「ブラジルで暴れ回ってほしい」世界予選に挑むRAMPAGE首脳陣、MizuRussian&Aotakaインタビュー
「海外でポーカーのプロを目指して稼いでたんです。それを全部使ってくれないかとMeron君に頼まれた」。RAMPAGE(以下RPG)がプロチームとして歩み出した時期のことをオーナー、MizuRussian氏はそう振り返る。RAMPAGEを結成した人物であり、『リーグ・オブ・レジェンド』の国内プロリーグ、LJLのキーマンのひとりである彼だが、選手を第一にクローズアップしてほしいという考えもあり、メディアのインタビューに答えることはそう多くはない。
そんな普段もポーカーフェイスなMizuRussian氏に、彼自身も感情が表に出たと語る先日のLJLファイナルでの優勝、そして8月25日にスタートするIWCQ(International Wildcard Qualifier)での世界挑戦についてもインタビューすることができた。しかも先方から「マネージャーのAotakaも同席させていいですか?」という申し出があり、願ってもないゲストにも同席してもらった形だ。RPGメンバーとしてこの春までLJLを戦い、今シーズンからマネージャーに転身したAotaka氏にも聞きたいことがあるのは言うまでもない。
IWCQが行われる、遠いブラジルの地で世界の強豪チームに挑むRAMPAGEとはあらためてどんなチームなのか。「RAMPAGE=暴れん坊」な強者たちを率いるMizuRussian氏とAotaka氏が渡航直前に語ってくれた生の声を、日本から声援を送るすべてのLoLファンに向けてお届けする。
――まずは先日の、LJL 2016 Summer Split Finalでの優勝を振り返って、いかがでしたか?
MizuRussian:
嬉しさはやっぱり大きかったです。僕は泣くタイプじゃないので涙は見せなかったですけど、それでもひさしぶりに感情的になれたというか。全員本当にがんばったと思います。ファイナルでは本当に応援の数を多くいただきました。Twitterでの応援ハッシュタグ(#RPGWIN)が試合当日に5時間ぐらいトレンド入りしていて、合計で4800ぐらい応援コメントをもらえて、それが本当に大きかったなと。DaraやTussleとも「ファンがたくさんいることが実感できたから本当にがんばらないといけないね」と当日話しましたね。
Aotaka:
DaraとTussle、それとMeron君は1年前のファイナル(2015 LJL Grand Finals)で同じDFMと戦って、先に2勝してから3勝返されて負けたことを経験してますし、その悔しい場には僕も立ち会ってますんで、ようやく1年越しで優勝できたなと感慨深いものがありましたね。
――Aotakaさんはこの夏のシーズンからマネージャーとなりました。
Aotaka:
「マネージャーになりました」という話を正式にする場がなかったんですけど、プレイヤーを引退して、運営としてRAMPAGEに関わることになりました。これまでと立場は違うんですけど、IWCQでもRPGがひとつでもいい順位を狙えるよう、全力を尽くしたいと思います。
――マネージャーに回るきっかけは?
Aotaka:
サブメンバーとしてRPGのゲーミングハウスにはずっと住んでいたんですね。で、春から新しく入ったPaz君はJUNGLEからTOPに変わったので、TOPでこちらが教えられることを教えたりとか、最初はマネージャーではなくて、住み込みのアシスタントのような形でしたね。選手として復帰する予定もなかったんですけど、シーズン途中でTussleとDaraが韓国に帰国しなければならなくて、急遽何試合か出ることになりまして、結果は残せなかったんですが、最後に代々木体育館の大きな舞台でプレイできたことは、気持ちを整理する上でもいい区切りになりました。それでシーズンが終わってどうしようという話があったときに、LJLの規定としてチームのオーナーとマネージャーを別にしなければいけないと。MizuRussianは元々オーナーとマネージャーを兼任していたので、誰かマネージャーを入れないといけない状況ということもあって。
MizuRussian:
ただその前から彼にチームの運営側に入らないかという話はしてましたね。外から新しくマネージャーを招いたとしても、選手はすんなり納得できないでしょうし、そういう意味ではRAMPAGEに関わってくれた選手で、マネージャー候補となるとAotaka君かなと。
Aotaka:
DFMのマネージャーの7Kaneさんもそうですけど、プレイヤーの気持ちがわかる元選手のほうがマネージャーに向いているのかなというのもあって、今シーズンからマネージャーをやらせてもらっています。
――プロeスポーツチームのオーナーやマネージャーの役割はチーム外から想像しにくい点もあるんですが、RPGの総監督と監督のような立場になりますか?
