのエグゼクティブ・プロデューサーを務めているJorg Neumann氏がPC Gamerに語ったところによると、『MFS2024』に登場する動物はなんと人気動物園経営シム『プラネット ズー』から拝借してきたものであるという。

プラネット ズー』は、Frontier Developmentsが開発を手がける動物園経営シミュレーションゲーム。2019年11月に発売され、2024年現在でも精力的にアップデートおよび追加パックの配信が行われている。同作では自在な建築や動物選びを通して、理想の動物園を自由に作り上げることができる点が持ち味。登場する動物も高精細な3Dグラフィックでリアルにシミュレートされるのも特徴となっている。公式サイトによると、DLCを含めると登場する動物は本稿執筆時点で全195種類にも及ぶという。

『プラネット ズー』

PC Gamerのインタビューにおいて、Neumann氏は長い間、Frontier Developments と仕事をしてきたと言及。同スタジオはかつてMicrosoft Studios(Microsoft Game Studios)のパブリッシングのもとで、『ズー タイクーン』など複数のゲームを手がけていた。近年ではマルチプラットフォーム向けのゲームが展開されているものの、当時からの縁が続いているのだろう。

そこでNeumann氏は『MFS2024』の開発にあたって、友人でもありFrontier Developments のCEOを務めるJonny Watts氏に連絡したという。Jonny氏に対し「『プラネット ズー』の動物を貸してくれない?』と聞いたところ、Jonny氏は快諾。そうして「『プラネット ズー』 の動物を全部まとめて『MFS2024』の世界に放り込んだ」と語っている。ひっそりと大胆な“友情出演”がおこなわれていたようである。

なお『MFS2024』の世界においては、仮想世界のディテールが前作と比較し4000倍に引き上げられているとのこと。地面の小さな石、岩、砂利、草といったものもすべて3Dでモデル化されている。さらにモデル化されているだけでなく、離着陸における車輪と地面間の作用にも影響するなど、緻密なシミュレートが実行されているという。

『Microsoft Flight Simulator 2024』

そうした草木や岩と言った大地のシミュレートを行うかたわら、野生生物においては、実績のあるゲームのアセットがまるごと拝借されたことが明かされたかたち。モデルやアニメーションのクオリティを担保しつつ、『MFS2024』の開発リソースが“節約”されたわけだろう。

なお本作はリリース直後、読み込み時間が長すぎるという報告や、ログイン待ちの待機時間が長く、プレイしようとしてもできないという声が相次いでいる。Steamユーザーレビューも本稿執筆時点では約4000件中23%の好評率で「圧倒的に不評」の評価ステータスとなる波乱のスタートを切っている。開発元の想定以上にデータ要求が多く、サーバーが過負荷状態になったとされており、本作サポートもこの問題は認識し改善に取り組んでいるという(関連記事)。

11月21日時点でログイン待機時間の問題は解消されたとの発表がされているものの、現時点でもユーザーからは引き続き同様の問題が発生するとの報告も上がっている状況。今後も追加の技術的問題の解消に取り組むとされており、引き続き動向には注目したいところだ。

Microsoft Flight Simulator 2024』はPC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに配信中。Xbox Game Pass(PC/コンソール/クラウド)向けにも提供されている。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

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