『メトロイドプライム4 ビヨンド』の「BGMなし砂漠フィールド」に議論勃発。amiiboの音楽アンロックは、“おまけ”か否か
任天堂は12月4日、『メトロイドプライム4 ビヨンド』を発売。同作の一部エリアのBGMの仕様に関して議論が発生している。

任天堂は12月4日、『メトロイドプライム4 ビヨンド』をNintendo Switch 2/Nintendo Switch向けに発売した。2017年の制作発表からおよそ8年を経てついに発売された本作では、一部エリアの“BGM”の仕様に関して海外ユーザー間で議論が勃発している。
本作は、『メトロイド』のFPSゲームとして展開されている『メトロイドプライム』シリーズの最新作だ。主人公のサムス・アランは、予想外の突発的事故により未知の惑星ビューロスへと転送されてしまう。そして惑星から帰還すべく、新たなサイキック能力を獲得しながら、広大な世界を探索したり異形の生物と戦ったりする。

『メトロイドプライム4 ビヨンド』にてプレイヤーは、ソルバレイと呼ばれる砂漠地帯を通じて各探索エリアへと向かう。その際には、惑星ビューロスの古代文明の遺産である高機能バイク・ヴァイオラが活躍。広大な砂漠を素早く移動できるほか、特別なアクションによって敵を攻撃したり、エネルギーに変換できる鉱石を破壊・入手したりできる。
登録者数140万人超の人気YouTubeチャンネルGameXplainは12月7日、本作のこの砂漠地帯でのBGMに着目した動画を投稿した。内容はというと、ソルバレイでは基本的にBGMと言えるような音楽は流れず、環境音が聞こえてくるのみで、そのような仕様とした任天堂の意図を推測するというものである。
動画にて同チャンネルの代表Andre Segers氏は、『メトロイドプライム』シリーズの過去作なども引用しながら、こうしたゲームの主要パートにBGMが存在しないことは不自然であると指摘。また、疾走するヴァイオラの躍動感と雰囲気がマッチしていないともコメントしている。
実は、ヴァイオラ乗車中のBGMは存在しており、アンロック式になっている。amiibo「サムス(メトロイドプライム4)」を別途購入して読み込ませると、ラジオ機能が開放されて楽曲を選択できるようになる仕組みだ。なお、ゲーム内でスキャン率100%を達成することでもアンロックできるという。
こうした仕様を受けてSegers氏は、楽曲選択機能のような基本的な要素は最初から誰でも利用できるようにすべきだと主張。さらに、スキャン率100%はいわゆるやり込み要素であり、任天堂は30ドル(日本では2500円)のamiiboを売りたいがために、あえてBGMのない退屈な雰囲気をデフォルトにしたのだろうかと疑問を呈している。

この動画および先に掲載したSegers氏のXへの投稿に対するコメントは、賛否両論といった様相。たとえば、環境音のみの静かな雰囲気は世界観に相応しいという声や、敵とのバトルなど激しいゲームプレイが展開されるBGMありのエリアとのコントラストが際立ち、またそうしたエリア間の息抜きにもなって良いといった肯定的な意見が寄せられている。
一方で、BGMがamiiboを利用した事実上のPaywall(課金要素)になっているとして、Segers氏に同調するコメントも少なくない。もっともamiiboに関しては、これまでに発売されたゲームでも一部で似たような活用がされてきた歴史があり、今に始まったことではないとする意見もある。
今回の動画にてAndre Segers氏は、amiiboを通じたゲーム内コンテンツのアンロックは、オプション的な要素に限定すべきだと主張している。ただ本作のソルバレイのBGMに関しては、同氏は環境音のみでは不自然だとしているが、むしろそれが良いとするユーザーもおり、後者にとってはBGM選択機能はまさにオプション的な要素と言えるだろう。実際のところ、任天堂としてはどのような意図でこうした仕様にしたのか興味深いところである。
『メトロイドプライム4 ビヨンド』は、Nintendo Switch 2/Nintendo Switch向けに発売中だ。
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