『League of Legends』World Championship 2015が開幕、全参加チームの顔ぶれを紹介

いよいよ今夜から始まる『League of Legends 』の世界大会「World Championship 2015」。今年はフランス・パリに世界中の強豪チームが集い、世界最強の座を勝ち取る戦いを始めようとしている。

いよいよ今夜から始まる『League of Legends』の世界大会「World Championship 2015」(以下、Worlds)。今年はフランス・パリに世界中の強豪チームが集い、世界最強の座を勝ち取る戦いを始めようとしている。

Worldsの開催プロセスは、大きく2段階に分けられる。世界中から集まった参加チームを4グループに分け、グループ内で総当り戦を行った上で、各グループの上位2チームを選出する「グループステージ」。そして、各グループの上位2チームがトーナメント方式で勝ち抜きを目指す「ノックアウトステージ」。ノックアウトステージを最後まで勝ち抜いたチームが、今年の「世界最強」の称号を勝ち取ることとなる。

参考記事: 『League of Legends』の世界大会「2015 World Championship」の開催形式が発表

AUTOMATONでは、年に一度の大イベントを楽しみたいという読者に向け、プロの試合を楽しむための観戦手引となるシリーズ記事の掲載も始めている。個人としての技量、そしてチームワークを、己が限界まで磨き上げたプロチームたち。彼らが魅せる戦いを、ぜひ楽しんでほしい。

本稿では、グループステージに参加する全チームの簡単なプロフィール、注目選手などを紹介する。

9月13日の抽選会で決定したグループ分け。
9月13日の抽選会で決定したグループ分け。

 

Group:A

Counter Logic Gaming

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Counter Logic Gaming(CLG)は、黎明期の『League of Legends』に名を残す北米最古参のチームの一つだ。しかしながら、最強と謳われたチームはライバルたちの進歩に取り残され、2012~2014年の間は存在感を失ってしまっていた。しかし彼らは帰ってきた。様々な困難を乗り越え、2015年のSummer Split Playoffでは、積年のライバルであるTeam SoloMidを3勝0敗で圧倒、北米1位の座を取り戻した。

注目プレイヤー: Doublelift選手(ADC)
CLG創立メンバーでもあるDoublelift選手は、競技シーンのベテランであるとともに、北米随一のADCとしても知られている。Botレーンでの相棒Aphromoo選手とのコンビは、名作アクション・コメディ映画のタイトルにちなみ「ラッシュアワー」と呼ばれている。

 

KOO Tigers

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KOO Tigers(KOO)はNajin Sword、Najin Shield、Incredible Miracleという三つのチームから選手を集めて2014年に結成された韓国のチームである。元より一線級の選手を選りすぐったこのチームは、世界で最も厳しいと言われる韓国リーグの上位へとまたたく間に食い込んでいった。チームとしてのデビュー初年度を、世界大会制覇という最高の結果で締めくれるだろうか?

注目プレイヤー: GorillA選手(Support)
元Najin Shieldの選手で、Supportとしてチームの「縁の下の力持ち」を担う。韓国の選手は総じてSupportとJungleの技量が高く、LCK(韓国リーグ)ではマップ支配権の奪い合いから集団戦まで、非常に密度の濃い試合が展開される。GorillA選手も、そうした韓国のSupport陣の中では傑出した選手のひとりである。

 

Flash Wolves

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Flash Wolves(FW)は2013年に発足した台湾のチームであり、同リーグでも最も名の知れたチームでもあある。常にリーグのトップグループにとどまり続けるこのチームは、2015年のSpring Splitを1位、Summer Splitを2位で終え、さらに今回のPlayoffを経て、台湾リーグ1位の座を引っ提げて世界大会へと挑戦している。

注目プレイヤー: Kkramer選手(ADC)
台湾リーグ随一のADC。SupportのSwordArt選手は、正ADCのKkramer選手よりサブのNL選手との方が付き合いが長いものの、NL選手を押しのけて正ADCとなったKkramer選手の技量は本物だ。