MizuRussian:
戦術は選手とコーチのkgtekitoさんも交えて練っていますが、僕からはあれこれ選手に直接言いすぎると心を閉ざされてしまったり、逆に仲良くしすぎても慣れ合いになってしまうので、立ち位置としてAotaka君には僕と選手の間に入ってもらう形ですかね。
Aotaka:
例えば普段から小言を言っている人が叱っても、あまり効果がなかったりするじゃないですか。なのでお母さん役が怒っても聞かないときに、MizuRussianさんに親父役としてガツンと言ってもらうというか。
MizuRussian:
僕からするとAotaka君には嫌われ役をやってもらって悪いなあと思ってます(笑)。
――なるほど。ではIWCQへのおさらいも兼ねて、メンバーそれぞれについてお聞きしていきますが、一番古株はMeron選手?
MizuRussian:
そうですね。結成当初からのメンバーです。
――入団のきっかけは?
MizuRussian:
前身となるチーム(myRevenge)を作ったときに彼から「TOPをやりたいです」って応募が来たんです。で、試しに見たら下手だった(笑)。なんで君はTOPに応募してきたんだと。ただレートは高いからこいつは絶対うまいはずだと思って「ほかにやれるロールある?」って聞いたら「ADCもやれるけど、TOPをやりたいです」って返されて、最初はかなり生意気だったんですよ。で、「ADCのセンスがあるからADCをやったほうがいい」となんとかなだめて、そっちに持っていった形ですね。
――Meron選手は腱鞘炎に悩まされた時期もありました。
MizuRussian:
一時期はチームをやめたいとも彼は言ってました。プロをあきらめるというよりも、チームに迷惑をかけたくないと。そのときは「そういうことはこっちで考えるから、悩んでないでまずは病院に行け」と返して。で、いろいろ調べたら当時の彼の机の位置が高めで、両手首を圧迫してたんですね。体に合ってないポジションで1日20ゲームぐらいの練習を続けていて、5ヶ月ぐらい腱鞘炎が続いて。Meron君は2015年のオールスター(International Wildcard All-Star Melbourne 2015)で日本代表にも選ばれたんですけど、その頃が一番ひどい時期でしたね。彼はものすごく練習するんですけど、その練習を量から質に変えて動画で研究するとか、いろいろ考えて取り組めばまだうまくなるからと納得させました。ただ当時はペットボトルも開けられなかったり、まわりのメンバーで家事も手伝ってましたね。補助用に手首のクッションを敷いたり、椅子を変えたりしながら、だんだん治していった形です。
――いまは完治してる?
Aotaka:
いまは完治してます。
――安心しました。Meron選手の次に古いメンバーは?
MizuRussian:
韓国人のTussleとDaraですね。2015年の春からチームに合流して、約1年半になります。ふたりは韓国のCTU(※Chunnam Techno University=全南科学大学。eスポーツ学科があり、プロゲーマーも育成している)の学生だったんですが、Daraはもう卒業して、Tussleはまだ少し単位が残ってるのかな? ただ日本でのプロ経験もCTUでは成績につながるんです。彼らとの出会いは、もともとMeron君が韓国サーバーで練習していたときに、いまDFMのコーチの韓国人のDragon君と出会ったんですね。(筆者注:LJLの選手には練習用に韓国サーバーのアカウントが運営から支給されている)それで彼から「変な日本語をしゃべる韓国人に話しかけられたんだけど……」って知らされて(笑)。じつはMeron君は韓国サーバーで最初にチャレンジャークラスになった日本人選手で、韓国では結構有名人なんです。それでMeron君に興味を持ったCTUのDragon君がコンタクトを取ってきて、TussleとDaraもそのDragon君からの推薦で入団した形です。ただ当時僕は母国のスウェーデンに住んでまして、韓国人にメンバーとして来てもらうにしても、いろいろ乗り越えない条件があって。その前からもMeron君からはいくつか僕に要望が出されてたんです。「日本に移り住んでくれ、スポンサーを見つけてくれ、韓国の選手を呼んでくれ、ゲーミングハウスを作ってくれ」……みたいな。
