テンセント発“『Horizon』そっくりゲーム”、疑惑の画像や説明文を消し始める。SIEとの係争のなかひっそり差し替え

『Horizon』との類似が指摘されている『LIGHT OF MOTIRAM』について、ストアページにおける一部の画像や説明文が差し替えられていることが明らかとなった。

テンセント傘下のデベロッパーのPOLARIS QUESTが手がける『LIGHT OF MOTIRAM』について、ストアページにおける一部の画像や説明文が差し替えられていることが明らかとなった。同作はGuerrilla Gamesが手がける『Horizon』シリーズ作品に酷似しているとして議論を呼び、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)によるテンセントを相手取った訴訟へと発展していた。海外メディアThe Game Postなどが報じている。

『Horizon』シリーズといえば、SIE傘下のGuerrilla Gamesが手がけたシングルプレイのオープンワールド・アクションRPG。これまで第1作『Horizon Zero Dawn』とその続編『Horizon Forbidden West』のほか、関連作品も展開。かつての文明が失われ機械獣が住まう世界を舞台に、主人公である狩人アーロイの旅路が描かれてきた。

『Horizon Zero Dawn™ Remastered』

これに対し、『LIGHT OF MOTIRAM』はテンセント傘下のPOLARIS QUESTが手がける作品で、2024年11月に発表。マルチプレイ対応のオープンワールドサバイバルゲームであるとされ、文明崩壊後の世界をメカが野生生物のように闊歩するという舞台設定が『Horizon』シリーズに酷似。また、キービジュアルも『Horizon Zero Dawn』に似ているとして、発表当初から多くの批判を浴びることとなった。

『LIGHT OF MOTIRAM』

そして先日7月29日には、SIEがテンセントを相手取った訴訟を提起していたことも報道され、改めて話題に。カリフォルニア州北部地区連邦裁判所にて、SIEは著作権および商標権侵害を主張し、『LIGHT OF MOTIRAM』のリリース差し止めや損害賠償を求めた(関連記事)。

そうした状況で、『LIGHT OF MOTIRAM』のストアページの一部内容が、8月4日から8月7日にかけてひそかに更新されていることが明らかとなった(SteamDB)。まずマンモスのような姿をした巨大な機械獣のスクリーンショットをはじめとし、複数の画像や動画について削除または差し替えがおこなわれている。また、『Horizon』シリーズの主人公アーロイを彷彿とさせる女性キャラクターが映ったサムネイル画像も変更され、現在はペンギンや犬などの動物がモチーフであるとみられる小さなロボットが映ったものが掲載されている。

さらにはストアページ内の説明文も大きく修正されている。「文明が廃れた荒野」「原始文明」といった言葉は依然として使用されているものの、「メカが闊歩する」「危険なメカなどを前に」といった機械獣を想起させるワードは消滅。『Horizon』を象徴する原始的な環境と先進的な機械技術の融合といった要素がいくらか避けられているようにも思える。

また、こうした変更とあわせて発売時期が追加されている。これまで「発表予定」とされていたところ、2027年第4四半期と新たに明記された。まだかなり先にはなるものの、引き続き発売を目指す方針を示したいという狙いもあるのだろうか。

先述したように、『LIGHT OF MOTIRAM』を巡って提訴がおこなわれたことも報じられており、争点となるであろう『Horizon』に類似した要素を『LIGHT OF MOTIRAM』側がみずから排除する対応には注目が集まっている。物議を醸す同作の行方がどうなるのか、続報を待ちたい。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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