 

paiN Gaming

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paiN Gaming は南米においてもっとも有名なブラジルのチームである。選手の人気も凄まじく、brTT選手(ADC)とKami選手(Mid)はそれぞれ大勢のファンを抱えている。もちろん彼らの実力は本物だ。既に競技レベル・開催規模の両方でPremier Regionとなってもおかしくないブラジルにおいて、常に3位以内の位置につけているチームである。昨年のWorldsにて、Wildcard枠参加から初勝利を挙げたKABOOMも、ブラジルからやってきたチームだった。再びのジャイアントキリングは起きるだろうか?

注目プレイヤー: Kami選手(Mid)
押しも押されぬスター選手であるKami選手。ブラジルサーバーはSeason 2に設置されたサーバーだが、古参プレイヤーはそれ以前より北米サーバーでプレイしており、Kami選手もSeason 1以来トップレベルのプレイヤーとして知られている。

 

Group: B

Cloud9

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Cloud9(C9)は、2年前のSeason 3 Summer Splitにおいて彗星のように現れ、圧倒的なパフォーマンスで北米リーグおよび国際的な大会での結果を残してきたチームだ。しかし、今年のSummer SplitではMid レーナーであったHai選手の一時的な引退(のちにJungleとして復帰)、新たなMidとしてのIncarnati0n選手の加入などの環境の変化に上手く対応できず、リーグそのものを7位で終了する状態にあった。しかし、そこから北米からの3チーム目の出場枠を賭けたGauntletにおいて奇跡のような快進撃を続け、彼らは再びWorld championshipへと戻ってきた。

注目プレイヤー: Incarnati0n選手(Mid)
2013年に「多くの有害な行動を取った」という理由で競技シーンへの参加資格を永久停止処分となったものの、その後自らの振る舞いを正し、処分を解かれたという経歴を持つ。以前から非常に優れた技量を誇るMidレーナーとして知られていたが、国際大会への出場は今回が初めてとなる。

 

Fnatic

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Fnatic(FNC)は、『League of Legends』の世界大会を制したことがあるヨーロッパチームの一つだ。しかし、かつてのチームメンバーは2015シーズン開始前までにチームを去り、一度はチームそのものの存在が危ぶまれるほどであった。しかしこの窮地において、韓国の才能(Huni選手、Reignover選手)とヨーロッパの新星(Febiven選手)をチームに加え、そして唯一チームに残ったYellOwStaR選手を核とする事でFnaticは新生した。この経緯はRedbull掲載の記事に詳しく書かれている。その結果はSummer Splitにおける18勝0敗という前人未到の記録によって証明された。彼らの選択は正しかったのだと。

注目プレイヤー: Huni選手(Top)
新生Fnatic再建の立役者のひとり。国際的には無名だったHuni選手だが、2015年のEU LCS Spring Splitでは最優秀新人賞を受賞するほどの活躍を見せた。華々しいプレイが多く、適応力の高さと確かなプレイでチームを牽引する若き獅子。

 

AHQ e-sports Club

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AHQ e-sports Clubは、台湾リーグにおけるトップチームの一つだ。かつてSeason2の世界大会を制したTaipei Assassins(TPA)とは常にライバル関係にあり、国内では熾烈な戦いを繰り広げてきている。果たして彼らは、彼らのライバル同様に世界大会の栄冠をつかむことができるのだろうか?