――RPGが本格的なプロチームとして上を目指すためには必要不可欠だと。
MizuRussian:
そうですね。で、彼からの見返りと言ったら「俺は優勝するから」みたいな(笑)。まずスポンサーを見つけて、全員分の給料を確保して、さらにチームの面倒も見るという無茶振りを彼から投げられたんですね。僕は海外でポーカーのプロを一時期目指してたんですが、Meron君は自分がポーカーで稼いでるのも知ってたので「それ全部使って」みたいな。泥棒みたいなもんですよ(笑)。でもプロチームの運営の面白さもあったし、どうせならトライしてみるか、という形で3ヶ月間死ぬ思いでやったらどうにかできた。ただそのシーズンにはMeron君は約束を守ってくれなかったですけどね(笑)。
――約束の実現がちょっと遅れたと(笑)。話を戻すと、Tussle選手とDara選手はもうかなり日本に馴染んでいますね。
MizuRussian:
TussleもDaraも2人とも日常会話は普通にできますし、日本のことも大好きですよね。そうでなければ1年半もやってくれていないでしょうし。
Aotaka:
Dara君は日本のアニメも好きみたいですね。
MizuRussian:
いや、Tussleもかなり見てる(笑)。あと韓国人プレイヤーって仲間に対しての依存度が高いみたいなんですね。集団生活をする以上は家族のように親身になって欲しいらしくて、オフの日でも「遊びに連れてけ」とかよく言われます。
Aotaka:
彼らからするとプライベートの時間はそれぞれ自分で、というのは結構日本的な感覚のようですね。
MizuRussian:
そういうこともあって日本の文化を教えつつ、向こうの文化も教えてね、というコミュニケーションを続けたことで、結果的にはチームが強くなることにつながったと思います。
――現メンバーだと最後に加入したのがPaz選手とRoki選手。
MizuRussian:
ふたりとも今年の春シーズンからで、一緒のタイミングですね。スター選手だったTOPのAMUSE君が学業のためにいなくなって、新たにTOPを探さなければいけない。ただAMUSE君以上の才能の持ち主は当分現れないだろうから、これは育成に力を入れないといけないなと。なのでまずはコミュニケーションが取れる人。あとMeron君は努力家だけどおバカさんなので、ゲームの内容も熟知している人。そういう意味ではPaz君のことは昔からよく知っていたし、2015年のシーズンでSalvage JavelinのJUNGLEだった時期の評価は決してよくなかったけど、僕は若くてやる気のあるプレイヤーをしかるべき環境に放り込めば絶対に強くできると思っていたので。
Aotaka:
そうですね。本人のモチベーションさえあれば。あとPaz君の決め手はやっぱりほかのメンバーとのバランスですね。日本人で積極的にしゃべるプレイヤーがチームには要ると。それにいまのメタだとTOPのテレポートのタイミングが重要で、TOPは絶対にコミュニケーション能力が必要ですし。
――Paz選手とRoki選手の春と夏のシーズンを通しての成長はめざましいものがありました。
MizuRussian:
伸びましたね。彼らは今年20歳でまだ若いので、成長スピードは本当に早いんですね。僕としては去年の段階から年齢重視で育成に力を入れて、それで失敗したらいいやという考えだったので、そういった形で伸びしろとバランスを重視したのがよかったと思います。
――Roki選手に話を戻して、彼の入団については?
MizuRussian:
Roki君はうちに来る前のチーム、DETONATORに入る前から気になる選手でした。ただどこのチームに入るかはプレイヤーが決めることなので、彼が最初にDETONATORを選んだときには「じゃあプロを経験して、もしまた考えが変わったら応募してね」という感じでした。その半年後ですかね。こちらが募集をかけたタイミングでたまたまDETONATORをやめていたので、加入してもらった形です。
――いまのチームを固めるきっかけは、やはり1年前のグランドファイナルでDFMと戦って僅差で優勝を逃したことだと思いますが、そのときはどういう心境でしたか?
