大人気3Dヴァンサバ『Megabonk』開発者、なんと「The Game Awards 2025」のノミネートを辞退。“条件”を満たしてないのに選ばれちゃったとして

「The Game Awards 2025」の「Best Debut Indie Game」部門にノミネートされた『Megabonk』だが、開発者のVedinad氏は、本作が“条件を満たしていない”として辞退する意向を示した。

ゲーム開発者のVedinad氏が手がける人気ローグライクアクション『Megabonk』。同作は「The Game Awards 2025」の「Best Debut Indie Game」部門にノミネートされた。ただVedinad氏はこのノミネートについて、自身の経歴から条件を満たしていないとして辞退することを申し出た。

『Megabonk』はサバイバー系の3Dローグライクアクションゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)で、日本語表示に対応している。本作では大量の敵の猛攻を凌ぎつつ、死亡するまでになるべく多くの敵をキルすることを目指す。ステージはランダム生成され、プレイヤーはオート攻撃を駆使しつつ敵を倒す。敵を倒して得られるジェムでレベルアップし、提示されたアップグレードから好みのものを選択。そしてマップのどこかにある召喚ゲートを発見するとボスが出現し、そのボスを撃破したうえで、ポータルで脱出するとステージクリアだ。

本作は9月19日にSteam向けに製品版としてリリースされ、2週間で売上100万本を突破(関連記事)。ユーザーレビューでは約4万6700件中93%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得するなど、高い人気を誇る作品だ。

そんな本作は、11月18日に発表された「The Game Awards 2025」のノミネート作品の中で、「Best Debut Indie Game」部門に選出されたことが明らかになった。同部門は新しい独立系スタジオが制作したデビュー作に贈られる賞となっている。

しかし本作開発者のVedinad氏はこのことに謝意を示しつつも、自身と本作『Megabonk』が「Best Debut Indie Game」部門の条件を満たしていないと思うとして、辞退することを表明した。というのも、同氏によれば、過去に別のデベロッパー名にてゲームを開発した経験があり、『Megabonk』はデビュー作ではないとのことだ。なお以前の名義やスタジオ名については、現時点では明かされていない。

この申し出には多くの反応が寄せられ、特に本作のファンからは取り下げる必要はないとする声もよくみられた。これには「The Game Awards」を主催するGeoff Keighley氏も反応。正直な申し出に感謝するとし、Vedinad氏の「他のデビューしたてのチームの票を奪いたくない」とする姿勢を尊重し、「Best Debut Indie Game」部門から除外することを決定したようだ。

なお「Best Debut Indie Game」部門には今回取り下げられた『Megabonk』のほか、『Blue Prince』『Clair Obscur: Expedition 33』『Despelote』『Dispatch』がノミネート。その中にはすでにゲーム業界にて開発に携わった経験のある関係者もいる。たとえば『Dispatch』の開発元AdHoc Studioの創設者Nick Herman氏は、かつてTelltaleにて『The Walking Dead』をはじめとした作品に携わっていたことがある。そのため、どのスタジオも厳密に「デビュー作」とは言えないのではないかとする問題提起も生じている状況だ。ただ、今回のVedinad氏の告白について、先述のKeighley氏をはじめとして、各所からその誠実さが高く評価されているかたちだ。

『Megabonk』はPC(Steam)向けに販売中だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

記事本文: 1618