注目プレイヤー: AN選手(ADC)
台湾リーグ最高のTopレーナーZiv選手、ベテランMidレーナーでチームキャプテンのWestdoor選手に支えられ、チームを勝利へと導くのがAN選手。「非の打ち所がない」と称される集団戦での位置取りに注目だ。

 

Invictus Gaming

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Invictus Gaming(IG)は、中国における強豪チームの一つである。しかし彼らは過去2年間、常にあと一歩のところで足踏みをし続けてきた。リーグ戦の結果にせよ、最後の優勝争いにせよ、常に彼らは3位に甘んじる呪いにかかっていたのだ。しかし今や新たな選手を加えて呪いを打ち破り、彼らは次のステージへとたどり着いた。世界大会において、真のトップグループに相応しいパフォーマンスを見せようとしている。

注目プレイヤー: KaKAO選手(Jungle)
強豪選手がひしめく韓国では、2014年終了後のオフシーズンに「Korean Exodus(韓国人の大脱出)」と呼ばれる、選手の海外流出が起こった。KaKAO選手もその時に海外チームへと移籍した選手のひとりだ。韓国時代はKT Rolsterにて辛酸をなめていたのだが、IGへの移籍によってそのプレイを大きく活かせるチームメイトに恵まれたようだ。

 

Group:C

Edward Gaming

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Edward Gaming(EDG)は中国における最高のe-Sports組織となることを目標として2013年に設立された中国のチームである。そして世界有数のチームとなるべく作り上げられたチームは2014年のLPL(中国リーグ)においては覇権的な地位を得るほどの活躍を見せた。今や、設立時の目標の一つ「世界大会の優勝トロフィーを手中に収める」は目前である。

注目プレイヤー: Deft選手(ADC)
昨年のWorldsで3位/4位となったSamsung BlueのADCを務めていたDeft選手。彼もまた2014年終了後のオフシーズンで中国のチームであるEDGに移籍し、チームの要として機能している。方向指定スキルを持つチャンピオンを好んで使用する、テクニカルな選手。

 

H2K

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H2Kは、元々はCloud9のヨーロッパチームであるCloud9 Eclipseを前身としたチームだ。2014年の昇格トーナメントを制してLCSへの参加を決めた。1年目のチームとしては驚くべきパフォーマンスを発揮し、ヨーロッパでは3位を占めている。新しいチームではあるが、その実力は本物だ。

注目プレイヤー: Ryu選手(Mid)
元KT RolsterのRyu選手が、漂泊の末にたどり着いたのがヨーロッパのH2kというチームだった。2年前の夏、SKT T1を相手に2勝2敗で迎えた最後の試合、相手は同じチャンピオンを操るFaker選手。自軍Towerを背にするという有利な条件でも、Ryu選手は勝てなかった。再戦は、彼に一体何をもたらすだろうか。

 

SK Telecom T1

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SK Telecom T1(SKT)は、S3の世界大会を制覇した韓国のチームだ。その実力は今でも世界最高のチームの一つと見なされるほどであり、MidレーナーであるFaker選手は全世界から注目と尊敬の的となっている。とはいえ、2014年はSamsung系列のチームに後塵を拝し、世界大会を逃してしまった。栄光と挫折の過去双方を力に変え、再びSKTは世界の頂点へと返り咲こうとしている。

注目プレイヤー: Faker選手(Mid)
世界最高峰のMidレーナーと名高いFaker選手。2014年終了後のオフシーズンでも海外チームに移籍せず、SKTに留まった。ここ数年間のLoLはチームプレイのゲームを志向し、一人のプレイヤーが試合をすべて持っていくということはなくなった。彼もまた変化を受けて低迷したが、今年は自信があるという。王者の再来、なるか。

 

Bangkok titans

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Bangkok Titans (BKT)は、タイのリーグにおいて揺るぎない王者として君臨しているチームだ。今回は日本のDetonatioN FocusMeも参加したInternational Wild Card Tournament(IWCT)のアジア枠を勝ち上がって出場している。国際大会での実力は未知数だが、その戦いぶりに期待したい。

注目プレイヤー: G4選手(Mid)
BKTの要を担うMidレーナー。IWC Turkeyでは確かな技量を見せ、時には相手MidにJungleが加わってかかる圧力をさばき、ゴールド差の優位すら築き上げていた。IWCTとちがい、Worldsでは世界級のチームが彼を待つ。大きな試練といえるだろう。

 