MizuRussian:
非常に悲しかったですね。Meron君がステージから下りた瞬間、こっちに向かって泣いてきたんですよ。まだ表彰式もあるんですけど「顔を見せたくない」と言って、それにはやっぱりこっちも悲しくなりましたね。でもここで自分が泣いてはダメだと思ったので、天井を見ながら何も考えないようにしていました。TussleやDaraも「負けてしまってごめん」と謝ってきたんですが「負けたことは仕方ないし、次をどうするか考えよう」と話して。その試合のあとアフターパーティーがあって、僕は二次会で知り合いとカラオケに行ったんですけど、悲しい曲が流れてきたときにボロボロ泣きましたね(笑)。
――そこから新体制でのスタートとなりましたが、春のシーズンではTussle選手とDara選手が一時的に抜けるというハンデを余儀なくされました。
MizuRussian:
春のシーズンは優勝は難しいとわかりきってたんですよ。可能性があるとしたら5%、10%ぐらい。
Aotaka:
優勝できればラッキー、ぐらいの気持ちでしたね。
MizuRussian:
「それより夏のシーズンを勝とう」とその頃から言ってました。春の段階だとRoki君はチャンピオンプールも狭いし、性格もまだ消極的なところが残る。Meron君の腱鞘炎も時間をかけて直すしかない。あとMeron君は考え方。「もっと頭よくなろう。ゲームの理解度を高めよう」ということですね。Paz君もTOPになって日が浅かったので「春はとにかく全部吸収する戦い方をしよう」と話していました。
Aotaka:
海外のプロチームでも1シーズンで結果が出るところはなかなかないので、僕も2シーズン3シーズンやってみて、ようやくチームのまとまりが出るだろうなとは考えていました。
MizuRussian:
とくに新人のRoki君とPaz君は育てるしかない。ただ優勝は無理でも2位か3位には絶対に食い込むつもりでした。その意味ではUSGに春のセミファイナルで勝てたときはかなり喜びましたね。あの試合はTussleとDaraが不在で「TussleとDaraがいない間、彼らの影響がどれだけあったのかを考えて、自分たちのレベルアップにつなげろ」という話をしたのをよく覚えてます。あとは地獄のトレーニングの成果かな。
Aotaka:
そうですね(笑)。
――地獄のトレーニングというのは?
MizuRussian:
春のセミファイナルの前に、韓国のチームと徹底的にスクリム(練習試合)をしたんです。全部負けたんですが、僕はもとから負けてもいいと思ってました。自信を失うのでメンバーからは反対もされましたけど、まず1回精神を破壊したほうがいいと思って。そしたら緊張もほどけて、重りが外れた状態でセミファイナルに挑めましたね。
Aotaka:
韓国チーム相手に徹底的にやったあとだから「なんとかなるだろう」とみんな開き直ったムードでやれたというか。
MizuRussian:
正直あれはちょっと気持ち悪いムードだったけどね(笑)。
――冒頭でも少しお聞きしましたが、この夏のシーズンを振り返っていかがですか?
MizuRussian:
DFMとの対戦でファイナルだけ見るとこっちの連携がうまく行ったんですけど、Round5の段階ではMeron君が対面のHikari君に圧倒されてたんですよね。そこはミーティングでの改善点にはなりました。Meron君は自分のせいで負けたと思うとふさぎ込んでしまう性格なので、とりあえず外に連れていって。で、彼はちょっと泣いてしまって。まあ、彼と話すとよく泣くんですけど、とにかく1回叱らないといけないんですよ。
――叱って伸びるタイプ?
MizuRussian:
まあ、ほめるのは2割ぐらい。
Aotaka:
鞭が8割、飴が2割みたいな感じです(笑)。
MizuRussian:
彼は例えば3つのチャンピオンを練習して、その翌週にべつの3つのチャンピオンすると、先週の3つのチャンピオンを忘れてしまうタイプ。で、たまに相性のいいチャンピオンがいて、それだけ覚えてる。
――(笑)
Aotaka:
そこも昔の彼は数をとにかくこなして覚えるスタイルだったんですけど、腱鞘炎もあったので、単に回数を重ねるのではなく理解度を高めていこうという話をしてましたね。去年の夏にDFMに負けたときからBOTの問題をなんとかしたい思いはずっとあったので、やっとこの夏のRound10でDFMに勝ててなんとか解決したというか、Meron君のなかで一段落ついたのかなと思います。
――ファイナルでは最後の第5戦で真っ先にMeron選手のジンをピックしたことも印象的でした。
MizuRussian:
全体的に強いチャンピオンから選んで無難に構成するんじゃなくて、とにかく自信のあるチャンピオンを自分たちで取っていこうという形になりましたね。
Aotaka:
いまさら変なことをするよりも、メンバーの実感を信じて、他のプレイヤーを信じたピックをするのも、去年に比べて成長できた点なのかなとは思います。どんな状況でも対応できるよう、練習でとことん仕上げていったので、最後は自分たちの信じているものの強さが出た部分だったと思います。
――今年のRPGの大きな出来事としては、5月にウクライナの国際大会(StarLadder i-league INVITATIONAL)への出場もありました。
MizuRussian:
海外の大会に行けたのはいい経験だったと思います。とくにPaz君とRoki君が成長したかなと。観客が大勢いる場で試合できたのも、大舞台での訓練としてよかったと思います。
――ウクライナでの大会を経験して、チームの遠征先での強さが測れたと思いますが、その点はどうですか? プロシーンでは長距離移動や食べ物の苦労もよく聞きますが。
MizuRussian:
全員意外と平気だったよね?
