スクエニに訴えられた“元フロントミッション”こと『鋼嵐』公式、和解により解決したと発表。今後も運営継続へ
HK TEN TREE LIMITEDは5月23日、『鋼嵐 – メタルストーム』の公式サイトにお知らせを投稿。同作を巡ってスクウェア・エニックスから提訴されていた件について、和解による解決で合意したことを発表した。

HK TEN TREE LIMITED(以下、TEN TREE)は5月23日、『鋼嵐 – メタルストーム』(以下、鋼嵐)の公式サイトにお知らせを投稿。同作を巡って株式会社スクウェア・エニックスから提訴されていた件について、和解による解決で合意したことを発表した。Game*Sparkが報じている。
『鋼嵐』は、ST(Steel Thyella・鋼嵐)と呼ばれるメカで戦う戦略RPGだ。小惑星の墜落によって生まれたミハマ島で発見されたシエラム元素によって、従来からあったメカの性能が大幅に向上。そしてミハマ島は、各勢力が貴重な資源を巡って争う激戦地へと化した。本作には、ノース連合に所属する主人公カイ・ニューマンや、ヴァルキリーという異名で畏れられる女戦士ローズ・デイズなど個性豊かなキャラクターが登場し、それぞれの思惑が交錯する物語が展開される。

本作の戦闘は、グリッド状のフィールドにてユニットを配置・移動しながら戦うターン制バトルだ。プレイヤーは指揮官となり、多彩なタイプが存在するSTに、さまざまなジョブをもつ操縦士たちを乗せて小隊を結成。パーツを狙って攻撃する戦略が可能な戦いを通して敵STを撃破し、ステージごとの勝利条件を満たすことを目指すのだ。
『鋼嵐』は、スクウェア・エニックスのライセンスに基づき『フロントミッション』シリーズの新作『Front Mission: Borderscape』として開発されていたタイトルを前身にしていたようだ。その後『钢岚(Mecharashi)』にタイトルを改めたうえでプロジェクトが継続されたとみられ、中国向けに2023年にリリースされ、グローバル向けには『鋼嵐』として2024年10月にリリースを迎えた。
一方で今年3月には、スクウェア・エニックスがTEN TREEを相手取り、本作を巡って訴訟を提起したことが海外メディアPolygonにより報じられた(関連記事)。米国での訴訟にあたり提出された文書によると、先述した『Front Mission: Borderscape』に関して、2022年10月にライセンス契約が破棄され、開発されていた作品も棄却されるはずだったという。ところが『鋼嵐』においてはメカのデザインだけでなく、キャラクターやゲームメカニクスなども『Front Mission: Borderscape』から流用されているとスクウェア・エニックス側は主張。裁判所に対して『Front Mission: Borderscape』の権利侵害に基づく『鋼嵐』の差止命令を求めたほか、TEN TREEに対して損害賠償を請求する構えを見せていた。
そうしたなかでTEN TREEからも声明が発表され、スクウェア・エニックスから提訴されたことを認めた。ただ本件を円満に解決するため、慎重に対応を進めていると説明されていた。
そして今回、スクウェア・エニックスと和解による解決で合意に至ったことが発表された運びだ。詳細は明かされていないものの、今後もサービスが継続されることが伝えられており、権利侵害の疑いのあった内容を含めて問題は解消されたのだろう。
『鋼嵐 – メタルストーム』はPC(Steam/公式ランチャー)およびiOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。Steamを含め、ストアページが閉鎖されていたプラットフォームでも配信再開されている。