Group:D

Origen

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Origenは2014年にFnaticを脱退したxPeke選手が立ち上げたヨーロッパの新興チームである。S5のSpring Splitにおいて二部リーグに当たるChallenger Seriesを圧倒的な強さで勝ち上がり、Summer SplitからはLCSに参戦した。そのままSummer Splitを2位で終了する大活躍を見せた。世界大会経験者3人を擁し、ADCは夏の新人賞を獲得したとあればその勢いもうなずけるものだ。

注目プレイヤー: Niels選手(ADC)
今年のEU LCS Summer Splitにて、最優秀新人賞を受賞した選手。OrigenはxPeke選手やSoaZ選手といったベテラン陣の活躍が注目されるチームだが、新人ながらも素晴らしいプレイを見せるのがNiels選手だ。経験豊富なチームメイトの支えを受けて、Worldsでも活躍できるだろうか。

 

KT Rolster

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KT Rolster(KT)は、かつてJungleの名選手を抱え強力なオブジェクティブコントロールで韓国リーグにおいて猛威を振るったチームだ。inSec選手およびKaKAO選手(いずれもJungle)が中国へと引き抜かれてその勢いは失われたと思われたが、Botレーンに新戦力を加えて再起、ついには世界への切符を手にやってきた。

注目プレイヤー: Ssumday選手(Top)
JungleやSupportの支援を受けてTopで優位を作り出し、大きく先行した状態でBotレーンへ介入、チーム全体を勢いに乗せるというKTのプレイスタイルは、TopレーナーSsumday選手の働きが鍵だ。Worldsで使用されるPatch 5.18でリメイクされたJuggernautチャンピオンたちは、彼の新たな力となるだろうか?

 

Team SoloMid

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Team SoloMid(TSM)は、Season1以来、北米においてもっとも実績を積み重ね巨大なファンを抱えたチームであり、そのメンバーはその時々のもっとも華々しいプレイヤーによって彩られてきた。しかし最近のTSMは万全とは言い難く、2015シーズンのSummer Splitは5位で終了という結果に終わってしまった。彼らが頂点へと返り咲けるかどうかが、MidのBjergsen選手の双肩に重く圧しかかっている。

注目プレイヤー: Bjergsen選手(Mid)
2013年、チームオーナーでもあったReginald氏に代わってTSMのMidレーナーとなった、デンマーク出身の選手。TSM加入以前のヨーロッパ時代から素晴らしい操作技量で知られていたが、TSMに入ってチームの中心を担い、華麗なプレイで北米のスター選手となった。最近は手首を痛めており、パフォーマンスへの影響も懸念される。

 

LGD Gaming

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LGD Gaming(LGD)は、ここ数年間「中堅どころ」と見なされてきた中国のチームである。中国においては、EDGおよびStarHorn Royal Club(昨年の世界大会2位)という二強の存在の陰に隠れていたのだ。しかし、2014年末に韓国人選手を加えての補強に見事成功し、今夏のPlayoffをついに制した。成長著しい中国勢の一角として活躍が期待される。

注目プレイヤー: imp選手(ADC)
昨年の世界大会を制したSamsung WhiteでADCとしてプレイしていたが、今年より中国のLGDに移籍。世界大会三回連続出場となるimp選手のトレードマークは、レーンでの積極的なダメージ交換とキル獲得、相手の位置取りのミスを容赦なくとがめていくプレイである。

 

[執筆協力: ユラガワ@Wired-Lynx]

Sawako Yamaguchi
Sawako Yamaguchi

雑食性のライトゲーマー。幼少の頃からテレビゲームに親しむが、プレイの腕前は下の下。一時期国内外のTRPGに親しんでいたこともあり、あらゆるゲームは人を楽しませるだけでなく、そのものが出発点となって人と人を結びつけ、新しい物語を作る力を持っていると信じている。2012年から始めた『League of Legends』について、個人ブログやTwitterにて日本語で情報発信を続けている。

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