Aotaka:
そうですね(笑)。
MizuRussian:
あとは僕からは「楽しめ」と言っています。遠征でも「旅行だ」と頑なに言いますね。どうしても遠征というと滞在先のホテルに篭りがちなんですが、僕は海外で生まれ育ったのもあって、せっかく新しい国へ行くなら、試合以外でも学ぶべきことがたくさんあると思っています。選手はやっぱりまだ子供なので、海外でゲーム以外のことも吸収することで、プロゲーマーとしての成長にもつながる。外の景色を楽しむとか、なんでもいいんです。知らない環境で、日本となにが違うのかを考える。人間的に成長しないと絶対にゲームも強くならないと思うので。日本にいる間もみんなでご飯に行ったり、遊びに行くこともひとつの練習だよと言っています。自分は危ない国にも何回も行ったことがあるし、ブラジルでもライアットのスタッフもセキュリティもいますから、最初から心配しすぎてネガティブにならずに、楽しめる範囲で楽しんで欲しいと思っています。
Aotaka:
そういう意味ではうちのチームに関しては、MizuRussianが英語ができるのは大きいですね。
MizuRussian:
ウクライナの人たちは誰も英語できなかったけどね(笑)。
――IWCQでの試合面に関してはどうですか? LJLとまったく違うスタイルの地域とも戦うことになりますが。
Aotaka:
ウクライナでの相手もトルコとロシアのチームでしたし、日頃から韓国や台湾のチームと練習しているので、じつはあまりその部分は心配してないですね。単純に地域だけで見た場合、IWCIに出場する地域よりも、普段スクリムしている韓国や台湾の方が強いわけなので、相手の強さにビビる心配はないかなと思ってます。
MizuRussian:
RAMPAGEのチームの特徴としてレーナーを育てる、集団戦、ゲームを動かす、その3つのポイントを重視して鍛えているので、その基盤がしっかりしていれば、相手にどういう戦術を取られても対応できると考えています。
ブラジルに到着したRPGのメンバーの様子がさっそくLJL公式動画としてアップされている。地球の反対側でRPGはどんな戦いを見せてくれるのだろうか
――目標は?
MizuRussian:
グループリーグは絶対に突破したいな、というのがまずは大きな目標ですね。相手チームと比べても、勝ち上がれる可能性は十分あるなと。チームとしても悪い状態ではないです。
Aotaka:
IWCQはいつもトルコとブラジルが強豪と言われてますが、今回トルコのチームに16歳の選手が2人いて(筆者注:Dark PassageのXerxe選手とCaps選手)、彼らは年齢制限の規定でIWCQには出場できないので、そこのアドバンテージは今回大きいと思います。
――では、IWCQを日本から応援しているファンにメッセージをお願いします。
Aotaka:
まず今回LJLで優勝できたのもファンのみなさんの声援のおかげだと思っています。ブラジルでもベストを尽くして、WCSへの出場を目指して全力を尽くしますので、また応援をいただけるとありがたいです。
MizuRussian:
ファンのみなさんからの応援が本当にありがたいです。チームが低迷していた時期でもメッセージをいただくことが多くて、それが支えになっています。IWCQで勝つか負けるかは正直わからないですが、それでも絶対にファンが楽しめる試合、負けたとしても何かを必ず得る形で日本に帰ってきたいと思っています。自分たちもまだまだ未熟な点が多いので、今後も応援という形のサポートをいただければ嬉しいです。
――IWCQを勝ち抜いて、ぜひアメリカでのWCS本戦まで勝ち上がってください。
MizuRussian:
そうですね。そしたらアメリカのカジノにも行けるので。
Aotaka:
ポーカー打ちの血が騒いでる(笑)
RAMPAGEが日本代表として出場するIWCQ2016は、日本時間の8月25日から行われ、世界8地域の代表による総当り戦を経て、9月4日と9月5日の出場決定戦の勝者2チームが、9月末からアメリカで行われるWCS(World Championship 2016)へと駒を進める。
日本向けの試合中継はTwitchとOPENREC.tvで行われるので、RAMPAGEの世界への挑戦はそちらでぜひチェックしてほしい。
次回の記事では、MizuRussian氏とAotaka氏へのインタビューの続きとしてIWCQ以外の話題を中心に、メンバーの普段の姿や、MizuRussian氏がRAMPAGEを結成するまでの話についても聞いていく。
[聞き手 Tomohiro Noguchi, Sawako Yamaguchi]
[写真撮影 Tomohiro Noguchi,Shigehiro Okano]