大ヒット中世都市づくり『Manor Lords』久々の大型アプデベータ配信で息を吹き返す。AI強化や資源細分化など大改修で人気再燃中

Hooded Horseは10月2日、Slavic Magicの手がける『Manor Lords』に向けてアップデートを実施。本アップデートを機に、落ち着き気味だったプレイヤーベースが増加している。

パブリッシャーのHooded Horseは10月2日、Slavic Magicの手がける『Manor Lords』に向けてアップデートを実施。同アップデートにより、本作のプレイヤーベースが増加し始めている。

『Manor Lords』は都市建設・戦略ゲームだ。14世紀のドイツ・フランケン地方をモチーフにした世界が舞台となっている。本作にてプレイヤーは中世を生きる領主となり、未開の地を開拓。土地ごとの特徴にあわせていくつもの集落を築き、活気ある街へと発展させていく。

ゲームプレイでは中世の町や村の歴史を参考にしたというシステムが採用されている点が特徴。たとえば家の建設においては実在した土地区画制度に従っているとのこと。また、ほかの地域との交易といった外交要素も用意。領土をめぐって戦争が勃発することもあり、プレイヤーはリアルタイムで展開する戦略バトルを制し、街をさらに繁栄させるのだ。

本作は2024年4月28日に早期アクセス配信を開始。リリースから2日で売上100万本を突破し、1か月足らずで200万本を売り上げるというロケットスタートを切った(関連記事)。

一方で、高品質ながらもコンテンツの不足については指摘されており、また早期アクセス配信ながらも大規模にコンテンツを追加するようなアップデートが少ないことへの不満も寄せられていた。これまで実施されたのは主にバランス調整やベータブランチ向けのアップデートということも相まって、プレイヤー数には落ち着きが見えていた(関連記事)。SteamDBのデータを確認すると、ピーク時には最大17万人を超えるほどの盛況であったが、ここ数か月はピーク時でも同時接続プレイヤー数は5000人を割る状況となっていた。またそうした“開発の遅さ”を理由として、Steamユーザーレビューの評価も伸び悩み、現在では「賛否両論」ステータスに落ち込んでいる。

そんな中、10月2日に試験的ベータ版が新たに登場。アップデートについては、規模を問わない調整を含めば今年1月以来となる。今回のベータ版では、主にAIが進化。開発チームによれば、まだプレイヤーに挑めるほどではないが、街並みなどはかなり自然なものになってきたとのこと。

そのほか街づくりや資源管理などといったシステム面が大きく改修された。たとえば建物には採石場や石灰窯などが追加。それにともない職業として石工が登場したほか、粗石や整石、モルタルといった資源も登場している。また既存の資源も分化が進み、野菜では資源がキャベツ、ニンジン、ビーツの3種に分割。肉は羊、ヤギ、豚、牛、鶏などが登場。なお、ソーセージは豚肉と塩を用いて作れるそうだ。さらにUIの再調整や鉄を用いたレシピのコスト調整、交易要素の調整など、多岐にわたってアップデートが施されている。ベータ版の導入方法も含め、詳細についてはパッチノート(英語)を参照されたい。

なお今回アップデートの配信が遅れたことについて、開発チームは「チームの規模を拡大したこと」を挙げている。もともと本作はGreg Styczeń氏の個人開発から発足していた作品。早期アクセス配信開始時点でサポートチームと共に開発されていたことも明かされていたが、さらにその規模が拡大していたようだ。前回のアップデートから長らく期間が空いた点については二度と再発しないようにすると伝えられており、今後はこれまで以上にスムーズに開発が進行していくかもしれない。

ともかく、紆余曲折を経てリリースされた大型アップデートながら、各所の調整はおおむね好意的に受け入れられているようで、Steamユーザーレビューでは連日好評が投じられている様子がうかがえる。またユーザーベースも右肩上がりで、先日Steamではピーク時で1万5000人近くのユーザーが本作をプレイ。アップデート後からの上昇傾向は継続しており、今後の更なる伸びにも期待が寄せられるところだ。

『Manor Lords』はPC(Steam/GOG.com/Microsoft Store)向けに早期アクセス配信中だ。PC Game Pass向けにも提供されている。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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